さて"ベース耳の会"の皆さま、大変長らくお待たせしました!
今回遂に昭和歌謡ベースの巨人、
エレベーター奏法生みの親?寺さんこと寺川正興さんをご紹介します。
うぉー♪久し振りに気合い入りまくりの私だ。
まず簡単な経歴を紹介すると、1939年生まれと言うことで、
うちの親世代に近い、戦後ジャズ世代の方です。
ジョージ大塚トリオや数々のグループなどでキャリアを積み、
1960年代後半ぐらいから歌謡曲、
戦隊モノからアニメ、ジャズロックに至るまで、
幅広い活躍で知られる、紛れもなくファーストコールのベーシストです。
ジャズから歌謡曲という振り幅が凄いのですが、
当時はそれが当たり前の時代で、
スタジオミュージシャンがとても重宝された、
良き時代でもありました。
さて、それでは寺川ベースのこれぞ寺川ベース!
という音楽から参りましょう!
とにかく尋常じゃないその暴れ具合!
取り敢えず昭和生まれなら誰もが知ってるであろう、
この曲から聴いてくん黙ってちょ♪
【8時だよ!】 世界で二番目にダサい全員集合☆1979
ねぇ、くん黙るしかないよね♪
こんな有名曲を独特のタイム感、
余裕って感じでウネウネと動き回っております。
ちょっと世界でも類を見ないような、、寺川節という名演!
このベースを長さんはどう思ってたんだろうか?気になるところですな。。
次は僕の小学校時代のアイドル、
カンフースター倉田保昭さんの「闘えドラゴン」から。
倉田さんと言えば、
ブルース・リャンとの「帰ってきたドラゴン」が大好きだったな。。
歌は「およげたいやきくん」でお馴染みの子門真人さんです。
どうぞ!
たたかえ dらごん
どう?どうよ!
この高速歌謡ファンクに対してのこの恐ろしい暴れっぷり!
チャック・レイニー真っ青って感じだぁ、、
これが世界を凍りつかせた、前述の「エレベーター奏法」です♪
ま、これがエレベーター奏法だ!なんて本人が言うわけないだろうし、
きっと誰かが後付けたんだと思いますが、
けしてそのネーミングに負けない縱縦横無尽に動き回るそのスタイルは、
ジョン・エントウィッスルやジャック・ブルースも
「げっ!ゆくしだろ!」と平伏す、おったまげのベースプレイだ。
僕の寺さん原体験と言えば、
天才バカボン、また逢う日まで、真夏の出来事、辺りですが、
もちろんその頃は寺さん、寺川正興なんて名は知らないわけで、
子供はベース中心で音楽聴くわけじゃないしね。
その何年後の話ですが、あの曲のベースヤバ過ぎねぇか?とか、
あのベース聴くと歌が全然入って来ないけど!(笑)
みたいなことになってですね、、
で、やっぱり点と線がさ、こう段々と繋がってたんですよね。
それが寺川正興さんその人だったんだ。
まぁーあの弾き方はそう真似出来ませんから、
誰かとカブらないし、すぐに寺さんだと判明しちゃう感じです。
アニメや歌謡曲においての寺さんのプレイというのは、
強引だけど、どこか品があってポップなんだな。
何してくれんのかな?みたいな感じで、
ワクワクドキドキさせられちゃうのだ。
他にも凄い数のレコーディングで弾いてるので、
ベース耳の会の皆さんも注意深く聴いてみるといいですよ♪
なんでも都市伝説?では寺さんは、
バンジョーやギターで使うフィンガーピックを
使用していたという話ですが、これ本当だったら凄い話だよ。
だってそんなベースプレイヤーって、聴いたことも見たこともないもんね。
でも紛れもなくあのタッチは、ピックのアタック音ではあるんだよね。
寺さんのやりたい放題のベースを聴いた時、いつも思ってた事がある。
それは「なぜに誰も止めなかったのじゃー」である。
普通さ、ブロデューサーなりディレクターなりさ、
「おいベース!歌を食うな!」とか「音数多いぞー」とか、
言われちゃうはずなんだよね。
寺さん自体がユニークな存在なんだけど、
寺さんってジャズロックやファンクのセッションでは、
割りとおとなしいベースなんよ(いきなりファズかましたりしますが(^^;;)
普通逆なんだけどさ(笑)
寺さんは歌謡曲や戦隊ものになったら、気が狂ったように動き回るというね。
ほんと不思議な人だ。
でもよくよく考えてみるとね、こんだけ演奏やり散らかしたら、
絶対プロデューサーに「お前帰れ!」って言われるはずなんだ。
しかしこの仕事の量、ヒット曲の数を見ればね、
確実に作曲家やプロデューサーが、
「寺さん、例のヤツやっちゃって!」なんてオーダーしてるとわけで。
でないと説明がつかないもんね。この寺さんの仕事ぶりみてっと。
僕もこういう仕事してると、
当時の東京のレコード会社に所属してたディレクターの方達に
会う機会があったりするんだけど、
コロンビアレコードの人にお会いした時なんか、
「ギターを持った渡り鳥のギター弾いてる人はどなたですか?」とか、
「あのサックスは誰?」なんて可哀想に僕に質問責めにあうという(笑)
ほんと古い話なんで殆どの方が覚えてないのですが、
いやいや何でも知っちゃうとね、
それはそれでまた夢がなくなっちゃうかもね。
でも昔のレコーディングの話聞くだけど楽しいんですよね。
コロンビアのスタジオで、一発録りしかしない歌手が2人だけいたとか。
それが美空ひばりさんと嘉手苅林昌さんだったとかね。
それでは最後に、これぞ「やり過ぎ寺さん」をお送りしたいと思います。
小坂明子の「あなた」ですが、これいちお世界歌謡祭なんよ(笑)
この大舞台でこのプレイ!歴史変えたね寺さん‼️
エンディングはなんと、ベンチャーズで言うところのテケテケ♪
テケテケテケテケがブリブリブリブリになっております!
これぞ世界歌謡祭じゃ‼️
あなた 小坂明子 Anata (You) Akiko Kosaka
この小坂明子さんの音源、ベスト盤のCDかなんかあったので、
興味のある方はどうぞ!コレです👇