おはようございます。
伊藤ハム東京工場(柏市)から地下水からシアン化合物が検出され、商品の自主回収が始まった。「またか!」の食の不祥事であり。食の大手だけに、なぜこのような対応になるの?かて、同業者の雪印食品の解散に学ばなかったの?という言葉が浮かぶ。危機管理広報を専門とする立場からみると、報道から見て気になる対応4
点をあげる。
(1)「人体への影響はない」としており、現在のところ健康被害なども出ていないが、同工場で製造されたウインナーなど13品目約267万パックを自主回 収する。(2008年10月25日(土)23時16分配信 時事通信)
誰の検査?もし、自社の検査ならば、初回の記者会見で言うべきことなのだろうか?同様に、「現在のところ健康被害なども出ていないが・・・」この記事に反発を感じる読者も多いと思うが、これは、記者の苛立ちでもある。当事者意識の薄いトップに対する
(2)「人体への影響はない」とし、健康被害の報告はないという。商品に化合物含まれているかは検査中。同社は9月24日に異常を確認しながら、10月15日まで使用を続け、自主回収発表まで約1カ月も経過していた。(2008年10月26日(日)1時36分配信 毎日新聞)
この記事も同様である。さらに、「自主回収発表まで約1カ月も経過していた。」工場長の判断だったと言われるが、消費者の安全・安心、食の職人のプライドより<損>を優先する企業体質はどうなのだろうか。その理由を、読売新聞が次のように報じている。
(3)25日、記者会見した山田信一専務は「消費者の皆様に多大なる迷惑をかけ、誠に申し訳ありません。深くおわび申し上げます」と沈痛な面持ちで頭を下げた。なぜ消費者に知らせなかったのかという質問には、「(本社の)我々に報告が上がったのは22日だった」と明かし、社内の連絡が遅かったことを挙げた。(2008年10月26日(日)0時26分配信 読売新聞)
不祥事が起こると、現場部門や担当者は必ず隠そうとする。責任逃れ、企業の縦割り体質、部門防衛などが原因だが、何か起こったらその情報がトップにすぐ上がるシステムを作って来なかったこと自体<不祥事>なのだ。「連絡が遅かった」というトップに、当事者能力を認めるだろうか?
(4)伊藤ハムは26日、地下水からシアン化合物が検出された東京工場(千葉県柏市)で、日本生活協同組合連合会(日本生協連)など2団体と、スーパー8社から委託を受けて製造したプライベートブランド(PB)のウインナー13品目、計64万袋が新たに自主回収の対象になると発表した。25日に回収を発表した自社製品と同時期(9月18日-10月15日)に製造したもので、回収対象は26品目の計約331万袋に。(2008年10月26日(日)18時0分配信 共同通信)
情報の小出しは、疑問・疑惑を増幅させる。生協などと連絡が取れなかったというのも事実であろう。しかし、回収を決めた以上、すべてをそれに集中すべきであろう。危険かもしれないと判断して、回収するのなら、一気果敢に行うべきであり、生協などとの調整ももっと素早く行うべき。「連絡がとれない」は企業の事情であり、「買ったものが安全か不安」な消費者には関係のないことである。日頃、危機管理マニュアルを作っているのだろうが、処理の優先順位が間違っているとしか思えないし、前述のように、これで、「まだ、何か隠しているに違いない」 と皆が思うだけだ。
記者会見に出たのは、常務だった。なぜ社長が記者会見に出ないのか?事態を軽く見ているのだろうか・・・それにも疑問を抱いた。