お酒にまつわる あれこれしてみました。
●「酒」にまつわる 諺、慣用句、故事、詩歌、都都逸など
・酒返しはせぬもの
酒を贈られたら辞退するのは失礼なので受け取りなさいということ。
・酒が言わす悪口雑言
悪口を言ってしまったときの言い訳。
・酒が酒を飲む/酒酒を飲む
酒飲みは、酔えば酔うほどさらに深酒をする。
・酒がまわる
酒が各自にゆきわたる。また酔いが体中に体中にゆきわたる。
・酒極まって乱となる
酒を飲めるだけ飲んだあとは、酔っぱらって喧嘩になる。
・酒、口に入る物は舌出ず
酒を多く飲むと多弁になり失言を多くする。
・酒三杯は身の薬
酒は少しなら薬になる。
・酒と産には懲りた者が無い
酒とお産には、もうコリゴリだからやめたという人はいない。
・酒と煙草はのんで通る
適当に酒のつき合いをしないと出世しない。
・酒に十の徳(得)あり
酒には十種の長所がある。
百薬の長、寿命を延ばす、憂いを払う、労を助く、旅行に食あり、旅に衣あり、推参に便あり、万人和合す、位なくして貴人に交わる、独居の友
・酒に呑まれる
酒を飲んで本心を失うこと。
・酒に酔って泥となる
泥酔いのこと。
・酒盗人は色にあらわれ、伽羅盗人は香にあらわれる
酒を盗んだ人は顔に出るし、香木を盗んだ人はその香りで見つかってしまう。
・酒飲み本性たがわず
酒に酔っても本来の性質は変わらぬものだ。
・酒の酔落ちても怪我せず/酔いどれ怪我せず
千鳥足でも不思議と溝などに落ちたりして怪我をすることはない。
・酒の徳 弧なく必ず隣あり
酒を飲む人は、孤独にはならず、常に隣に座ってくれる友人ができる。
・酒飲みは遅れて来る
酒のみは、宴席に遅れてくると駆けつけ三杯と言いながら余計に酒を飲む。
・酒飲んでも煙草は辞められぬ
結局酒も煙草も辞められないものだ。出典:『譬喩尽』
・酒に痛む
酒で体をこわす。また泥酔いする。
・酒に飲まれる
泥酔いして正気を失う。
・酒に別腸あり
酒の入る腸は別なところにある。「甘いものは別腹」と同義語。出典:『五代史』
・酒の上 酒にまぎれる
酒で理性を失う。
・酒の皮を剥ぐ
「剥ぐ」は杯の酒を飲まずにこぼして捨てること。浪費する、贅沢を尽くすという意味。
・酒の燗は人肌
酒の燗は人肌と同じ温度がちょうどよい。
・酒の気
酒の香、酒の酔、酒気
・酒の酔い本性違わず(=忘れず)
酔っぱらいでもその本性は失わない。
・酒は井戸堀ほど飲む
酒飲みは井戸水をくみ出すようにがぶがぶと飲む。
・酒は憂いの玉帚(たまぼうき)
酒に酔えばどんな心配事も忘れられると言うこと。出典:『蘇軾』
・酒は燗、肴は刺身、酌は髱(たぼ)
酒はほどよく燗にしたものを、刺身を肴にして、若い美人にお酌してもらって飲むのが一番うまい飲み方だ。
「髱(たぼ)」は、日本髪の後方に張り出した部分 転じて、若い女の意味。
・酒は肴、肴は気取り
酒は肴によって味が引き立つし、酒の肴は酒席の雰囲気によって引き立つ。
・酒は酒屋にあり、布子は質屋にあり
酒は酒屋に行けばあるが、お金はなく着物はとっくに質屋に入質してどうにもならない。
・酒は酒屋、餅は餅屋
物事にはそれぞれ専門があり専門家にまかすべきだ。
・酒は詩を釣る針
酒を飲むことによって詩歌も生まれる。
・酒は三献に限る
酒は三杯目でやめるべきで、それ以上だと乱れることが多い。
・酒は情の露雫
酒は情合をこまやかにする。
・酒は詩を釣る色を釣る
酒は詩歌を生み、また色情を誘いだす。
・酒は知己に遇うて飲み 時は会する人に向かって吟ず
酒を飲む時はよく知った人と飲むのがよく、詩作する時は同じ趣味を持つ人とがよい。
・酒は天の美禄(さけはてんのびろく)
酒は天から賜った俸禄である。酒の美味をほめて言う言葉。出典:『漢書』
・酒は飲むべし、飲まるるべからず
酒は飲んでもいいが、適度をこえて飲んではいけない。
・酒、人を飲む
深酒は人の正常な精神を失わせる。
