思い出せない程、大昔に聴いたアルバム。
そのあまりの暗さに?思わず封印してしまったかのようなアルバム。
しかし悪魔の悪戯か、巡り巡ってこのアルバムはまた僕の目の前に現れたのだ。
それがジェリー・ゴフィン の「IT AIN'T EXACTLY ENTERTAINMENT」。
ジェリー・ゴフィンと言えば、ご存知あのキャロル・キングの最初の旦那様で、
数々のヒット曲をブリル・ビルディング時代に量産した名ライター。
当時のゴフィンといえば、ビートルズも認めるぐらいの素晴らしい作詞家で、
ちょっと当時のライターの中でも頭一個抜きん出た存在。
僕も大好きな曲たくさんあるんだ。
そのゴフィンがキャロルを追ってか?ディランを追ってか、
シンガーソングライターとして突如デビューして、
このアルバムを発表したのが1973年。
そのジャケットに映る憂鬱そうなヒゲ面のゴフィン、、、
あ〜オレの青春のゴフィンが、、、ってなもんである。
なんで君がわざわざディランになる必要がある?というのが最初の僕の印象。
そりゃー分かるよ。あの歌詞とあのカリスマ性だもん!
真似したい気持ちはさ、、、僕にだって痛いほどね。
しかし、君は天下のジェリー・ゴフィンだよ!
きっと、あのディランの性格からして、ガッカリしたと思うんだ。
なんかこのアルバムの参加を断ったのも頷ける話ですね。
けどね、やっぱ僕も歳を重ねたからだろうか、
すごくいい感じで、初めてこのアルバムが響いたんだ。
いや、それこそ名曲だらけですからね、凄さはわかってました。
音楽ってホント面白くて、何年前、何十年前に聴いてもピンと来なかったヤツが、
突如息を吹き返して生き生きと輝いたりするんだよ。
その時の自分の気分や環境もあるんだろうけど、
こういう出会いがあるから、やっぱりやめられないのですな(^ ^)
バリー・ゴールドバーグとがっつりタッグを組み、
マッスル・ショールズの連中がサポートしてるのも大きいですが、
やっぱりゴフィンの漂う孤独感のようなものが1番の魅力。
ロッド・スチュワートや浅川マキさんのカバーでもお馴染みの
「It’s Not Spotlight」曲なんて泣ける名曲中の名曲だよ。
バリー・ゴールドバーグのアルバムなんかもそうですが、
吉田拓郎ファンの皆様なんかにもぜひ聴いてもらいたい作品ですね。
きっと拓郎さんの素晴らしさを再確認出来ると思いますよ。
Barry Goldberg
しかし最近巷の若い子達から、こういう言葉が飛び交うという。
「最近彼氏が電話もLINEも返してくれなくてさぁ、まじボブ・ディランなんだけど」
はは、最高よのぉぉ。。
タイムリーとはいえ、こういう若い子達の軽さというか、
気軽さは大人も学ぶべきですね(^ ^)