青森市子育てサポートセンター

「子育てをしている保護者のみなさんのお役にたちたい!」という熱い思いで、活動に取り組んでいます。

思春期のわが子への接し方 Q&A

2015-01-13 11:00:33 | 子育て相談(Q&A)
 児童心理治療施設「青森おおぞら学園」施設長 鳴海明敏さんが答えて下さいます。

 「チャイルドラインあおもり」で子どもの声を電話で受ける活動もされている鳴海さんのお話は、とてもわかりやすく、私たちの疑問や質問にいつもやさしく寄り添ってくださいます。

 Q  小6の娘が、最近自信をなくしているように思います。元気づけたくて良い所をほめるようにしているのですが、反抗的に、“そんなことない”“どうせ私なんか”という言葉が返ってきます。子供に自信をもってほしいのですが、どうすればよいのでしょうか?

 A   我が子が自信をなくしているようだと思ったとき、「その子に自信を回復して欲しい、そのために何かしてあげたい」と思うのは、親であれば誰しもが思うことだと思います。
 でも、このご質問を拝見したときに、私の心の中になんだかモヤモヤが湧いてきちゃいました。そのモヤモヤと向き合ってみると、どうも私はこの質問の裏にお母さんの下心を感じてしまったようです。つまり、「自信をなくしたあなたはだめ! 自信を持っているあなたでなければ私の娘ではない。あなたは私の娘でしょう。だったらちゃんと自信を持ちなさいよ。」というメッセージです。
 私は、自信なんていうものは積んでは崩れる砂の山のようなもので、その時々の状況によってどうにでも変化するものだと思っています。それに、自信がある時とない時で、親の態度が変わるのは嫌だなぁとも思っています。だから、もし「自信を持っているときのあなたも素敵だし、自信をなくしてしょんぼりしているあなたも、お母さんにとっては素敵な存在なのよ」というメッセージを感じていれば、こんなモヤモヤは湧いてこなかったのでしょう。
 モヤモヤの正体がここまで分かってきたのですが、まだモヤモヤは残っていました。そこでもう少し向き合い続けてみると、娘さんに直接「自信をなくしているように見えるけど、どうしたの? 何かあったの?」と尋ねることもせずに、子どもに自信をつけさせるための「方法を使っている」ということに、引っかかっているんだと気づきました。
 直接尋ねたからといって、娘さんが素直に胸の内を語ってくれるかどうかは分かりません。「お母さんは関係ないの。聞かないで…」「別に、なんともないよ。気にしないで…」と一蹴されてしまうかもしれません。でも、たとえ取り付く島がないような態度だったとしても「あなたのことを心配しているよ、なんとかしてあげたいと思っているんだよ」というメッセージは、娘さんに伝わるだろうと思います。
「自信をなくした子どもを元気づけるために、お子さんの良い所をほめる」ということは一般論では正解です。だけど、そんな「方法」を使うより、「どうしたの、このごろ元気がないわね。お母さんは心配しているよ。」と言って、娘さんをいっぱいハグしてあげるお母さんのほうが、ずっと素敵なお母さんだと私は思います。

 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