・酒は百薬の長
酒は適当に飲めば薬以上に健康の為になる。 出典:『漢書』
・酒は百毒の長
前項の反対で、良い点は少しも無く毒そのものである。 出典:『徒然草』
・酒は古酒、女は年増
酒は新酒より少し寝かせた濃い酒の方がよく、女は若い娘より爛熟した女の方がよい。
・酒は量無けれども乱には及ばず
孔子の論語より出たことわざで、酒の量はどれだけと定めはないが乱酔はしないものだ。
・酒、人を酔わしめず人自ら酔う
酒で酔うのは酒の罪でなく人間の罪である。
・酒を使う
酒の勢いを借りて、気ままにふるまう。
・上戸は毒を知らず、下戸は薬を知らず
酒好きは、酒が毒になることを知らずに飲み過ぎ、酒嫌いは酒が薬になることを知らない。
・斗酒なお辞(じ)せず
一斗の酒といえども辞退せずに平気で飲む。大酒を飲むことをいう。一斗とは18リットル
・酒は百薬の長、命を削る鉋
酒をたくさん飲んでいると体に悪い、従って寿命が縮むということを簡潔に言った。
・肴は気取、酌は髱(さかなはきどり、しゃくはたぼ)
「肴は刺身、酌は髱」ともいう。どうせ酒を飲むなら、肴は気の利いた(「気取」とは建築用語の「木取り」に由来し、優れた素材を無駄なく調理すること)刺身なぞを誂えてもらいたいし、酌をしてもらうのは女性(美女)に限る、ということ。
・酒飲みは奴豆腐にさも似たり 始め四角であとはぐずぐず
「末はぐずぐず」とも。酒好きの人は、初めはきちんとした態度をしているが、酔っぱらってくると、てんでだらしなくなってしまう。それは奴豆腐が最初はきちんとした四角なのに、食べていくと崩れていくのによく似ている、という狂歌。
・酒がお客か お客が酒か 酒がお客を連れてくる
都々逸。お酒を飲むと遊里に行きたくなってくるというのが男の性質というもの。遊郭にしてみたらお客と酒は切っても切れない関係。酒がお客を呼んできてくれるようなものだ。
・酒でしのがす苦の世界
いわゆる苦界つとめのつらさ切なさは、酒をあおって一時的にごまかすしかない。
・一杯にして人酒を飲み、酒二杯にして酒酒を飲み、酒三杯にして酒人を飲む
盃を重ねるに連れて、だんだん人が酒に飲まれておのれを失っていくという過程をいう。お酒もいいけど、まぁほどほどにしておかないと後悔しますよ、という教訓である。
・酒なくてなんの己(おのれ)が桜かな
花見には酒がなくちゃまるで話にならない。大体、酒さえも飲まずに、何の愉快で楽しいことがあるだろう、生きている甲斐もなければ喜びもないじゃないか、という酒飲みの言い分をいう狂句。
・酒のない国に行きたい二日酔い また三日目に帰りたくなる
ひどい二日酔いの時は、「もう酒のない国に行きたい」などと思うものだが、そう思って三日目にはまた酒のある国で飲みたくなってしまうのが酒飲みのしょうもないところである、という狂歌。
・酒飲みというものは騙して寝かせるより外仕方ない
厄介な酔っぱらい(酒乱の人)の扱い方。ともかく嘘をついてでも、一旦寝かしてしまうのがもっとも安全なあしらい方である。
・酒呑みは肴はいらぬ
本当の酒好きは、体に毒だろうが何だろうがおかまいなく、肴など食わずにひたすら酒を味わい、飲み続けるものである。
・酒は気狂水、酔漢は酒狂人(さけはきちがいみず、よっぱらいはさけきちがい)
人は酔うと自分をコントロールできず、人格が変わり、理性を失うことが多い。酒はそういう作用を持つものである。酔っぱらいは一時的な狂人のようなものだ、という手厳しい表現。
・酒外れはせぬもの(さけはずれはせぬもの)
酒席で一人だけ飲まないでいるのは座がしらけるから、さされた杯は干すのがマナーであるという言葉。飲まない人に無理矢理酒を強要する時に使われる。
・酒は飲んでも飲まいでも(勤むるところはきっと勤むる武蔵守)
