OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

不平不足も進歩の一助 (氷川清話(勝 海舟))

2005-09-10 20:15:09 | 本と雑誌

(p332より引用) 世の中に不足といふものや、不平といふものが始終絶えぬのは、一概にわるくもないヨ。定見深睡といふ諺がある。これは西洋の翻訳語だが、人間は、とにかく今日の是は、明日の非、明日の非は明後日の是といふ風に、一時も休まず進歩すべきものだ。いやしくもこれで沢山といふ考へでも起こつたらそれはいはゆる深睡で、進歩といふことは、忽ち止まると戒めたのだ。

 「これで満足」という達成感は、モチベーションを高める上では目指すべき目標だと思います。が、それがすべてのゴールだとすると、要はそれまでということです。

 不平・不満は、ただそれだけでは何も積極的な意味は持ちませんが、「何とかしよう」という改善・進歩のトリガーとなるのであれば、積極志向の有益なスタートラインになります。

 また、不平・不満の存在は、価値観の多様性の表れでもあります。
 すべての人が何一つ不満もなく満足している状況の方がよほど気味悪いものです。不平・不満の存在を認めることは、「多様性の容認」でもあります。

(ちなみに、私はカレーが大好きです。いくつものスパイスを混ぜ、リンゴをいれたりキャツネをいれたり、また、コーヒーをいれたりチョコレートをいれたり、さらには、ヨーグルトやサワークリームも・・・という二度と再現できない超ハイブリッドなカレーです。)

 さらに言えば、「不平・不満」を素直に言える状況も重要です。
 「不平・不満を言ってもどうにもならないんだから・・・」といった諦めムードや、「不平・不満を口にできない」抑圧された環境はあってはなりません。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« あらすじで読む日本の名著 (... | トップ | 北風と太陽 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本と雑誌」カテゴリの最新記事