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21世紀の君たちへ (ガラスの地球を救え(手塚 治虫))

2007-05-24 00:53:01 | 本と雑誌

Teduka_osamu  「鉄腕アトム」を読んで感じられるのが、アトムの純粋な正義感と時折垣間見られる寂しさです。

(p28より引用) アトムも人間の中にあっては、“差別される子”なのであって、“ふつうの子”ではありません。けれども、信念を持って行動し、決してあきらめたりしない。ときには、どう考えても勝ち目のなさそうな相手にも、ぶつかっていく子として描いています。

 手塚氏は、自らが「いじめられっ子」だったと言い、小さい頃は劣等感のかたまりだったと言います。
 それだけに、未来を担う子どもに対しては、優しく温かい目を向けています。

(p59より引用) 一見、大人の目から見てダメに見える子どもの中にも、大人の眼力がないために埋もれたままになっている何かが必ずあるはずです。

 また、手塚氏は、子どもの持つ限りない可能性を心から信じています。

(p155より引用) 危険はすべて排除されるかわりに、失敗は許されない。それでは子どもは大きくはなれません。
 いろいろな挑戦をさせ、たとえ失敗しても抱きとめるゆとりのある社会、そして再度チャレンジ精神を子どもが培えるような文化状況を、ぜひともつくりたいと思います。

 本書のタイトルは、「ガラスの地球を救え」

 この本には、「なんとしてでも、地球を死の惑星にはしたくない」という手塚氏の最期の想いがこめられています。

(p135より引用) ぼくたちが子どものころに駆け回った野山、林をふきわたる風の音、小川に群れていた魚たち、どこにでもいた昆虫、そして無造作なほど咲きほこっていた草花-。いまは失われてしまったそれらは、しかし、決して取り戻せないわけではないのです。
 その気にさえなれば、いまならまだ間に合うのです。たとえ、すべては戻ってこないとしても、少なくとも今宵の月、明日の青空だけは、もう失いたくありません。

 今からでもできることは、いくらでもあります。
 そして、そのために「IFの発想」

(p168より引用) 自分以外の人の痛みを感じとるには、想像力が必要なのです。

ガラスの地球を救え―二十一世紀の君たちへ ガラスの地球を救え―二十一世紀の君たちへ
価格:¥ 460(税込)
発売日:1996-09

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