「仮名手本忠臣蔵」の高師直が塩冶判官に言う高圧的なセリフの一部。酒くらい飲んでいようが飲んでいまいがかかわりなく、この私はきっちり仕事をします、みくびらないでくださいという意味。
・酒飲みは花なら桜 今日もさけさけ、明日もさけ
・酒は化け薬
・酒は礼に始まって乱に終わる
・酒はわざわいの種
・酒は真の憂いを解かず
・酒は一杯、茶は二杯
・高陽の酒徒 出典:『史記』
・酒が沈むと言葉が浮かぶ/酒口に入る者は舌出づ
・酒買って尻切らる/酒買うて臂切らるる/酒持って尻切らる 出典:『放屁論』
・酒沈めば話浮く/酒の終わりは色話
・酒と朝寝は貧乏の近道
・酒の中に真あり/酒は本心をあらわす 出典:『格言集』
・酒飲み、本性違わず/酒の酔い本性違わず
・酒は気つけ薬
・酒は諸悪の基
・酒は飲むとも飲まれるな
・酒はやめても酔いざめの水はやめられぬ
・酒を悪みて酒を強う 出典:『孟子』
・飲まぬ酒には酔わぬ
・人酒を飲む、酒酒を飲む、酒人を飲む/酒が酒を飲む 出典:『鎌田兵衛名所盃』
・林間に酒を煖めて紅葉を焼く
・醴酒設けず 出典:『漢書』
・魯酒薄くして邯鄲囲まる 出典:『荘子』
・杉玉
造り酒屋とは、蔵で酒を醸造し、店舗でそれを販売する職業。軒先に提げてある杉玉が目印となる。
・酒肴料(しゅこうりょう)
日本の企業において、年末年始手当などのことを、「酒肴料」と称することがある。
・養老の滝
岐阜県養老郡養老町養老公園にある滝 落差32m、幅4m
水がお酒になった親孝行の「養老孝子伝説」など故事がある。この地を行幸した元正天皇は『醴泉は、美泉なり。もって老を養うべし。蓋し水の精なればなり。天下に大赦して、霊亀三年を改め養老元年と成すべし』との詔を出し「養老」に改元した。
・辛党(からとう)
菓子などの甘いものよりも酒(日本酒)を好む人のことを指す。これはぴりっとしたアルコールの濃度の高い酒を飲む人の事を言い、また酒好きの人は辛いものが好きだという事で辛党と呼ばれるようになった。これに対し、甘党は、「酒よりも」甘いものが好きな人のことである。
・上戸(じょうご)下戸(げこ)
古くから日本では、お酒を飲めない人を「下戸」、お酒を飲める人を「上戸」、特にお酒をよく飲む人のことを「うわばみ」「ざる(笊)」と呼んでいた。
・うわばみ
酒豪、大酒呑み(一度に大量の酒類を摂取する人物)を指す俗語。大蛇が大きなものを丸飲みすることから。
・酒豪(しゅごう)
アルコール飲料(酒)を大量に飲むことが出来、さらにこれで酔態をさらさない者の俗称(一種の尊称)である。対義語は下戸(げこ)という。
日本酒でも神戸市東灘区の豊澤酒造株式会社が「酒豪」銘柄を発売している。
・『涼州詞』 王翰(おうかん)作 七言絶句
葡萄の美酒 夜光の杯
飲まんと欲すれば 琵琶 馬上に催す
酔うて沙場に臥すとも 君笑うこと莫かれ
古来 征戦 幾人か回る
・『嗚呼玉杯に花うけて』(一高第12回記念祭寮歌) 矢野勘治作詞・楠正一作曲
嗚呼玉杯に花うけて
緑酒に月の影宿し
治安の夢に耽りたる
栄華の巷低く見て
向ケ岡にそそり立つ
五寮の健児意気高し
・酒は 飲め飲め 飲むならば 日ノ本(ひのもと)一の この槍を 『黒田節』
●「酒」にまつわる四文字熟語
・琴棋詩酒(きんきししゅ)
琴を弾き、碁を打ち、詩をつくり、酒を酌み交わす。風流人のたしなみ、楽しみをいう。
・金谷酒数(きんこくしゅすう)
詩の出来上がらない者に対する罰杯の数。また、罰として三杯の酒を飲ませること。
これは、晋の大金持ちで派手好みの石崇(せきすう)が彼の別荘、金谷園で大勢の客を招いて酒宴を開いたときのこと。客に詩を作らせて、もし詩が作れないときは罰として酒を三斗飲ませたという故事によるものです。
のちに李白は「春夜桃李の園に宴するの序」の中で「如(も)し詩ならずんば、罰は金谷の酒数に依る」とこの故事を引用しています。
・葷酒山門(くんしゅさんもん)
