ダンボールの肉マンがやらせだったと報道されてひと安心・・・・。
とはいかない。
『都市伝説』か、と思わず思う。
やらせを創作する背景には、それが本当っぽく伝わる状況が必要だ。それに、なにかを示唆する目的を含んで成り立つもののように思える。
『トイレの花子さん』が、今どきのお子さま方にとっても都市伝説として語り継がれていることにはいささか憤りを感じる。昔聞いて怖かった話を大人になってから編集会議のネタとして提出している人が未だにいるんだ。
でも、昭和の『都市伝説』として大ヒットしたのは『口裂け女』だろう。『私は見た』的な特別番組まで放送していた。でも、これは深夜放送から生まれた創作だったことも知られている。
『都市伝説』って、お伽噺とか、ことわざにも似ている。
社会学的見地から童話や昔話に異議を唱えるっていうのはさておき、教訓を秘めつつ、変容する時代を生き抜いている。
数少ない私の知る『都市伝説』は、都会から海へドライブへ行った話。
景色の良さに誘われて静かな岩場の海岸でしばらく磯遊びに興じた時、足元がふらつきスネに擦り傷をつくってしまう。出血もほとんどなく、特に気にすることもないままに帰ってきた数日後、ヒザ下に少し痛みを覚えた。傷は大した事なかったけど、岩場だったから打ち身になったかな、と思っていると、日に日にどんどん腫れてきて歩くこともままならず病院へ行く。異常を察知したドクターが腫れたところを切開すると、骨にびっしりとフジツボがついていた・・・・。
フジツボがフナムシだったり、ムラサキイガイだったりするのだが、聞かされた相手は必ず、ギャーとか、ヒィーとか言って、『ホント?』と心細げに聞くので、『ホントなわけないじゃん』と言うと、はたかれる。
とにもかくにも、海を甘く見ずに、用心して楽しみましょうってことだ。
いよいよ夏休みも目前。怪談話との相乗効果で、街中でホントめいた話で盛り上がるのだろうか。それもまた楽しい思い出の1ページになることだろう。
でも、10代のお嬢さん方にオバサンは言いたい。ペラペラの服で電車に飛び乗る前に、『安寿と厨子王/山椒大夫』を読んでから行け!と。