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問題はあるのが当然 (なぜ社員はやる気をなくしているのか(柴田昌治))

2008-01-20 19:02:18 | 本と雑誌

 いつも読書の参考にさせていただいている「ふとっちょパパさん」も以前読まれています。

 著者の柴田昌治氏が以前著した「なぜ会社は変われないのか」という本は、私も読んで見ましたが、中央官僚の間でも大評判になった当時ベストセラーでした。気楽にまじめな議論をする「オフサイトミーティング」という発想は参考になりました。

 本書は、柴田氏にとって久しぶりの書下ろしとのことです。

 まず、柴田氏は、最近の企業の不祥事・学校のいじめといった事象をとりあげ、それらの問題の根本には、「問題がないことをよし」とする固定観念があると指摘します。

 
(p19より引用) 中身よりも形式を重んずる人々の考え方、すなわち問題を顕在化させ、問題があるという事実と向き合うのではなく、問題があっても表ざたにしないことで建前上は問題がないことにしてしまう姿勢の中に、組織を停滞、退化、腐敗させていく病原菌が潜んでいる。

 
 「問題がないのが問題」というわけです。

 最近流行の「見える化」は、問題があることを前提にして、その問題を顕在化し共有するための具体的手段だといえます。

 
(p66より引用) 見える化に取り組む際のポイントは、問題はなるべく初期段階で見つけ、それを応急処置で済ませるのではなく、問題の根本的な原因まで踏み込んで解決しようとするところにある。・・・
 問題があること自体を問題と考えてはいけない。どんな組織にも問題はあるのだから、問題があることが問題なのではない。問題が見えてくること自体はきわめて望ましいことなのだ。

 
 著者がめざす「変革」とは、「一時のもの」ではありません。
 「継続的なプロセス」です。

 
(p68より引用) 変革とは、ただ単に「今見えている問題を解決する」という単純なことではない。「問題がつねに発見され、解決され続けていく絶え間ないプロセスが組織に内包されている」状態をつくることなのである。こうした組織には組織を進化・発展させていく価値観が宿っている。

 
 この継続的プロセスを「つくり込む」のが難しいのです。
 これは、外からの働きかけだけでは絶対にできません。一人ひとりの「内発的動機」が最大のポイントとなります。
 

なぜ社員はやる気をなくしているのか なぜ社員はやる気をなくしているのか
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2007-05-16


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