生臭いものを食べ、酒気を帯びた者は、寺の境内に入ってはならないということ。禅宗の寺門などにある戒壇石という石碑に刻まれている文句。
・鯨飲馬食(げいいんばしょく)
飲食の量がはなはだ多く、その勢いがすざましいことをいう。
・紅灯緑酒(こうとうりょくしゅ)
繁華街や歓楽街のようすをいう。
・酒池肉林(しゅちにくりん)
みだらで贅沢を際めた酒宴のこと。出典:『史記』
・酒嚢飯袋(しゅのうはんはい)
大酒を飲み、飯を腹一杯食うだけで何の役にも立たない人のことをあざけって言う。
・酒飯雪隠(しゅはんせっちん)
来客の折は酒、食事、トイレの三つに特に気を遣いなさい。出典:『譬喩尽』
・粗酒粗餐(そしゅそさん)/粗酒粗肴(そしゅそこう)
粗末な酒と、粗末な食事。 他人にごちそうする時の謙称として用いられることが多い。
・美酒佳肴(びしゅかこう)/肥酒大肉(ひしゅたいにく)
大変美味しいご馳走のこと。
●酒合戦(さけかっせん) 複数の人間が酒量を競い合うこと
有名な酒合戦としては‥
「亭子院酒合戦」 延喜11年(911年) 宇多上皇が亭子院の水閣で
「大師河原酒合戦」 慶安元年(1648年) 大師河原(川崎市)で行なわれた
「千住酒合戦」 文化12年(1815年) 千住(東京都足立区)で催された
「万八楼酒合戦」 文化14年(1817年) 両国橋万屋八兵衛方万八楼で行われた
「熊谷酒合戦」 昭和2年(1927年) 埼玉県大里郡熊谷町で催された 勝者は一斗二升飲んだ
●「酒」 古今の酒豪、お酒愛好家
・太田 和彦(1946年3月3日生まれ)
グラフィックデザイナー、居酒屋探訪家
・母里 友信(もり とものぶ 弘治2年(1556年) - 元和元年(1615年)6月6日)
安土桃山時代から江戸時代の戦国武将である。通称は太兵衛(たへえ、たひょうえ)。「母里太兵衛」の名で「黒田節」に謡われる名槍「日本号」を福島正則から呑み獲った逸話で非常に著名。
・酒呑童子(しゅてんどうじ)
京都と丹波国の国境の大枝(老の坂)に住んでいたとされる鬼の頭領である。
・ヤマタノオロチ(八岐大蛇)
日本神話に登場する伝説の生物。
・呑べえ安兵衛
堀部 武庸 ほりべ たけつね、寛文10年(1670年)- 元禄16年(1703年)
赤穂浪士四十七士の一人。通称、安兵衛(やすべえ)
・小原庄助(おはらしょうすけ)
「会津磐梯山(あいづばんだいさん)」福島県民謡
♪小原庄助さん
なんで身上つぶした
朝寝 朝酒 朝湯が大好きで
それで身上つぶした
もっともだ もっともだ
・酈食其(れきいき ? - 紀元前204年)
中国秦から楚漢戦争期の儒者。陳留高陽の人。その家庭は貧しく、それでも酒を嗜む生活から「高陽の酒徒」と称された。劉邦の下で主に他勢力との折衝で力を発揮した。出典:『史記』
・魯 智深(ろ ちしん)
『水滸伝』の登場人物 渾名は花和尚(かおしょう) 天衣無縫の荒法師で、酒を好む。
・バックス(Bacchus)/バッコス ローマ神話のワインの神 英語読みではバッカス
・さくら ひろし
まる子の父。酒とタバコ(ハイライト)と野球(巨人ファン)と釣りが好き。
・両津 勘吉
濃硫酸をブランデーで割って飲んでも大丈夫。
●落語 酒にまつわる噺
「試し酒」「禁酒番屋」「居酒屋」「寄り合い酒」「もう半分」
「一人酒盛」「猫の災難」「親子酒」「うんつく酒」「酒の粕」
「三年酒」「市助酒」「六尺棒」「花見酒」「備前徳利」など
参考にさせていただいたHP
ウィキペディア(Wikipedia)
http://homepage1.nifty.com/zunzun/sake/sakegoroku2.htm
http://www.kakaa.or.jp/~fukasawa/kamigata_rakugo_11.htm
http://wageiidiom.cocolog-nifty.com/takmat/cat3249655/index.html
