いつも聴いている茂木健一郎さんのpodcastの番組に著者のタカサカモトさんがゲスト出演していて紹介していた著作です。
内容は、“自分の時間を生きる” というライフスタイルを実践しているタカさんの、今に至るまでの多彩で痛快なチャレンジの様子を綴ったエッセイです。
メキシコやブラジルでの経験、ネイマールとの出逢い等、とても刺激的なエピソードが満載だったのですが、本書を読み通して、やはりこれだけは書き留めておくべきだと思ったのは、タカさんの人生に最も影響を与えた大学恩師小松美彦教授の言葉でした。
東京での学生生活で “東京の時間” と “鳥取の時間” とのあまりの違いに苦しんでいたタカさんの悩みに、小松教授はこうアドバイスしたそうです。
(p35より引用) 「苦しむっていっても、君がいま苦しいっていうのは、自分の外側を流れてる東京の時間に無理して合わせようとするからだろう?それは君の中に流れてる鳥取の時間とは異なるわけだから、苦しくなるのは当然だと思うよ。そうじゃなくて、君は君の内側に流れてる自分の時間を生きればいい。好きなときに好きな本を読み、好きな場所で好きな人と会う。ただし、そうすれば必ず外側を流れる時間とはズレていくから、その狭間で苦しむことになるけれど、そういう苦しみなら、むしろ、徹底して苦しみ抜いたほうがいいと思う。
“自分の時間を生きる” これは「時間」だけに止まりません。考え方・生き方、自分にとって本当に大切なものはなにか、そういった “価値観の持ち方” の話でしょう。
「周りの人や社会に合わせようとして苦しむのではなく、自分の価値観を貫こうとして苦しむ」ことを選ぶ。自らの心の持ちようを大切にする “悩みの立ち位置の転換” の勧めですね。