ツルピカ田中定幸先生

教育・作文教育・綴り方教育について。
神奈川県作文の会
綴方理論研究会
国分一太郎「教育」と「文学」研究会

『国分一太郎童謡集』 -ささえあいー

2020-10-04 12:18:52 | Weblog
『国分一太郎童謡集』より

 昔、子どもたちは「共同体」のなかで暮らしていた。

1 お雷様(かだっつあま) ←雷っ様だぞ

 お雷つぁまだよ
 アヒルを 入れろ

 茂平さの アヒルが
 おととし 死んだ

 おら家(え)じゃ ころして
 いられない

 お雷つぁまだよ
 アヒルば 呼ばれ
        国分一太郎児童文学集6『塩ざけのうた』

193 隣りぶれ

 嵐が来るぞの 隣りぶれ
 隣りへ さっさと ふれてやれ

 嵐が来るから 竹ざおに
 利鎌をゆわえて 門に出せ。(とがま)

 嵐のきらいな 鎌たてろ
 とっとと 隣りへ ふれてやれ

 嵐が来るとの 隣りぶれ
 桑畑くぐって ふれてこい。
         国分一太郎児童文学集6『塩ざけのうた』

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『国分一太郎童謡集』より ー年貢ー

2020-10-04 11:42:51 | Weblog
『国分一太郎童謡集』(北の風出版)より

 昔、村の子の生活は貧しかった。

89 霜夜のヤギ

 霜夜の夜でありました。
 ヤギが空見てなきました。
 ひとりでしずかになきました。

 霜の夜でありました。
 ヤギはさびしくなきました。
 首をのばしてなきました。

 霜の夜でありました。
 だれも知らない晩でした。
 ヤギだけ知ってなきました。

 霜の夜でありました。
 年貢をおさめてきたのでした。
 ひとはぐっすりねていました。
         国分一太郎児童文学集6『塩ざけのうた』

100 年貢おさめ

 父さがひっぱり
 わたしがおして
 年貢はかりに
 そりで行く。

 冬の明るい
 砂田道
 年貢の俵も
 光ります。

 「お早う ござんす
  だんなさま
  ことしの年貢で
  ございます
  おかげで ことしも
  できました」
 父さが お礼を いうのです。

 年貢はかれば
 からのそり
 父さがひっぱり
 わたしがのって

 「おしい米だが
  しかたがない
  地主の だんなにゃ
  かなわない」
 父さは こっそり いうのです。

 日ぐれも近い
 砂田道
 わたしがのってる
 からのそり。
         国分一太郎児童文学集6『塩ざけのうた』

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