●「酒」にまつわる 諺、慣用句、故事、詩歌、都都逸など
・酒返しはせぬもの
酒を贈られたら辞退するのは失礼なので受け取りなさいということ。
・酒が言わす悪口雑言
悪口を言ってしまったときの言い訳。
・酒が酒を飲む/酒酒を飲む
酒飲みは、酔えば酔うほどさらに深酒をする。
・酒がまわる
酒が各自にゆきわたる。また酔いが体中に体中にゆきわたる。
・酒極まって乱となる
酒を飲めるだけ飲んだあとは、酔っぱらって喧嘩になる。
・酒、口に入る物は舌出ず
酒を多く飲むと多弁になり失言を多くする。
・酒三杯は身の薬
酒は少しなら薬になる。
・酒と産には懲りた者が無い
酒とお産には、もうコリゴリだからやめたという人はいない。
・酒と煙草はのんで通る
適当に酒のつき合いをしないと出世しない。
・酒に十の徳(得)あり
酒には十種の長所がある。
百薬の長、寿命を延ばす、憂いを払う、労を助く、旅行に食あり、旅に衣あり、推参に便あり、万人和合す、位なくして貴人に交わる、独居の友
・酒に呑まれる
酒を飲んで本心を失うこと。
・酒に酔って泥となる
泥酔いのこと。
・酒盗人は色にあらわれ、伽羅盗人は香にあらわれる
酒を盗んだ人は顔に出るし、香木を盗んだ人はその香りで見つかってしまう。
・酒飲み本性たがわず
酒に酔っても本来の性質は変わらぬものだ。
・酒の酔落ちても怪我せず/酔いどれ怪我せず
千鳥足でも不思議と溝などに落ちたりして怪我をすることはない。
・酒の徳 弧なく必ず隣あり
酒を飲む人は、孤独にはならず、常に隣に座ってくれる友人ができる。
・酒飲みは遅れて来る
酒のみは、宴席に遅れてくると駆けつけ三杯と言いながら余計に酒を飲む。
・酒飲んでも煙草は辞められぬ
結局酒も煙草も辞められないものだ。出典:『譬喩尽』
・酒に痛む
酒で体をこわす。また泥酔いする。
・酒に飲まれる
泥酔いして正気を失う。
・酒に別腸あり
酒の入る腸は別なところにある。「甘いものは別腹」と同義語。出典:『五代史』
・酒の上 酒にまぎれる
酒で理性を失う。
・酒の皮を剥ぐ
「剥ぐ」は杯の酒を飲まずにこぼして捨てること。浪費する、贅沢を尽くすという意味。
・酒の燗は人肌
酒の燗は人肌と同じ温度がちょうどよい。
・酒の気
酒の香、酒の酔、酒気
・酒の酔い本性違わず(=忘れず)
酔っぱらいでもその本性は失わない。
・酒は井戸堀ほど飲む
酒飲みは井戸水をくみ出すようにがぶがぶと飲む。
・酒は憂いの玉帚(たまぼうき)
酒に酔えばどんな心配事も忘れられると言うこと。出典:『蘇軾』
・酒は燗、肴は刺身、酌は髱(たぼ)
酒はほどよく燗にしたものを、刺身を肴にして、若い美人にお酌してもらって飲むのが一番うまい飲み方だ。
「髱(たぼ)」は、日本髪の後方に張り出した部分 転じて、若い女の意味。
・酒は肴、肴は気取り
酒は肴によって味が引き立つし、酒の肴は酒席の雰囲気によって引き立つ。
・酒は酒屋にあり、布子は質屋にあり
酒は酒屋に行けばあるが、お金はなく着物はとっくに質屋に入質してどうにもならない。
・酒は酒屋、餅は餅屋
物事にはそれぞれ専門があり専門家にまかすべきだ。
・酒は詩を釣る針
酒を飲むことによって詩歌も生まれる。
・酒は三献に限る
酒は三杯目でやめるべきで、それ以上だと乱れることが多い。
・酒は情の露雫
酒は情合をこまやかにする。
・酒は詩を釣る色を釣る
酒は詩歌を生み、また色情を誘いだす。
・酒は知己に遇うて飲み 時は会する人に向かって吟ず
酒を飲む時はよく知った人と飲むのがよく、詩作する時は同じ趣味を持つ人とがよい。
・酒は天の美禄(さけはてんのびろく)
酒は天から賜った俸禄である。酒の美味をほめて言う言葉。出典:『漢書』
・酒は飲むべし、飲まるるべからず
酒は飲んでもいいが、適度をこえて飲んではいけない。
・酒、人を飲む
深酒は人の正常な精神を失わせる。
