ご機嫌公論

フリーランスのライター兼編集者・ロイ渡辺のBLOG。
締め切り間際に更新されていても、それはあくまでも「息抜き」。

『とある日

2005-10-17 22:22:18 | Weblog

自分のことだけで精一杯になっていたら

どこからか髪の毛がボサボサになったヤツがやって来た。

眠そうに目をこすりながら

そいつはこう聞いた。

「世界は、どうなってる?」

ボクは応えた。

「とても複雑で面倒くさく発展してしまったけど

少数の人たちの善意で、何とか機能してるよ」

そいつは、どうでもいいことを聞かされたみたいな顔で

「じゃあ、いいか」

と独りごちた。

ボクはそいつに向かって

「でも理不尽な目に遭った人たちは、アンタを恨んでるよ」

するとそいつは驚いたような顔で

こう言うと立ち去ってしまった。

「同情しすぎて死んだヤツのことなんか

当てにする方が悪いのさ。

オレは、もう一眠りするよ」

こうしてまた、新しい日が始まる。

それをボクは知っている』