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産興商会のブログ

日常での出来事、その他

おせち料理の日持ち

2020年12月11日 | 日記

 今年は、おせち料理の予約数が多いようです。

 寒い時期なのでお客様の中には日持ちを気にしない人もいらっしゃいますが、料理人にとっては仕込み調理の段取りがありますので、すべての料理を前日などに処理する事が難しい場合もあります。

 大晦日には生ものの調理が多く、それ以前の仕込みには煮物の割合が多くなると思います。お客様の家に届いたら、すぐに冷蔵いただければ有り難いのですが、食べる時には暖かい部屋に出しっぱなしの状態になるため、元旦から3日間以上日持ちさせるのに不安な要素も色々あります。甘くしたり塩をきかせたり、酢の物にすれば多少、保存期間が延びる場合もありますが、冷凍できない食品の場合、味覚に影響の少ない日持ち向上剤を用いる方法をお勧めしています。

 日持ち向上剤は多く入れるほど日持ちはしますが、味に影響が出てくる場合もありますので、ご希望の日持ち日数によって、添加量(食品重量に対して何%入れるか)を前もってテストいただく必要があります。もしテストいただく時間の無いお客様に対しては、食品の種類によってどれぐらいの添加量か目安をお伝えする事も可能です。

 

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乳化剤と増粘多糖類

2020年11月02日 | 日記

 乳化剤には色々な種類のものがありますが、身近なものでしたら、コンビニ・スーパーなどで販売されているミルク入りの缶コーヒーにも使用されています。

 乳化剤はミルクに含まれるクリームの分離を防ぐ役割もありますが、保存性を良くしたり、その他、泡立ちを少なくして液体を缶に充填しやすくする目的もあると思います。

 アイスクリームに入れた場合、食感が滑らかになります。簡単に言えば、氷のようなシャリシャリした食感が無くなり、舌触りがクリーミーになると思います。イタリアンジェラートは、アラビアガムその他増粘多糖類、あるいは乳化剤を少量使用すると、安定して味が良くなります。増粘多糖類は粘りによって油分と水分の分離を抑制しますが、ジェラートなど乳化と増粘の両方を求める食品でしたら増粘多糖類単独の使用でも可能な場合があります。

 天然の乳化剤で一般的なものでしたら大豆レシチンがあります。大豆レシチンは使用する食品によっては、まれに大豆特有の味が出てしまう場合もあります。その場合は、他の増粘多糖類・ショ糖脂肪酸エステルなどの乳化剤のご使用をお勧めします。

 

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蕎麦の日持ち2

2020年10月16日 | 日記

 蕎麦は小麦粉を使って作るラーメン・うどんと違って経験上、日持ちする期間が少し短くなると思います。

 お土産用として販売されている生うどん・生ラーメンはアルコールを少し練り込めば日持ち期間を延ばす事が出来ますが、蕎麦にアルコールを添加すると匂いがおかしくなるため、蕎麦にアルコールは使用できません。

 一般的に蕎麦の日持ちにはpH調整剤が使用されます。これは蕎麦のpHを少し酸性側に傾けることで菌の繁殖を抑えますが、生蕎麦・茹で蕎麦の両方に使用する事ができます。pH調整できる酸性のものとして果実酸などが使用できますが、醸造酢などを入れているお店もあります。醸造酢の主成分は酢酸ですが、酢酸は酸味が多いので、加工して酸味を感じさせず酸臭だけを残した酢酸ナトリウムを主成分に使ったpH調整剤も販売されています。

 うどんにはpH調整剤は使用できますが、酸性のpH調整剤はラーメンには使用できません。ラーメンにコシ・風味を出すために使用される「かんすい」はアルカリ性のため、酸性とアルカリ性が中和されて互いの効果が無くなるためです。もしラーメンの保存性を高めるには貝殻焼成カルシウムのほか、捏ね水に入れるかんすいの量を増やして麺のアルカリを高める方法もあります。

 

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除菌アルコールの濃度

2020年09月28日 | 日記

 除菌アルコールには色々な種類がありますが、一般的な除菌アルコールのアルコール度数は65~75%ぐらいだと思います。

 アルコールの濃度表示には、体積%濃度と重量%濃度の2種類があります。アルコールは水より軽いため、アルコール度数75%(体積%濃度)の重量%濃度は68%ぐらいになります。メーカーによって、それぞれ表示方法が違いますので、同等品質の濃度のものを違うメーカーで購入する時は、少し注意が必要かもしれません。

 瞬間的にスプレー除菌できるのは、アルコール度数75%(体積%)付近の製品になりますが、65%の製品が劣っている訳ではありません。濃度が低い分、時間経過によって除菌されていくようです。アルコールの他に保湿性のある助剤が少量添加されていますので、それによっても効果・性質は変わってきます。助剤の活用で、アルコール度数が低くても除菌効果が狙った商品もございます。食品添加物グレードの除菌アルコールに使用される助剤には、乳酸ナトリウム・デキストリン・グリセリン・グリシン・乳酸・リンゴ酸・クエン酸などがあります。

 コロナウイルスによる飛沫感染にはマスクで対応できると思います。接触感染に対処するには、入口に除菌アルコールを置いてお客様の手にスプレーしていただく他、お客様が触れやすい設備部分に定期的にスプレー・拭き取りする事も有効です。たとえばホテル・図書館・映画館・コンサート・美術館など大勢の人数が行き来する展示施設などでは場所ごとに時間を決めて、定期的な除菌作業を行う事もお勧めします。

 

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餃子の皮の破れ防止

2020年09月07日 | 日記

 餃子・春巻きの皮は、小麦粉を水で練ったものを薄く延ばして作りますが、表面積が大きいため乾きやすくなります。

 空気中の湿度にもよりますが、皮がやぶれやすくなったりヒビ割れしたりするのは乾燥が主な原因かと考えられます。乾燥を防止するには、保湿効果のあるものを混ぜると、破れによる食品ロスが軽減されます。

 保湿効果のあるものでしたら、ある種の糖類が使えますし、乳酸ナトリウムも保湿性がありますので使用できると思います。乳酸ナトリウムは水分の蒸発・流出を防ぐ効果がありますので、水分の多い食材でも冷凍・解凍による変質は少なくなりますし、和菓子の冷凍などにも使用できます。乳酸ナトリウムはタンパク質に作用しますので、小麦粉製品に多く用いると若干、柔らかくなる傾向がございますので、少し注意が必要になるかもしれません(食感など、少し変わります)。

 保存の目的で餃子の皮にアルコール(酒精)を練り込んでいる場合、保湿効果のあるものと併用するとアルコールの揮散を防ぎます。その結果、より保存効果を高めることができます。アルコールは蕎麦には使えませんが、生うどん・生ラーメンに併用すると保存期間が延びます。

 

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