・酒は百薬の長
酒は適当に飲めば薬以上に健康の為になる。 出典:『漢書』
・酒は百毒の長
前項の反対で、良い点は少しも無く毒そのものである。 出典:『徒然草』
・酒は古酒、女は年増
酒は新酒より少し寝かせた濃い酒の方がよく、女は若い娘より爛熟した女の方がよい。
・酒は量無けれども乱には及ばず
孔子の論語より出たことわざで、酒の量はどれだけと定めはないが乱酔はしないものだ。
・酒、人を酔わしめず人自ら酔う
酒で酔うのは酒の罪でなく人間の罪である。
・酒を使う
酒の勢いを借りて、気ままにふるまう。
・上戸は毒を知らず、下戸は薬を知らず
酒好きは、酒が毒になることを知らずに飲み過ぎ、酒嫌いは酒が薬になることを知らない。
・斗酒なお辞(じ)せず
一斗の酒といえども辞退せずに平気で飲む。大酒を飲むことをいう。一斗とは18リットル
・酒は百薬の長、命を削る鉋
酒をたくさん飲んでいると体に悪い、従って寿命が縮むということを簡潔に言った。
・肴は気取、酌は髱(さかなはきどり、しゃくはたぼ)
「肴は刺身、酌は髱」ともいう。どうせ酒を飲むなら、肴は気の利いた(「気取」とは建築用語の「木取り」に由来し、優れた素材を無駄なく調理すること)刺身なぞを誂えてもらいたいし、酌をしてもらうのは女性(美女)に限る、ということ。
・酒飲みは奴豆腐にさも似たり 始め四角であとはぐずぐず
「末はぐずぐず」とも。酒好きの人は、初めはきちんとした態度をしているが、酔っぱらってくると、てんでだらしなくなってしまう。それは奴豆腐が最初はきちんとした四角なのに、食べていくと崩れていくのによく似ている、という狂歌。
・酒がお客か お客が酒か 酒がお客を連れてくる
都々逸。お酒を飲むと遊里に行きたくなってくるというのが男の性質というもの。遊郭にしてみたらお客と酒は切っても切れない関係。酒がお客を呼んできてくれるようなものだ。
・酒でしのがす苦の世界
いわゆる苦界つとめのつらさ切なさは、酒をあおって一時的にごまかすしかない。
・一杯にして人酒を飲み、酒二杯にして酒酒を飲み、酒三杯にして酒人を飲む
盃を重ねるに連れて、だんだん人が酒に飲まれておのれを失っていくという過程をいう。お酒もいいけど、まぁほどほどにしておかないと後悔しますよ、という教訓である。
・酒なくてなんの己(おのれ)が桜かな
花見には酒がなくちゃまるで話にならない。大体、酒さえも飲まずに、何の愉快で楽しいことがあるだろう、生きている甲斐もなければ喜びもないじゃないか、という酒飲みの言い分をいう狂句。
・酒のない国に行きたい二日酔い また三日目に帰りたくなる
ひどい二日酔いの時は、「もう酒のない国に行きたい」などと思うものだが、そう思って三日目にはまた酒のある国で飲みたくなってしまうのが酒飲みのしょうもないところである、という狂歌。
・酒飲みというものは騙して寝かせるより外仕方ない
厄介な酔っぱらい(酒乱の人)の扱い方。ともかく嘘をついてでも、一旦寝かしてしまうのがもっとも安全なあしらい方である。
・酒呑みは肴はいらぬ
本当の酒好きは、体に毒だろうが何だろうがおかまいなく、肴など食わずにひたすら酒を味わい、飲み続けるものである。
・酒は気狂水、酔漢は酒狂人(さけはきちがいみず、よっぱらいはさけきちがい)
人は酔うと自分をコントロールできず、人格が変わり、理性を失うことが多い。酒はそういう作用を持つものである。酔っぱらいは一時的な狂人のようなものだ、という手厳しい表現。
・酒外れはせぬもの(さけはずれはせぬもの)
酒席で一人だけ飲まないでいるのは座がしらけるから、さされた杯は干すのがマナーであるという言葉。飲まない人に無理矢理酒を強要する時に使われる。
・酒は飲んでも飲まいでも(勤むるところはきっと勤むる武蔵守)
「仮名手本忠臣蔵」の高師直が塩冶判官に言う高圧的なセリフの一部。酒くらい飲んでいようが飲んでいまいがかかわりなく、この私はきっちり仕事をします、みくびらないでくださいという意味。
