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産興商会のブログ

日常での出来事、その他

ある日常の会話(その49)

2017年04月21日 | 日記

 その昔、メーカーが主催する勉強会があって招待され、メーカーの研究室を訪れたことがあった。

 メーカー技術者「我が社では、ラーメンの品質を改良する食品添加物を作っているので、その製品の特長をお話しします。そして麺を実際に作っていただきます。」

 横を見ると、同業者さんが数人いらっしゃる。私は麺を打つのは初めてだが、どうやら同業者さんも初めてのようで、熱心に聞き入られていた。

 メーカー技術者「私は、いつもスーパーで麺を買うときは、賞味期限まじかのものを買うんですよ。小麦粉と水を練り合わせても、実際には、すぐに水が小麦粉に浸透しないので、時間が経った麺の方が美味しいんです。。。」

 メーカーが作っている食品添加物は、水と小麦粉をなじみやすくなる製品のようだ。加水率(小麦粉に対しての水の比率)が1%違うと、麺の出来が急激に変わることがあるので、実際にはどうなんだろう? 私は素材を良く観察したかったので、作る作業は同業者さんにまかせることにした。

 同業者さん「レシピが2つあるけど、2種類作るの?」

 メーカー技術者「添加物を入れたものと、入れないものを作っていただきます。そして茹であげますので、食べて食感の違いを見てください。」

 こういった違いを知るには、添加物以外の要因(小麦粉の種類、かんすいの種類、配合比、ミキサー撹拌時間、寝かせる時間、茹で時間など)を出来るだけ変えない方が良い。添加物は粉末で水に溶けないため、添加物の重量分を小麦粉に置き換えるのがベスト。逆に水に溶ける添加物の場合は、重量分の水と置き換えた方が良いかもしれない。

 色々と考えているうちに、麺が茹であがった。メーカーさんと、同業者さん全員で囲んでの食事会(中身はラーメンだけだが)となった。今日は、ほとんどしゃべらなかったなぁ。。。和気あいあいとした勉強会だった。

 

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漬物の日持ち

2017年04月20日 | 日記

 もともと漬物は、野菜を塩などと混ぜて樽と重石で漬け込んだ保存食ですが、スーパーなどでパックした漬物を販売される際には、安全のため日持ち向上剤を入れる場合があります。

 野菜を塩・あるいは酢などの調味液と混ぜて漬け込むと、自然の乳酸菌により乳酸発酵しますが、漬物は日にちが経つと酸っぱくなる場合があります。これは乳酸発酵しすぎたか、乳酸菌以外の菌が増えたためだと思います。乳酸発酵を抑えるには乳酸を加えると良いですが、別の菌が悪さをしている場合は乳酸では効かないと思いますので、酢酸ナトリウム系の日持ち向上剤が良いかもしれません。

 乳酸は酸性ですので、食品のpHを酸性に変えて保存効果を高めます。同様に、食品添加物のpH調整剤は、食品のpHを中性から酸性またはアルカリ性に傾けて保存効果を高めるものですが、pH調整剤にはpHをコントロールするほか味覚を良くしたり、品質改良のために使用される場合もあります。

 キムチなど、唐辛子などのスパイスと塩を併用する場合は保存効果が高まりますので、pH調整剤や日持ち向上剤を使用しなくても良い場合があります。そして市販の調味液で漬ける漬物の場合は、条件によっては長期の日持ちが難しいことがありますので、調味液にあらかじめpH調整剤が入っている事もあります。

 

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生パスタの保存

2017年04月19日 | 日記

 生パスタは小麦粉・塩のほか、卵または卵白を練り込んで作られる、茹で・乾燥処理を行っていないパスタの事です。

 市販されている乾燥パスタは、生パスタを長時間かけて乾燥させた保存性の良い食品ですが、生パスタは独特の食感と風味が特徴です。

 もし、生パスタを作って、大量に余った場合、一番良い方法は冷凍保存かと思います。常温で商品として流通させる場合は、アルコールを小麦粉に対して2~3%混ぜたり、さらに脱酸素剤を使って専用袋に密封する方法がありますが、アルコールは茹でる時に蒸発しますので、味覚にはあまり影響がありません。

 そして、市販の茹でうどん・茹で蕎麦などは、冷凍保存すると味が変わってしまう場合があります。おそらく、生麺と比べて水分量が多いのも1つの理由だと思います。

 

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惣菜のトロミ付け

2017年04月18日 | 日記

 あんかけ・タレなどの液体にトロミを付けるのに、増粘多糖類が使用されることがあります。

 中華料理では、片栗粉を水に溶かしたものを最後に鍋に加えてトロミを付けますが、片栗粉の場合、作った惣菜が時間が経つにつれて粘度がゆるくなって(トロミが少なくなって)しまう場合がありますので、持ち帰り弁当など、すぐに食べない食品での使用には難しい面がありました。

 粘度を低下させないようにするには、グアーガム・キサンタンガム・その他の天然ガム類を混合した製剤が良いかもしれません。製剤はガム類単体よりも、複数の素材を混合していますので相乗効果があり、時間経過による粘度低下の心配がない商品です。

 そして増粘剤製剤にも、タレに加えて加熱が必要なものと加熱が不要なものの2種類がありますので、惣菜の種類によりご選択いただければと思います。

 

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太麺

2017年04月13日 | 日記

 最近、ラーメン屋さんで、硬くなくもっちりとした弾力の「太麺」を取り扱っているところがあります。

 そして太麺には、幅広いきしめん状のものと、直径が太いタイプの太麺があります。

 スープの味が良く染み込むのは、きしめん状のものだと思います。そして、径が太い麺よりも、茹で時間が短くなるのが特徴です。料理の加熱(茹で)時間をt、直径(厚み)lとすると、

 t = k × lの2乗

となり、加熱時間は材料の厚みの2乗に比例します。つまり、厚みが2倍になると加熱時間は4倍、厚みが3倍になると加熱時間は9倍になります。kは素材によって異なり、厚みを薄くするほど必要な加熱時間は少なくなります。

 逆に、鍋や煮込みうどんなど、煮込み時間を多くして美味しく食べる料理には、太いタイプの麺が良いかもしれません。他の具材も加熱時間が長いので大きくカットされていて、熱々の料理を食べることが出来ます。

 

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