ユラーナ Ulana - A bridge between Japan and Overseas Countries

龍神由美のブログ。江戸の面影を残す川越に、先祖代々300年住んでいます。私の川越暮らしを綴ります。

お花屋さんとの会話

2015年07月18日 | 日本文化
雨模様でしたが、ご仏壇にお供えするお花を買いに、近くの花屋さんに行きました。

「ご仏壇にお供えするお花を1000円くらいでお願いします。」とお願いしました。お玄関とトイレにも少し入れたかったので、「リンドウも入れてください」とリクエスト。

おじさんは、いつもながらテキパキとお花の束を作ってゆきます。

「先日のホールでのお花、とてもきれいでしたよ」と私。「ええ、ありがとうございます」

「ホールに活けるお花をどこに頼んだらよいのかわからない」と主催者が言うので、そのお花屋さんを私が紹介したのでありました。

「でも、一瞬でしたよね、お花が見られたのは。その後は、どうしたんでしょうね」

「会社の受付にでも飾ったんじゃないですか?」

「それは、あり得ませんね。誰もお花を活けることはできないし。第一、花鋏を私が用意したんですけど、戻してきましたから」

今どきの女性は、誰も、お花を活けることができないらしい。何と、情けない日本の状況(全部が全部とは言いませんが)

「大体、剣山、ほとんど、どこにも売っていないんですよ」と私。

「ウチも剣山扱っていたんですけど、売れないから、全部錆びちゃって、みんな処分してしまいましたよ」

「えー、扱っていたんですか?今、丸広なら、日本橋の木屋が入っていて買えますけど」

「今、みんな、オアシスになっちゃって」

「えっ?オアシスって何ですか?」

どうやら、オアシスとは、花籠を頼むとお花を挿してある柔らかいプラスチック状のものをいうらしい。

「(お花の)先生方は、みんな、オアシスになっちゃって」

へーえ、そうなんだ。剣山、使わないんだ。でも、どうやって、松を活けるのか?お正月の床飾りは、どうするんだ?オアシスなんかじゃ、松や菊の重みで倒れちゃうけど。

「今、先生は、いっぱいいるけど、生徒がいないって」

「そうでしょうね。あんな爪してたら、お茶やお華を習う人はいないでしょうね。今どきは、いい年をした人も、爪を長く伸ばしてネールアートしてるから」
「あれじゃ、恐ろしくて、お棗(なつめ)なんて、扱わせられないですよ。お茶碗はともかく、お棗は塗りだから傷ついちゃうし。しかも、水仕事って寝る寸前までしているでしょ?あんなに塗ることに熱心だったら、家の中、埃だらけですよ、きっと」

「今は、ソト(外見)を磨くのに熱心で、ウチの中(内面と家の中)は、磨かないんだよね」とおじさん。

何と情けない日本の現状。お花のひとつも活けられないなんて。

「おもてなし」とか言う前に、お茶とお華のお稽古を少しでもやったらいいのに、と心から思う私でございました。

帰りに、喫茶店に寄りました。今日は18日で、「きものの日」とあって、着物姿の女性がいましたが、着ているものが、浴衣のような浴衣でないような・・・でも、足元は、素足で草履を履いていましたから、浴衣だったのかなぁ。

しかし、出てゆく歩き方は、勇ましかったです。お茶、3か月でいいから習ってね。歩き方がすり足になって、見た目が美しくなりますよ。

ユラーナ




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