・酒飲みは花なら桜 今日もさけさけ、明日もさけ
・酒は化け薬
・酒は礼に始まって乱に終わる
・酒はわざわいの種
・酒は真の憂いを解かず
・酒は一杯、茶は二杯
・高陽の酒徒 出典:『史記』
・酒が沈むと言葉が浮かぶ/酒口に入る者は舌出づ
・酒買って尻切らる/酒買うて臂切らるる/酒持って尻切らる 出典:『放屁論』
・酒沈めば話浮く/酒の終わりは色話
・酒と朝寝は貧乏の近道
・酒の中に真あり/酒は本心をあらわす 出典:『格言集』
・酒飲み、本性違わず/酒の酔い本性違わず
・酒は気つけ薬
・酒は諸悪の基
・酒は飲むとも飲まれるな
・酒はやめても酔いざめの水はやめられぬ
・酒を悪みて酒を強う 出典:『孟子』
・飲まぬ酒には酔わぬ
・人酒を飲む、酒酒を飲む、酒人を飲む/酒が酒を飲む 出典:『鎌田兵衛名所盃』
・林間に酒を煖めて紅葉を焼く
・醴酒設けず 出典:『漢書』
・魯酒薄くして邯鄲囲まる 出典:『荘子』
・杉玉
造り酒屋とは、蔵で酒を醸造し、店舗でそれを販売する職業。軒先に提げてある杉玉が目印となる。
・酒肴料(しゅこうりょう)
日本の企業において、年末年始手当などのことを、「酒肴料」と称することがある。
・養老の滝
岐阜県養老郡養老町養老公園にある滝 落差32m、幅4m
水がお酒になった親孝行の「養老孝子伝説」など故事がある。この地を行幸した元正天皇は『醴泉は、美泉なり。もって老を養うべし。蓋し水の精なればなり。天下に大赦して、霊亀三年を改め養老元年と成すべし』との詔を出し「養老」に改元した。
・辛党(からとう)
菓子などの甘いものよりも酒(日本酒)を好む人のことを指す。これはぴりっとしたアルコールの濃度の高い酒を飲む人の事を言い、また酒好きの人は辛いものが好きだという事で辛党と呼ばれるようになった。これに対し、甘党は、「酒よりも」甘いものが好きな人のことである。
・上戸(じょうご)下戸(げこ)
古くから日本では、お酒を飲めない人を「下戸」、お酒を飲める人を「上戸」、特にお酒をよく飲む人のことを「うわばみ」「ざる(笊)」と呼んでいた。
・うわばみ
酒豪、大酒呑み(一度に大量の酒類を摂取する人物)を指す俗語。大蛇が大きなものを丸飲みすることから。
・酒豪(しゅごう)
アルコール飲料(酒)を大量に飲むことが出来、さらにこれで酔態をさらさない者の俗称(一種の尊称)である。対義語は下戸(げこ)という。
日本酒でも神戸市東灘区の豊澤酒造株式会社が「酒豪」銘柄を発売している。
・『涼州詞』 王翰(おうかん)作 七言絶句
葡萄の美酒 夜光の杯
飲まんと欲すれば 琵琶 馬上に催す
酔うて沙場に臥すとも 君笑うこと莫かれ
古来 征戦 幾人か回る
・『嗚呼玉杯に花うけて』(一高第12回記念祭寮歌) 矢野勘治作詞・楠正一作曲
嗚呼玉杯に花うけて
緑酒に月の影宿し
治安の夢に耽りたる
栄華の巷低く見て
向ケ岡にそそり立つ
五寮の健児意気高し
・酒は 飲め飲め 飲むならば 日ノ本(ひのもと)一の この槍を 『黒田節』
●「酒」にまつわる四文字熟語
・琴棋詩酒(きんきししゅ)
琴を弾き、碁を打ち、詩をつくり、酒を酌み交わす。風流人のたしなみ、楽しみをいう。
・金谷酒数(きんこくしゅすう)
詩の出来上がらない者に対する罰杯の数。また、罰として三杯の酒を飲ませること。
これは、晋の大金持ちで派手好みの石崇(せきすう)が彼の別荘、金谷園で大勢の客を招いて酒宴を開いたときのこと。客に詩を作らせて、もし詩が作れないときは罰として酒を三斗飲ませたという故事によるものです。
のちに李白は「春夜桃李の園に宴するの序」の中で「如(も)し詩ならずんば、罰は金谷の酒数に依る」とこの故事を引用しています。
・葷酒山門(くんしゅさんもん)
