おはようございます。
モンゴルについてのレポート第6弾、モンゴルという国の概容について。
モンゴルは、2005年、中国で反日デモが吹き荒れた頃、日本支援のために「反中親日」デモが計画され、中国を刺激してはと駐モンゴルの日本大使館が断ったという話があるほどの親日国。今年、モンゴルは国連の「非常任理事国」に選ばれたのですが、これまた、「アジアのリーダーこそ相応しい」と日本に譲っています。国連の場で、非常任理事国であるかないかでは、発言力に大きな差があり、これは極めて異例なこと。日本が、対中国、対ロシアの抑止力を果たしてくれることを期待してのこととは思いますが、これだけ、日本に好意的な国は、世界を見回しても殆どなく、日本はもっとモンゴルを大切にし、交流を深めるべきだと思うのです。
それだけに、朝青龍問題で、モンゴルの対日感情が悪化しているという情報は、残念でなりません。ここまでこじらせた、関係者の責任は大きい!と思います。
1 モンゴルの概要
モンゴルは、1921年の建国以来、旧ソ連邦の政治・経済圏内に組み込まれてきました。
モンゴルは、旧ソ連に次ぐ世界で2番目に古い社会主義国でしたが、‘89年、ソ連に始まった民主化の波は、西に東欧革命を起こしたように、東はモンゴルに伝わり、民主化運動「刷新(シネチレル)」が始まります。
モンゴルの場合、東欧と異なり、殆ど無血のまま民主化が行なわれ、’92年、憲法を改正、国名を「モンゴル人民共和国」から「モンゴル国」へと改称しました。
現在、首都:ウランバートル(Ulan Bator)
人口:241万3,600人(1998年9月)
ウランバートルの人口は、‘98年の統計で64万1,000人、現在は80万人を越えるといわれ、第2の都市ダルハン(9万3,000人)と比べ、極端な一局集中です。
主要産業は、羊毛、鉄鋼、銅などの輸出ですが、国際市場の価格動向に左右されやすい商品のため、経済の脆弱性は否めません。さらに‘89年頃から始まった異常気象は冬の大豪雪、冷夏を繰り返し、国家全体の総数の数割にも及ぶ家畜が死亡するなど、大きな被害を与えています。
地下資源は、ゴビ砂漠には膨大な石油を含む地下資源が埋蔵されている可能性が指摘されています。
その開発は、現在、中国が他国に抜きん出てリードしています。
2 軍事力
モンゴルの軍事力は、民主化以降、予算不足とあいまって縮小を続けています。
・総兵力は9100人、予備兵力は14万人(cf.社会主義時代3万人前後)
・徴兵制で、男性の18歳から1年間兵役。
・国境警備隊は、国軍とは別組織だが、徴兵は一括。
・軍事予算は181億8,680万トゥグルグ(‘03年現在)
軍の装備は、旧ソ連のものが殆どであるが、旧式になっていることと、軍の保守能力が低下し、戦闘機などに至っては、部品の共食い整備が発生するなど、戦力は貧弱だといわれます。
次回は、モンゴルを巡る「国際関係」について。