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要約の効能 (考える技術・書く技術(バーバラ・ミント))

2006-10-14 12:07:23 | 本と雑誌

 プレゼンテーションのHow Toでは、あることを説明する場合、まず、これから説明する具体的な項目の「数」を示してイントロとすることが薦められます。
 「・・・には、3つの課題があります」とか「・・・のために、5つの改善点を指摘します」といった感じです。

 が、著者は、そういった表現は「白紙の主張」であって不十分だと言います。
 著者が求める導入部の記述内容は、「最終結果がイメージできるように、行動や考えを具体的なことばにする」ことです。そのために必要な作業が「要約」です。

(p158より引用) 正しく要約を表現することの最大の価値は、そうすることが、いったい自分が何を本当に言いたいのかを見つけ出す助けになるということです。またもうひとつの価値は、読み手に対し、自分がこれから詳しく伝えようとしている考えを事前に伝え、読み手の頭の中に受け入れ態勢を準備させることです。

 著者は、こういった「要約」のコンセプトを踏まえた「グループ化」が適切になされていれば、自分の考えを相手(読み手)に明快に伝えることができると言います。
 具体的には、

(p102より引用) 第1に、考えのグループを構成しているロジックの枠組みを見つけ、それをロジックの順序で書き表わすことです。次に、混乱した考えの中から本質的な考えを抜き出すこと、つまり帰納法的な要約を見つけることです。

というプロセスにより、「ピラミッド構造」をつくりあげるのです。

 グループ化する場合は、「構造」「因果関係」「分類」という3つの視点のどれかの軸でまとめることになります。

 その際の肝は、「なぜ、これらをグループ化したのか」という「基準」です。
 これについて、著者は、以下の2点を挙げています。

(p164より引用)
・それらはすべてある特性を共有しており、かつ、その特性で関連づけられるすべての考えであるから(このケースでは、要約ポイントはその類似点の意味から得られる考えとなります)
・それらはすべてある結果を達成するために一緒にとらねばならない行動であるから(このケースでは、要約ポイントは一連の行動によって得られる直接の結果を述べます)

 さて、本書です。
 非常に懇切丁寧に説明されているのですが、一度ザッと読んだぐらいで著者の方法論を理解しきるというのは、私にはちょっと無理でした。

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則 考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則
価格:¥ 2,940(税込)
発売日:1999-03

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