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難しい本との付き合い方 (読書術(加藤 周一))

2006-03-17 00:08:55 | 本と雑誌

(p175より引用) 世の中にはむずかしい本があります。どうすればたくさんの本を読んで、いつもそれをわかることができるようになるでしょうか。その方法は簡単です。しかし、おそらく読書においてもっとも大切なことの一つです。すなわち、自分のわからない本はいっさい読まないということ、そうすれば、絶えず本を読みながら、どの本もよくわかることができます。少しページをめくってみて、あるいは少し読みかけてみて、考えてもわかりそうもない本は読まないことにするのが賢明でしょう。

 加藤氏の言葉でなければ、ふざけていると思われかねない内容です。いつもわかるためには、わかる本だけ読めと言っているのですから。

 わからないという場合には、大きく2つのケースがあります。
 ひとつは、そこで使われている「単語」がわからない場合。もうひとつは、その説明の「論理構造」が理解できない場合です。

 「単語」がわからない場合も2つのパターンがあります。
 そもそもその単語自体の意味を知らないパターンと、単語自体は知っていてもそれが、自分の思っている「意味」ではないパターンです。前者の場合は仕方ありません。後者の場合は、「自分としてのその単語の意味」をキチンと定義してもっておけば、それとの差を意識して少しでも理解が進むという可能性があります。

(p209より引用) なぜ、一冊の本が私にとってむずかしいかといえば、その理由は、つまるところ、私がその本を求めていない、べつの言葉でいえば、私にとって少なくとも、いまその本は必要でないという点に帰着するでしょう。要するに、私にとってむずかしい本は、その本が悪い本であるか、不必要な本であるか、どちらかです。

 多くの人にとって「むずかしい本」というのは、自分の能力不足のために理解できない場合がほとんどだと思います。
 加藤氏ほどの割り切りは私には無理です。

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