ケープムー
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タイのいたるところで見かける、このお菓子。
揚げせんべいのような、揚げ(稲荷の皮)のような。
タイに来た人なら、名前ではぴんと来なくても、この写真を見れば、
ああ、あれか、と思うだろう。
どこででも見かける。
屋台にもよく袋詰めになったケープムーがひもでぶら下がっていて
お客さんが食べたければ紐を切っていただく。
このケープムー。
初めて食べたのが昨年の12月のこと。
先輩隊員とコンケンのお祭りに行ったときに、このケープムーを食べたことがないという私に
おいしいから食べてみて、と買ってくれた。
食べてびっくり。
サクサクカリカリとして、塩味で、まるでスナック菓子であとを引くおいしさ。
このケープムー。
何でできているかを聞いてまた驚く。
豚の皮の唐揚げなのだから。
ゆでて脂をとった豚の皮を、日に干して軽く乾かす。
それを細く切って、最初に取り除いた豚の脂、ナンプラー、化学調味料、
こしょうなどを混ぜた漬け汁に1時間つけこむ。
これを、油で5分揚げればできあがり。
その揚げる様がなんとも見事。
みるみるうちに膨らんで、とんでもないボリュームになる。
ひからびた豚の皮が、
なんじゃこりゃ! と言いたくなる変貌ぶり。
からみあった生き物みたいになっている。
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食べ方は、そのままかじるのもよし。
味はシンプルな塩味。
一緒に売っている青唐辛子のナムプリック、プリッキーヌーにつけて食べるとさらにおいしい。
きりがないくらい食べてしまう。
ほかにも、カオニャオ(蒸したもち)と一緒に食べたり、
ソムタムに入れたソムタムケープムーも味が染みておいしいし、
スープに入れたり、野菜料理に使ったり、グイッティアオ(タイ風ラーメン)に入れたり、
とにかく幅広い。
まるでポテトチップスのようなケープムー。
日本人だったら、お菓子として食べるかビールのおつまみにでもするのが精一杯だろうが、
タイ人の発想力、食のバラエティは素晴らしい。
今やタイ中で見かけるケープムーだが、北タイの代表的名産品。
チェンマイやチェンライ帰りのタイ人はおみやげにどっさり買って帰る。
チェンマイバスターミナルにもどっさりと売っている。
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タイでは、赤ちゃんの離乳食はバナナが一般的だが、
北タイでは、その次の段階ではたいていケープムーを与えるのだそうだ。
ここの子どもたちは、ケープムーとカオニャオ(蒸したもち米)を食べて大きくなっていくと言っても過言ではない。
かつての自給自足的な農村では、日常的な食生活は実に質素なものだったから
村人にとってはケープムーとカオニャオの組み合わせは、
ごちそうの部類に入るものだったらしい。
今もチェンマイでは出産後すぐの女性は、鶏肉や牛肉を食べてはいけないと言われているが、
ケープムーは食べてもよいのだそうだ。
という、タイ人大好きなケープムー。
膨らむ豚の皮、膨らむ食のバラエティ。
揚がる様子も見て頂きたいが、
揚げたてのケープムーを一度は食べてみるべき。
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