昨日ご紹介した「日本人の知らない日本語」というコミックエッセイに、「文化庁のHPに『敬語の指針』という答申が載っている」と書いてあったので見てみました。全部で82ページもある大作です。その中に、以前から気になっていた「ご苦労様でした」という表現について記載がありましたので、ご紹介いたします。
私の知っている秘書が、外出して帰って来た上司に対して「ご苦労様でした」と言ったので、私は、とても驚いたことがあります。以下、ご参考になれば幸いです。
文化庁HP「敬語の指針」から
「ねぎらい」と「褒め」の問題
【質問27】時間外に仕事を教えてくれた上司に「どうも御苦労様でした。」と言ったら、「御苦労様はないだろう。」と笑われてしまった。それで、書類作成に追われた上司が帰る時には「御苦労様」以外の言い方を考えてみたのだが、適切な表現が浮かばず、そのままになってしまった。そういう気持ちを表したい場合には、どうすれば良いのだろうか。
【解説1】仕事について教えてくれた上司に対しては、「どうもありがとうございました。(大変助かりました。)」と感謝の表現にすれば良い。また、書類作成に追われた上司に対しては、「(本当に)お疲れ様でございました。」などと言えば良いだろう。
【解説2】「御苦労様」は、基本的には、自分側のために仕事をしてくれた人、例えば、配達をしてくれた店員などに対して、「ねぎらい」の気持ちを込めて用いる表現である。(なお、このような場合に「お疲れ様」と言うのは不自然である。)ねぎらいは、上位者から下位者に向けたものとなるため、目上の人に対しては、「御苦労様(でした)」を用いない方が良い。
これに対し、「お疲れ様」は、「ねぎらい」の気持ちを込めて使われる表現ではあるが、一緒に仕事をした後など、お互いに声を掛け合うような場合にも多く用いる表現である。(なお、このような場合に「御苦労様」と言うのは不自然である。)そのような状況であれば、「お疲れ様」ではなく「お疲れ様でございました」などを用いるというような丁寧な言い方であれば、だれに対しても使える表現である。
したがって、仕事上の上司であっても使うことができる。要するに、時間外に仕事を教えてくれた上司に対しては、「御苦労様でした」というねぎらいの言葉ではなく、「ありがとうございました」と感謝の気持ちを表す言い方に変えた方が良く、一緒に書類作成に追われていた上司に対しては、「お疲れ様でございました」と、気持ちを込めて表現すれば良いわけである。ただし、このような定型的な表現ではなく、例えば「おかげ様で仕事が少し分かるようになってきました。」などと、別の観点に立った表現を使うことで、上手に自分の気持ちを相手に伝えることも可能である。
(以上、「敬語の指針」より抜粋)
この他、敬語の使い方の様々な用例が載っていますので、ご関心のおありの方は、是非、ご覧ください。私は、配達してくれる方に対しても、「ご苦労様でした」ではなく、「お世話様でした」を使うようにしています。
ユラーナ
私の知っている秘書が、外出して帰って来た上司に対して「ご苦労様でした」と言ったので、私は、とても驚いたことがあります。以下、ご参考になれば幸いです。
文化庁HP「敬語の指針」から
「ねぎらい」と「褒め」の問題
【質問27】時間外に仕事を教えてくれた上司に「どうも御苦労様でした。」と言ったら、「御苦労様はないだろう。」と笑われてしまった。それで、書類作成に追われた上司が帰る時には「御苦労様」以外の言い方を考えてみたのだが、適切な表現が浮かばず、そのままになってしまった。そういう気持ちを表したい場合には、どうすれば良いのだろうか。
【解説1】仕事について教えてくれた上司に対しては、「どうもありがとうございました。(大変助かりました。)」と感謝の表現にすれば良い。また、書類作成に追われた上司に対しては、「(本当に)お疲れ様でございました。」などと言えば良いだろう。
【解説2】「御苦労様」は、基本的には、自分側のために仕事をしてくれた人、例えば、配達をしてくれた店員などに対して、「ねぎらい」の気持ちを込めて用いる表現である。(なお、このような場合に「お疲れ様」と言うのは不自然である。)ねぎらいは、上位者から下位者に向けたものとなるため、目上の人に対しては、「御苦労様(でした)」を用いない方が良い。
これに対し、「お疲れ様」は、「ねぎらい」の気持ちを込めて使われる表現ではあるが、一緒に仕事をした後など、お互いに声を掛け合うような場合にも多く用いる表現である。(なお、このような場合に「御苦労様」と言うのは不自然である。)そのような状況であれば、「お疲れ様」ではなく「お疲れ様でございました」などを用いるというような丁寧な言い方であれば、だれに対しても使える表現である。
したがって、仕事上の上司であっても使うことができる。要するに、時間外に仕事を教えてくれた上司に対しては、「御苦労様でした」というねぎらいの言葉ではなく、「ありがとうございました」と感謝の気持ちを表す言い方に変えた方が良く、一緒に書類作成に追われていた上司に対しては、「お疲れ様でございました」と、気持ちを込めて表現すれば良いわけである。ただし、このような定型的な表現ではなく、例えば「おかげ様で仕事が少し分かるようになってきました。」などと、別の観点に立った表現を使うことで、上手に自分の気持ちを相手に伝えることも可能である。
(以上、「敬語の指針」より抜粋)
この他、敬語の使い方の様々な用例が載っていますので、ご関心のおありの方は、是非、ご覧ください。私は、配達してくれる方に対しても、「ご苦労様でした」ではなく、「お世話様でした」を使うようにしています。
ユラーナ