ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

マレーシア隊員  モルディブ隊員 来タイ

2011年05月22日 15時11分33秒 | 青年海外協力隊たちの活動
マレーシアで活動する同期の隊員がタイへやって来た。
国立公園でオランウータンをはじめ、自然いっぱいに囲まれて過ごしている友達。
はじめての任国外旅行をタイに選び、見るもの食べるものに驚く。
マレーシアも途上国とは言えない大国であるが、タイのもつパワーに圧倒されている彼女。
タイの隊員ハウスで1年ぶりの再会。
会った瞬間にピースサイン。
元気あふれるピースサインは訓練所にいたときと変わらぬまま。
    


そして、もう一人。
このブログを通じて知り合ったモルディブ隊員との出会い。
以前、このブログにバンコク病院での歯科治療のことを書いたことがある。
それがちょうど歯科治療で悩まされていたモルディブ隊員の検索にひっかかり、彼の目にとまった。
そこからの縁。
青い海と白い珊瑚の国から歯科治療のためにバンコクへやってきた。
訓練所も次隊もちがう間柄だが、ぐいぐいとつっこむ彼のざっくばらんな人柄のおかげで
初対面とは思えないほどすでに親しいような感覚を覚える。
見たこともないパンの実のスライス、魚の缶詰、モルディブ人が食べるものをたくさんお土産にもってきてくれた。
    
彼のブログのタイトルの書かれたポロシャツもいただく。ありがとう!
「音楽“で”国境を越える」    →ブログ 「音楽“で”国境を越える」
彼はトランペットをひきこなす音楽隊員。
    
  

モルディブは海に囲まれ年中暑く、さぞかし果物や海産物で豊かなのだろうと思っていたが
そうではないと聞く。
珊瑚でできた地面には、土壌がなく作物が育たない。
ココナッツやバナナ、パンの実など限られたものを食べる毎日で
食のバリエーションが非常に乏しく、ビタミンの不足にも悩まされていると言う。
イスラムの国であり、女性が肌を見せることにも厳しい。
外から見る高級リゾート モルディブと 中から見る モルディブは全く違うようだ。

その地に住まないと分からないことはたくさんある。
パンフレットに写るただただ美しい天国のような島モルディブと、
モルディブ隊員たちが語る、生活の場としては苦況を感じつつあるモルディブ、
どちらも同じモルディブ。
だが、これだけの外と内とのギャップがある国はそうそうないように思う。
それだけ モルディブの一部がリゾートとして開発され、宣伝され、宣伝が一人歩きして
庶民たちの生活とはかけ離れた世界が、国の中にできあがっているのだろうと思う。

私も、そういう一部のモルディブを全体だと思っていた一人。
「モルディブ派遣? いいなあー。」なんて、簡単に言っていた。
だが、今回モルディブ隊員たちの口から話を聞き、モルディブを違う角度から感じ、想像する。
すべてをふくめたモルディブを。

こんな機会があること、こういう人たちと会えて話ができること、
青年海外協力隊という幸運を感じ、仲間と会えてよかったなと思う時間。

モルディブ隊員たちはそう言いながらも、全てを含めたモルディブを慈しんでいる。
    


同じく歯科治療のため同行した音楽隊員と体育隊員と、マレーシア隊員も一緒にみんなでバンコク近郊を観光。
タイ式のお祈りをしたり、
   

パッタヤーでは地上170メートルからのワイヤー滑降にチャレンジしたり。
         (→ブログ 「パッタヤー」
   



モルディブ隊員たちは何をしても、何を食べても喜んでくれ、
「わあ、おいしいー!」とか「楽しかった-!」なんて言われると、心から嬉しくなって
もっともっと何かおいしいものを、楽しいことをと思う。
タイを存分に楽しんで帰って! と思う。
氷自体が貴重というモルディブ隊員たちとまずフルーツシェーキで乾杯。
    

そして初ランブータン、初アイスティム、初イサーン(東北)料理)、ソムタム・カオニャオ・トムヤムクン…
初ドリアンは全員口をそろえて 「なんだこれは!おいしい!!」「だれだ?臭いって言ったヤツは!?」
と驚きの許容力。
切望していたラーメン屋では、みながカメラを構えてシャッターを切る。
     
 


今回マレーシア隊員とモルディブ隊員と、いろんな話をした。
マレーシアでの活動、モルディブでの活動、そして生活、行ったことのない国生活したことのない場所の
珍しい話を感心しながら聞く。
読書もそうだが、話を聞くことは人間幅を広げること。
人間自分一人の経験するもの,見るものは限られている。
だけど、本を読んだり、話を聞いたりして、自分以外の人間の目線に立ったり、一緒になって世界を見ると
自分以外の人間の疑似体験をすることができるのだ。
行ってもいない場所のこと、見たことのない世界を。
人と会い,話を聞くということは自分を広げていくものだと改めて思う。


今回、心に残る言葉や話がたくさんあった。
その中でも印象深いのがこの話。

モルディブでは、音楽や体育のカリキュラムはあるが、教える人がいないため実際は名ばかり。
だから、モルディブの子どもたちの経験は日本人の子どもたちに比べて全く少ない。
モルディブ隊員が言う。
「日本では、たとえサッカー選手になれるほどではなくてもほとんどの子どもがサッカーをやったことがある。
たとえ、バスケット選手になれなくても、全ての子どもがバスケットをやった経験があり、ルールを知っている。
ハーモニカ、ピアノ、リコーダー、カスタネット、それらの楽器に触れたこと、演奏した経験がある。
日本では、ちょっとずつたくさんのものを知る経験ができる。」
日本の子どもたちはたくさんの経験をし、たくさんの選択肢をもらい、それを自分の糧にし成長していく。
だけど、モルディブではそれがないのだ。
海外に出て心から感じる、日本の教育のすばらしさ、豊かさ。
どれだけ恵まれた中にいるかわからないのに、そうは思わず毎日をすごしているということ。


今回であった音楽隊員と体育隊員たちは、そんなモルディブで
子どもたちに初めてトランペットを聴かせ、ピアニカを聴かせ、スポーツへの出会いに導いている。
音楽やスポーツで、国境を越えているのだ。


持参した楽器で、私のために演奏してくれた。
トランペットとピアニカのセッション。
ピアニカは、自己改造を施し、縦に首からぶら下げ、なんと両サイドから両手で鍵盤を弾くという
信じられないスタイル。
左手で弾く鍵盤は全く見えないのだそう。
こんなことやっている人いません。
衝撃のスタイル。
頭でも弾いてしまう彼女。
ピアニカって、机において弾くものだという自分の中の常識が飛び散った。
    


聴かせてもらった音楽は心に染みて、ただただ すごいとしか言えず、拍手しかできない。
感動。 感動。 涙が出ちゃう。
音楽で国境を越える。
本当にその通りだ。 音楽の持つ力ってすごい。
それをもってモルディブに国境を越えていった隊員たち。
      


タイ滞在中には、クロントイのスラムで子どもたちに演奏しにいく予定。
          (→過去ブログ 「バンコクのスラム クロントイで図工教室」
目の前で見る日本人の演奏、目の前で響く音響にどう反応するだろう。
タイの子どもたちの胸にも音楽が浸みていくに違いない。



   モルディブ音楽隊員が縦ピアニカで弾く アンパンマン ジャズ そして最後は何と頭で演奏。
      
       

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