仏の顔も回収盤 ~その①~

2015年04月15日 | 日記

 

音楽の分野において作品を世に出す場合、

そこには制作側とアーティスト側という立ち位置(立場)がある。

そのレコード製作において図らずもアーティスト、

もしくは制作側にとって意図せぬもの

つまり都合の悪い物が作られる場合もあるわけで、

なかなか根深い問題がある。

もちろんそこから軋轢や確執も生まれるわけで、

関係が破綻するケースもあるわけだ。

今回そんな世に出され発売されたにも拘わらず、

運命に翻弄され、アーティスト、

もしくは制作側によって回収という強行手段によって

消えたレコード達を紹介したい。

先ずは世界でもっとも有名な回収盤といえば、

ビートルズのブッチャーレコード「yesterday And Today」!!

僕の手元にはもちろんないが、

その昔東京は新宿の某セレブリティ・レコ屋で見かけたことはあります。

その値段といえば、それこそ酔いなんか一瞬にして覚めるぐらい(笑)

 アルバムの内容と言えばなんのことはなく、単なる編集盤なのですが、

その品の悪いジャケ写が物議を醸し回収騒ぎになったようです。

回収のおかげで、世界中のビートルマニアはこのアルバムを

血眼になって探す羽目になるわけですが、

その品の悪いジャケ写目当てで大枚を叩くという、

正にビートルズ伝説に相応しい逸話ですね。

渡鬼で有名な女優の藤田朋子さんは大のポール狂で有名ですが、

なんとこのブッチャーレコードを26万円で競り落としたとか

あの演技からはちょっと想像出来ない大胆さですな。

 

ビートルズに続いてはポールサイモンの

「SIMON BEFORE GARFUNKLE Recorded In 1964」

このアルバムはサイモンが1964年に渡英した際に、

たった独りでレコーディングした作品。

当時はイギリスのみのリリースで、ジャケも違い、タイトルも

「THE PAUL SIMON SONG BOOK」となってて、今じゃこちらの方が有名かな?

 

どうもこのアルバムサイモン本人に無許可で発売されたらしく、

即本人から回収要請が出たとか。後に日本でも発売されたのが本人の耳に入り

再度回収騒ぎに巻き込まれるサイモンさんですが、

これも身勝手なレコード会社に振り回されという、

絵に書いたような業界的事例でしょうか。

僕が所有してるのは上段の髭面サイモンの

「SIMON BEFORE GARFUNKLE Recorded In 1964」の方ですが

、これは日本のみのジャケ違いアルバムなんです。

中身の方は「THE PAUL SIMON SONG BOOK」と一緒なのですが、

今となってはこっちの方が絶盤!!

何か嬉しいですよね、日本のみのレコードなんてね。

でも、またこの髭面盤をブッチャーレコード同様

世界のポールサイモン狂は血眼で探す羽目になるのかと思うと、

複雑ですね。

このアルバム大好きなんだ。サイモンのディラン期とでもいうのかな?

歌といいギターといい、その若さ故の荒々しさがね、

妙に当時のリアリティがあってゾクゾクするんだ。

当時サイモンは相当ナーバスな時期だったらしく、

そういうのも反映されてるのかもしれませんね。

本人は意図せぬ作品だったらしいけど、名盤ですよこれは。

古い友人にサイモン狂のT君がいてね(元気にしてるかな?)

このアルバム聴く度に彼を思い出しちゃうんだ。

彼はこのアルバムのムードで弾いて歌える、稀な存在だった。

嘉手納のとある店で出会ったんだけど、

その頃は二人組でね、本格的なサイモン&ガーファンクルをカバーする

デュオって感じでね、アメリカ人の客を喜ばせていたね。

けど、このT君の相方A君が(ガーファンクル役ね)ある高い音域に

行っちゃうと、声が突然さだまさしさんになっちゃうんだよ!!

わはは!

その時周りの友達が一斉にね、

「残念な奴」・・・とため息のような笑い声のようなね、

空気が店を包んでた。はは、しかし懐かしい。

A君はなんでもT君と出会う前はさださんを歌ってたらしく、

どうも高音域になっちゃうと、昔取った杵柄といいましょうか、

天使の歌声がいとも容易く二百三高地に飛ばされる羽目になるわけです。

わはは!笑い過ぎだな・・・すまね~

 お~い!みんなぁ~元気かぁ~?

 

 

 


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