その昔、メーカーが主催する勉強会があって招待され、メーカーの研究室を訪れたことがあった。
メーカー技術者「我が社では、ラーメンの品質を改良する食品添加物を作っているので、その製品の特長をお話しします。そして麺を実際に作っていただきます。」
横を見ると、同業者さんが数人いらっしゃる。私は麺を打つのは初めてだが、どうやら同業者さんも初めてのようで、熱心に聞き入られていた。
メーカー技術者「私は、いつもスーパーで麺を買うときは、賞味期限まじかのものを買うんですよ。小麦粉と水を練り合わせても、実際には、すぐに水が小麦粉に浸透しないので、時間が経った麺の方が美味しいんです。。。」
メーカーが作っている食品添加物は、水と小麦粉をなじみやすくなる製品のようだ。加水率(小麦粉に対しての水の比率)が1%違うと、麺の出来が急激に変わることがあるので、実際にはどうなんだろう? 私は素材を良く観察したかったので、作る作業は同業者さんにまかせることにした。
同業者さん「レシピが2つあるけど、2種類作るの?」
メーカー技術者「添加物を入れたものと、入れないものを作っていただきます。そして茹であげますので、食べて食感の違いを見てください。」
こういった違いを知るには、添加物以外の要因(小麦粉の種類、かんすいの種類、配合比、ミキサー撹拌時間、寝かせる時間、茹で時間など)を出来るだけ変えない方が良い。添加物は粉末で水に溶けないため、添加物の重量分を小麦粉に置き換えるのがベスト。逆に水に溶ける添加物の場合は、重量分の水と置き換えた方が良いかもしれない。
色々と考えているうちに、麺が茹であがった。メーカーさんと、同業者さん全員で囲んでの食事会(中身はラーメンだけだが)となった。今日は、ほとんどしゃべらなかったなぁ。。。和気あいあいとした勉強会だった。
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