♯6
藍パパの一言でトレーニングが始まった。
まずは、玉を転がすトレーニング。
<氷上のボーリング>ともいわれるカーリング、それをイメージし、砂浜でボーリングの玉を押すように転がすのだ。
玉を狙うコツは沖縄最強のゲートボールチームのエース、糸井シマさん、85歳が指導。
「玉を見てはいかん。玉のシンを見るのじゃ」
「タマだって、タマよ・・・」
玉という言葉出る度に、応援団のオカマさんが興奮する。
余談だが……。
藍パパのコーチは異色を極めた。
ノブ、マコト、タカシ、ジュン、ユカを集めると合唱を始めさせたのだ。
「この競技のポイントは、チームワークのようだ」
海に向って、大声で歌う5人。
馬鹿馬鹿しくなってサボろうとしたジュンを藍パパが一喝した。
「仲間と一緒に、なぜやれない。なぜ、野球で勝てなかったのか。わかるか。自分の一人天狗のせいだ。君は、地獄を見たんだろ。何にもできずクズのまま終わるのか!」
砂浜に戻ったジュンを暖かく迎えるノブ、マコト、タカシ、ユカ。
5人は海に向かい、再び、大声で歌い始める。
藍パパは、次のステップにゴルフのパターの訓練をさせた。
「玉を転がす距離感の測り方は同じようなものだろう」
繰り返すパターのトレーニング。
正確に・・・。
距離を伸ばし・・・。
ユカが真っ先に、40mのパットに成功した。
続いて、ノブも。
しかし、依然としてカーリングのコーチがいないのは事実である。
霜田の決めたタイムリミットまで、あと2週間。
そして、霜田たちの掲げた3つめの条件もあった。
設立一ヶ月以内で、一勝することだった。
「一勝どころか、沖縄じゃ、練習の相手もいないよ!」
遠征することも考えた。
カーング協会の紹介でヨシカが電話したが、経験者0の沖縄のチームとの練習試合など引き受けてくれるチームはどこにもない。
「沖縄の高校がカーリングですか?指導ならしますが・・・」
一笑されて終り。
箒の使い方は、アメリカ空軍の滑走路掃除35年の屋敷丈冶さん、55歳が担当した。カーリングのVTRを見た屋敷さん、航空母艦で特殊偵察機用の滑走路を掃くゴムのモップを練習の道具に選んだ。
「腰ですな。ポイントは。そして、後はただ無心に掃くべし。掃くべし」
廊下、道路、あちこちでモップをごしごしするノブ、マコト、タカシ、ユカ。
それを横目に、腹筋を繰り返すジュン。
砂浜でボーリングのボールをぶつける練習も続いた。
糸井シマさんが、年下の恋人の喜屋武大治郎さん、73歳を連れてきた。
喜屋武大治郎さんは、ビリアードシニアクラスの沖縄チャンピオン。
「玉と玉をぶつけ、相手の玉を押し出すのはゲートボールだけじゃないわい。あんたとあんたは性格が悪そうだから、まず、これに専念したらどうじゃ」
「おれ?」
「僕ですか?」
指さされたマコトとタカシが不満そうに答えた。
「マイダーリンは、沖縄一のビリアードの名人じゃ。しばらく、お前らは私とマイダーリンが特別にコーチする」
「マイダーリン・・・?」
マコトとタカシは同時に噴出した。
パターの練習をするユカとノブ。
玉を転がすマコトとタカシ。
1、2、1,2 砂浜を走るマコトたち。
その横で、筋力トレーニングを続けるジュン。
藍パパが東京のカーリング協会のコーチと話している。
「そうですね。ビリアードとパターは基礎訓練としては、いいと思いますよ。流石ですね。それと・・・」
知らないなりに藍パパ、5人のために一生懸命に動いている。
偶然、その電話を聞いたジュンは目頭が熱くなった。
※これは、柳浩太郎、遠藤雄弥、城田優のワタナベプロの若手男優と
大島みづきさん、臼井静さん、加賀美早紀さん、谷啓さんが出演
村上信夫原作・脚本の2005年作品「Hice!cool沖縄BOYS2005」
の原作プロットです。(全12回の連続ドラマ)
藍パパの一言でトレーニングが始まった。
