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孔子・老子・釈迦「三聖会談」(諸橋 轍次)

2005-10-29 13:52:30 | 本と雑誌

 孔子・老子・釈迦が一堂に会して世界観・人生観等を語るという設定の本です。

 著者自身がコーディネータ的に話題をふるのですが、折角の企画の割にはちょっと物足りない感じがしました。

 複数のことがらを比較して何かその特徴(コンセプト)を導き出す手法として、「相似(似ている点はどこか?)」と「相違(異なる点はどこか?)」という2面に着目する方法がありますが、もう一歩、そういう観点からの深堀りが欲しかったです。

 テーマとしては、「孔子の『天』・老子『無』の・釈迦の『空』」とか「孔子の『仁』・老子の『慈』・釈迦の『慈悲』」というふうに、面白そうな「相似と相違」の分析対象のコンセプトを採り上げていただけに「もったいない感じ」がします。

 個性的な三聖が揃っているのですから、各テーマについて三人が自らの思想に基づき丁々発止の議論を戦わせ、その過程で「相似」と「相違」を浮き彫りにすることができたのではと思います。

 ただ、そういう不満をいうのもおこがましいかもしれません。
 やはり、自分自身、より原典に近い著作でそれぞれの教えに触れるのが先だったように思います。

 最初から、テーマを選定してくれていて、そのエッセンスだけ抜き出したような本に頼るのは安直過ぎますね。反省です。

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4 コメント

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この本は、書店でタイトルだけみて、なんじゃこり... (てんこ)
2005-10-31 08:45:31
この本は、書店でタイトルだけみて、なんじゃこりゃあ、と思って通り過ぎました。
孔子も釈尊も、苦笑してるんじゃないかな。
ちなみに私は、老子というキャラは、荘子が、何人かの先賢を合体させて作った架空のキャラでないかと思っています。そこらへんは、白川静先生のご著書にも書いてあります。
白川静「孔子伝」は名著です。未読でしたら、一度読んでみてください。
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てんこ様 (思案中)
2005-10-31 23:11:47
てんこ様
 コメントありがとうございます。
 そうなんです。私もミーハーなので大漢和辞典の編纂者として有名なの諸橋氏の著作ということにつられて読んでみたのですが、最初からなんとなくそんな感じはしていて・・・、結局思ったとおりの本でした。
 お勧めの白川静氏の「孔子伝」、いつか読んでみます。
 てんこさんのBlogも再び論語系が復活したようで毎日楽しみに拝見しております。(お許しいただけるのであれば、私のBlogの「お勧めBLOG」に加えさせていただければと思うのですが、よろしいでしょうか?)
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もちろんです。ありがとうございます。 (てんこ)
2005-11-01 18:56:45
もちろんです。ありがとうございます。
私のほうでも、思案中さんのブログを、「おともだち」に加えさせていただいてもいいですか?
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 早速「お勧めBLOG」に加えさせていただきました... (思案中)
2005-11-02 01:03:22
 早速「お勧めBLOG」に加えさせていただきました。ありがとうございます。
 私の方ももちろん結構ですが、てんこさんのBlogの雰囲気を壊してしまいそうで申し訳ないです・・・
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