中学、高校時代に漢文や漢詩の魅力に取り付かれたときがありました。諳んじていた漢詩も10首ぐらいはあったと思います。いまでも2,3首は諳んじることができます。
何に魅力を感じたのかというと、たぶんそれは漢文・漢詩のなかで広がる雄大な世界観だったんだと思います。千年、二千年前といえば中国は紛れもない超大国で、その当時の文化水準もアジアでは群を抜いていたと思います。その当時の世界最高の価値観を世界最高の感性で謳いあげたものが漢詩だったのかも知れません。200年前までは『これこそ文明、これこそ文化』だと思っていた日本人もいたと思います。流れは急には止められない。いまだに日本では漢文の授業があります。高杉晋作が幕末に上海へ密航し現地の人と筆談し云々というくだりが出てきます。当時の日本人の漢文力は現代人とは比較にならないくらい高かったと思います。
しかし現代の中国人は日本人たちがいまだに漢文や漢詩を学校で勉強しているのを知らないらしい。それを知ってビックリすると言うブログを見ました。そしてまた「哲学」「人民」「物理」などの和製漢語が日本人によって作られているのを知ってビックリすると言うブログも見ました。こういった流れの中で梁 啓超という中国人政治家、ジャーナリストが積極的にこれらの和製漢語を中国に紹介していったらしいということも知りました。
漢詩・漢文と日本の関係を知りたいと思い『漢文脈と近代日本』をKindleで発注しました。なかなか面白そうです。読了次第感想をアップします。
梁 啓超はその後日本へ亡命し、吉田松陰と高杉晋作に因み日本名を吉田晋とし日本に14年間住み活発な交流や啓蒙活動・政治活動をしていたということです。
(参考)
『梁啓超と吉田松陰』 by お茶の水女子大学「魅力ある大学院教育」イニシアティブ人社系事務局