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COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)2010年03月号

2010-02-13 21:22:32 | 本と雑誌

 レビュープラスというサイトの紹介で読んでみた雑誌です。
 世界各国のメディアと提携した多彩な記事の紹介が大きな特徴です。

 今月号のメイン記事は「オバマ大統領就任から1年 貧困大国(アメリカ)の真実」
 こういった企画は、新聞では表層的になりますし、書籍ではリアルタイム性が欠如してしまうので、まさに雑誌で採り上げるのに相応しいテーマですね。
 その中のジャーナリスト堤未果さんへのインタビューから、私の気になったフレーズです。「教育の場での新自由主義的側面」について。

 
(p24より引用) 私たちが奨学金と聞くと、成績優秀な学生は返さなくてもいいものを想像します。ですが、そうした返済義務のない奨学金はこの20年で激減しています。また、そうした奨学金は大学にとっての「投資」であり、将来出世して大学に寄付してくれそうな学生、つまり裕福なエリート家庭の指定しか給付対象に選ばれない。
 そうなると、普通の学生の選択肢は高い利子付きで返済義務がある「学資ローン」に限られる。・・・

 
 学びの意欲は希望の源泉です。その源において「既に格差が存在する」、もっと言えば「格差を積極的に助長している」という現状。何と情けなく、辛いことでしょう。

 もうひとつ、「世界が見たNIPPON」という記事もなかなか面白い内容です。
 米国・韓国・シンガポール・中国・ロシアのジャーナリズムが報じる外からの目を通した「日本像」を知ることができます。
 たとえば、安定した「中流社会」を築いた日本に倣おうというロシアの識者のコメント。

 
(p85より引用) 日本の例は、ある教訓を与えてくれる。中流階級を有権者層に持つ政党は、彼らを支持基盤とし、その利益を保護する限りは、安定した成長と成功が見込めるということだ。われわれロシアも、まずは中流階級の評価を行うことから始めてみてはどうだろうか。・・・ロシアに中流階級が増えているということは、よいことである。もし、減っているのであれば、そのときは皆で選挙に行こう。

 
 その他、この雑誌で興味をひいたものをいくつかご紹介しましょう。

 まずは、「WORLD NEWS HEADLINE」
 アジア/オセアニア・アフリカ・ヨーロッパ・アメリカと世界各国の社会・政治・経済に関する26のトピックを並べています。エチオピアでインド企業が農業に進出しているといったあまり注目されないアフリカ関係のニュースや、フランスの“キノコ”を巡ってのギャングとの抗争等、ヨーロッパの社会面的話題はちょっと気になります。

 また、定番の「グルメ」系の記事「ボルドー、トゥールーズ『食べてからのお楽しみ』」や、中国のメディア事情をレポートした「ネット上から瞬時に削除された中国の『100の過激言論』」あたりもおもしろいですね。

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価格:¥ 680(税込)
発売日:2010-02-10

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