(知性について(ショーペンハウエル)p88より引用) おなじ物を長く見つめていると、眼が鈍くなって、もう何も見えなくなる。それとおなじように、知性もおなじ事柄を打ちつづき考えていると、それについてもう何も発見したり理解したりすることができなくなる。あまり長い間ひとつの物をみつめていると、輪郭がぼやけて、何もかもかすんでくるように、ひとつの事柄を長く考えつめているときにも、すべてがこんぐらかってくる。こういう場合には、一旦それから眼を離さなくてはならない。そしてそのあとで再びそこへ立ち帰ってみると、こんどはそれがはっきりした輪郭で鮮やかに現れてくる。
パソコンやサーバのOSも継続的に長時間稼働させているとだんだんゴミがたまってきて、動作が不安定になったりレスポンス低下が生じたりすることがあります。
そういうときには一旦マシンをシャットダウンして再起動をかけます。CPUやメモリーをリフレッシュして、改めて新たな気分で働き直してもらうのです。
人間系も同じです。考えが煮詰まってくると、思考や議論がおなじところを堂々巡りし始めます。そういう時にはリフレッシュです。
リフレッシュの方法としては、一休みするとかで自分自身を再起動させる方法もありますが、人を変える、場所を変えるといった方法もあります。
文字通り「人」を変える、たとえば何人かで議論をしているとき新しいメンバを加えると、いままで気づかなかった新しい視点が拓かれることはよくあることです。
また、物理的に「場所」を変えて気分転換するとか、「視座」を変えて別の切り口から考え直してみるとかも有効です。
(サッカーでいえば、人の変更が「試合の流れを変えるためのメンバーチェンジ」、場所の変更が「新たな攻撃の起点をつくるサイドチェンジ」という感じです。)
ただ、やはり「自分自身を再起動」させるのが本質的な解決法です。
「気分転換」といってしまえば簡単ですが、言うほどなかなかうまくできるものではありません。
いわゆる「ストレスの発散」ができればいいのでしょうが、「ストレス発散の方法がみつからなくてストレスが溜まる」という情けない状態になりまねません。
ともかく、何事も考え過ぎないようにしますか・・・ (過ぎたるは及ばざるがごとし)
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