久しぶりにいつもの図書館に顔を出したところ、アガサ・クリスティーの文庫本シリーズが特設棚に並んでいました。
彼女のミステリーものは映画やテレビではいくつも観ているのですが、そういえば「書物」としては読んだことがありませんでした。
流石に「これはまずい」ということで、(私にとって)有名ではない中ぐらいの長さの作品を手に取ってみたのがこの本です。
ミステリーですから「ネタバレ」になりそうなことは避けます。
全体の9割程度は状況の説明、最後の最後で事件が起こって、残りの1割でポアロさんによる謎解きという構成です。
謎解きの内容は思いもよらないこともあれば、伏線から想像できていたこともありました。ただ、ポアロさんの謎解きの個別の説明になると、事件が起こるまでの描写からは伺い知れないだろうという推測もあってちょっとどうかな?とも感じました。とはいえ、ミステリーとして想定が追いつかないような奇抜な「謎」を少しでも盛り込むためには、許容できるところかとも思います。
そのあたり、こういったミステリー小説をどういう具合に楽しむかという読者個々の好みによって、作者や作品を選べばいいのでしょう。
さて、この作品を読み終えて思うところですが、私の場合、文字で読む「ミステリー(推理)小説」はやはり松本清張とか森村誠一といった“日本の作家”の作品が向いているようです。
基本、国内ニンゲンなので、海外のものは、文字を追いかけても情景や人間関係がしっくりとイメージできないんですね。
外国作品の場合はテレビや映画といった“映像”の方が馴染みやすいのです。街並み、建物、部屋の調度などは、まさに“百聞は一見に如かず”です。また主人公も“エルキュール・ポアロ”といえば、頭に浮かぶのは「デヴィッド・スーシェ」さんの顔ですし、“シャーロック・ホームズ”といえば「ジェレミー・ブレット」さんで決まりです。
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