Jackson Browne - The Load Out / Stay
みんなにもあんのかな?自分のクロージングソング。
好きな曲はみんな色々とあると思うけど、
例えば仕事終えて「今日も終わった」なんて一息ついて聴く曲ですかね。
クロージングって意味では寝る時に聞く曲ってのもそうだけどね。
僕の場合は寝る時は音楽聴きません。
だって「うん?なに今のメロディー」とか「なんだこのアレンジは」
なんてなるわけで、全く寝れなくなってしまうわけで(笑)
まー普通に寝てても音はどこからか聴こえて来ますからね。
今回のクロージングソングは、
すばりカフェやバーで最後に流れるクロージングソングのことです。
今時そういうことしてる店って少ないと思いますが、
昔は結構多かったんですよね。
深夜営業の店やスナックは「蛍の光」ってのが定番だったと記憶してますが、
レコード流す店なんかは、それこそ店主のこだわりのクロージングソングがあったんだ。
ぼくが18の頃働いてた日の出通り(現パルミラ通り)にあった
「WOOD」という店でクロージングで流れてたのが、
このジャクソン・ブラウンの「The Load Out / Stay」。
今でもあの時間、あの空気をすごく覚えてる。
クロージングソングが流れると、お客さんのとこにレシート持って閉店を告げ、
そこから店の後片づけが始まるんですね。
その間流れてたのがこの「The Load Out / Stay」。
まっ、この曲がラジオやTVが不意に流れることなんかないけど、
どこかバーかなんかで呑んだ後「そろそろ帰るか」なんてなった時、
帰り道しっかりこの曲が空から聴こえてきたりするんだ。
このイントロのピアノに始まり、ブラウンの歌の盛り上がりと共に
だんだん楽器が重なり、ドラムのフィルで一気に道が開けるようなその音世界。
ずいぶん長いこと音楽聴いてきたけど、
ライヴ盤のラストナンバーでこれほどドラマチックな曲というのもそうない。
まるで映画でも観てるような感覚なんだ。
ブラウンの別のアルバムで、これまた名盤「Late For The Sky」というのがあるのですが、
これに収録されてる「Farther On」!
これなんかもたまらなく好きで、WOODでよく流してましたね。
Jackson Browne - Farther On
これはとにかくイントロからして、また別世界に連れられて行かれるんですね。
このイントロのスライド弾いてるお方が、
かのわたしの「月とギターとベランダ」のブックで一緒に写ってるデヴィッド・リンドレーさん。
因みに那覇のD-SETで共演した時のスナップです。
もうイントロから抜群なのですが、ほんといらない音がないというか、
ぼくから言わせりゃーもう音が言葉なんですね。
彼はギターを弾く時、音を使い捨てのように弾かないんだ。
凄く丁寧に寄り添うように弾く。
もちろんユニークな人なんで、ふざける時は思いっきりアグレッシブに攻めたりもします(笑)
お互いキング・カーティスの大ファンってことで、
意気投合して1時間ギターセッションしたぐらいですから(笑)
またこのアルバムのジャケットが当時から好きでね、この印象的なジャケットね。
ブラウンさんの歌世界がほんとよく表れてるジャケットで、素晴らしいです。
空は青空で晴ればれしてるんだけど、地上が真夜中で、
まるで空と地上が分断されてるみたいで、なんだか暗い。
まるでアメリカの光と影を、このジャケット1枚で語ってるようです。
リンドレーさんが言った言葉で、座右の銘でもないけど、深く残ってる言葉があるんだ。
リンドレーさんと言えば、凄い探究家っていうのは有名な話なんだけど、
とにかく楽器弾くこと自体が大好きな人でね、
そんな彼が「ぼくは時間を無駄にしなかった男って言われたいんだ」と言ったんだよ。
もうらしいというか、素晴らしいなと思った。
とにかく小3並みに好奇心旺盛ですからね、
世界中のどこだろうが、誰だろうが、朝だろうが真夜中だろうが、
出来る限りの時間、出来る限りの人生を弾いて弾いて弾きまくると。
目標が一流のギターリストとか、歴史に名を残すとかいった次元しゃないんだ。
なんたって「時間を無駄にしなかったギターリスト」ですから(笑)
もう降参です。
ということでもう1曲、そのアルバムのタイトル曲を。
珍しくリンドレーさんがテレキャス弾いてますが、
どうですかこの歌に寄り添う感じ・・たまりませんな。
Jackson Browne Late For The Sky
あ クロージングソングで思い出しました。
この曲もやはり外せませんね、孤高の詩人トム・ウエイツの「OL'55」。
Tom Waits - "Ol' '55"
これまた古い話ですが、
友達がやってたバーのクロージングソングでよく流れてました。
なんたってアルバムタイトルが「closing time」ですから。
これまたトムのダミ声がクロージングに凄くマッチします。
確かにこのダミ声はウイスキーかなんか入ってないとキツイですけどね。
家で寝る時に聴いたら、寝つけないどころか悪い夢見そうだもんね(笑)
クロージングソング。
仕事終わりの一杯と共に、目覚ましセットしてベッドと共に、
みなさんも自分に合った、素晴らしいクロージングソング達を探せますように。