生臭いものを食べ、酒気を帯びた者は、寺の境内に入ってはならないということ。禅宗の寺門などにある戒壇石という石碑に刻まれている文句。
・鯨飲馬食(げいいんばしょく)
飲食の量がはなはだ多く、その勢いがすざましいことをいう。
・紅灯緑酒(こうとうりょくしゅ)
繁華街や歓楽街のようすをいう。
・酒池肉林(しゅちにくりん)
みだらで贅沢を際めた酒宴のこと。出典:『史記』
・酒嚢飯袋(しゅのうはんはい)
大酒を飲み、飯を腹一杯食うだけで何の役にも立たない人のことをあざけって言う。
・酒飯雪隠(しゅはんせっちん)
来客の折は酒、食事、トイレの三つに特に気を遣いなさい。出典:『譬喩尽』
・粗酒粗餐(そしゅそさん)/粗酒粗肴(そしゅそこう)
粗末な酒と、粗末な食事。 他人にごちそうする時の謙称として用いられることが多い。
・美酒佳肴(びしゅかこう)/肥酒大肉(ひしゅたいにく)
大変美味しいご馳走のこと。
●酒合戦(さけかっせん) 複数の人間が酒量を競い合うこと
有名な酒合戦としては‥
「亭子院酒合戦」 延喜11年(911年) 宇多上皇が亭子院の水閣で
「大師河原酒合戦」 慶安元年(1648年) 大師河原(川崎市)で行なわれた
「千住酒合戦」 文化12年(1815年) 千住(東京都足立区)で催された
「万八楼酒合戦」 文化14年(1817年) 両国橋万屋八兵衛方万八楼で行われた
「熊谷酒合戦」 昭和2年(1927年) 埼玉県大里郡熊谷町で催された 勝者は一斗二升飲んだ
●「酒」 古今の酒豪、お酒愛好家
・太田 和彦(1946年3月3日生まれ)
グラフィックデザイナー、居酒屋探訪家
・母里 友信(もり とものぶ 弘治2年(1556年) - 元和元年(1615年)6月6日)
安土桃山時代から江戸時代の戦国武将である。通称は太兵衛(たへえ、たひょうえ)。「母里太兵衛」の名で「黒田節」に謡われる名槍「日本号」を福島正則から呑み獲った逸話で非常に著名。
・酒呑童子(しゅてんどうじ)
京都と丹波国の国境の大枝(老の坂)に住んでいたとされる鬼の頭領である。
・ヤマタノオロチ(八岐大蛇)
日本神話に登場する伝説の生物。
・呑べえ安兵衛
堀部 武庸 ほりべ たけつね、寛文10年(1670年)- 元禄16年(1703年)
赤穂浪士四十七士の一人。通称、安兵衛(やすべえ)
・小原庄助(おはらしょうすけ)
「会津磐梯山(あいづばんだいさん)」福島県民謡
♪小原庄助さん
なんで身上つぶした
朝寝 朝酒 朝湯が大好きで
それで身上つぶした
もっともだ もっともだ
・酈食其(れきいき ? - 紀元前204年)
中国秦から楚漢戦争期の儒者。陳留高陽の人。その家庭は貧しく、それでも酒を嗜む生活から「高陽の酒徒」と称された。劉邦の下で主に他勢力との折衝で力を発揮した。出典:『史記』
・魯 智深(ろ ちしん)
『水滸伝』の登場人物 渾名は花和尚(かおしょう) 天衣無縫の荒法師で、酒を好む。
・バックス(Bacchus)/バッコス ローマ神話のワインの神 英語読みではバッカス
・さくら ひろし
まる子の父。酒とタバコ(ハイライト)と野球(巨人ファン)と釣りが好き。
・両津 勘吉
濃硫酸をブランデーで割って飲んでも大丈夫。
●落語 酒にまつわる噺
「試し酒」「禁酒番屋」「居酒屋」「寄り合い酒」「もう半分」
「一人酒盛」「猫の災難」「親子酒」「うんつく酒」「酒の粕」
「三年酒」「市助酒」「六尺棒」「花見酒」「備前徳利」など
参考にさせていただいたHP
ウィキペディア(Wikipedia)
http://homepage1.nifty.com/zunzun/sake/sakegoroku2.htm
http://www.kakaa.or.jp/~fukasawa/kamigata_rakugo_11.htm
http://wageiidiom.cocolog-nifty.com/takmat/cat3249655/index.html