まずは、玉を転がすトレーニング。
<氷上のボーリング>ともいわれるカーリング、それをイメージし、砂浜でボーリングの玉を押すように転がすのだ。
玉を狙うコツは沖縄最強のゲートボールチームのエース、糸井シマさん、85歳が指導。
「玉を見てはいかん。玉のシンを見るのじゃ」
「タマだって、タマよ・・・」
玉という言葉出る度に、応援団のオカマさんが興奮する。
余談だが……。
藍パパのコーチは異色を極めた。
ノブ、マコト、タカシ、ジュン、ユカを集めると合唱を始めさせたのだ。
「この競技のポイントは、チームワークのようだ」
海に向って、大声で歌う5人。
馬鹿馬鹿しくなってサボろうとしたジュンを藍パパが一喝した。
「仲間と一緒に、なぜやれない。なぜ、野球で勝てなかったのか。わかるか。自分の一人天狗のせいだ。君は、地獄を見たんだろ。何にもできずクズのまま終わるのか!」
砂浜に戻ったジュンを暖かく迎えるノブ、マコト、タカシ、ユカ。
5人は海に向かい、再び、大声で歌い始める。
藍パパは、次のステップにゴルフのパターの訓練をさせた。
「玉を転がす距離感の測り方は同じようなものだろう」
繰り返すパターのトレーニング。
正確に・・・。
距離を伸ばし・・・。
ユカが真っ先に、40mのパットに成功した。
続いて、ノブも。
しかし、依然としてカーリングのコーチがいないのは事実である。
霜田の決めたタイムリミットまで、あと2週間。
そして、霜田たちの掲げた3つめの条件もあった。
設立一ヶ月以内で、一勝することだった。
「一勝どころか、沖縄じゃ、練習の相手もいないよ!」
遠征することも考えた。
カーング協会の紹介でヨシカが電話したが、経験者0の沖縄のチームとの練習試合など引き受けてくれるチームはどこにもない。
「沖縄の高校がカーリングですか?指導ならしますが・・・」
一笑されて終り。
箒の使い方は、アメリカ空軍の滑走路掃除35年の屋敷丈冶さん、55歳が担当した。カーリングのVTRを見た屋敷さん、航空母艦で特殊偵察機用の滑走路を掃くゴムのモップを練習の道具に選んだ。
「腰ですな。ポイントは。そして、後はただ無心に掃くべし。掃くべし」
廊下、道路、あちこちでモップをごしごしするノブ、マコト、タカシ、ユカ。
それを横目に、腹筋を繰り返すジュン。
砂浜でボーリングのボールをぶつける練習も続いた。
糸井シマさんが、年下の恋人の喜屋武大治郎さん、73歳を連れてきた。
喜屋武大治郎さんは、ビリアードシニアクラスの沖縄チャンピオン。
「玉と玉をぶつけ、相手の玉を押し出すのはゲートボールだけじゃないわい。あんたとあんたは性格が悪そうだから、まず、これに専念したらどうじゃ」
「おれ?」
「僕ですか?」
指さされたマコトとタカシが不満そうに答えた。
「マイダーリンは、沖縄一のビリアードの名人じゃ。しばらく、お前らは私とマイダーリンが特別にコーチする」
「マイダーリン・・・?」
マコトとタカシは同時に噴出した。
パターの練習をするユカとノブ。
玉を転がすマコトとタカシ。
1、2、1,2 砂浜を走るマコトたち。
その横で、筋力トレーニングを続けるジュン。
藍パパが東京のカーリング協会のコーチと話している。
「そうですね。ビリアードとパターは基礎訓練としては、いいと思いますよ。流石ですね。それと・・・」
知らないなりに藍パパ、5人のために一生懸命に動いている。
偶然、その電話を聞いたジュンは目頭が熱くなった。
※これは、柳浩太郎、遠藤雄弥、城田優のワタナベプロの若手男優と
大島みづきさん、臼井静さん、加賀美早紀さん、谷啓さんが出演
村上信夫原作・脚本の2005年作品「Hice!cool沖縄BOYS2005」
の原作プロットです。(全12回の連続ドラマ)
犯罪心理学者 花見小路珠緒の不思議事件ファイル (グラフ社ミステリー)村上 信夫グラフ社このアイテムの詳細を見る |