(p25より引用) 広範なコスト削減は、それ自体の目的からして、良くても短期的な対応にしかならず、最終的には企業の空洞化をもたらす可能性がある。代わりに、賢いリーダというのは投資対効果を一つずつ評価し、最も見込みが低い投資対象から外していく。健全な投資対効果を維持していくためには持続的なイノベーションが必要なのであって、十把ひとからげのコスト削減ではない。
著者のマーク・ハード氏は執筆当時はNCRのCEOでしたが、現在はフィオリーナ氏の後任としてHPのCEOに就任しました。
上記の見解は彼の著作部分かどうかはわかりませんがまさに王道であり、同じような趣旨のことをウェルチ氏(元GEのCEO)も著作の中で以下のように述べています。(この部分は以前にも紹介しました)
(わが経営:p198より引用) 愚か者でも長期か短期かのどちらか一方なら何とかできる。将来を犠牲にしてコストを削減すれば、四半期か1年、あるいは2年間、利益を出せる。将来を夢見て、短期的利益を出さないのはもっと簡単だ。すぐれた経営者は、両者のバランスをとる。
誰が考えてもそのとおりだと思うのですが、なぜか実際の企業の現場ではしばしば「一律○○」という指示にお目にかかります。OH(オーバーヘッド)機能の無能をさらけ出している指示ですが、現場も適当にあしらっているのが現状でしょう。結局、結果的には何のgovernanceも効いていないことになります。
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