我が朋友からのご指摘がございまして。
「オマエが一条さんのことを師匠って呼んでるの、
知らないやつには訳わかんないよ」と。
ごもっともなので、書きます。むふぅ。
一条ゆかり。
言わずと知れた少女マンガ界の女王。
オレの認める、数少ない天才の一人、です。
最初お会いしたのは、某悪魔教団の小暮閣下との対談の席でした。
オレは例によってライターとして参加してたんですが。
このお二人、妙に「気を使う」タイプなんですよ。
相手のフィールドに立って話してあげようとしすぎるあまり、
会話が空回ってしまう、そーいう悲しい組み合わせでした。
で、オレはそういう時、しゃしゃり出ることにしてるんです。
こっちをいじり、あっちに突っ込み。
記事なんざ、後でオレの発言を削っちゃえばいい訳なので、
要は現場が盛り上がればよい、と。
そのときの印象がやけに強かった、と一条さんは言っておりました。
こんなに対談に入ってくるライターは珍しい、と。
ということで、彼女が白泉社の『メロディ』という雑誌でコラム連載をするときに、
ご指名をいただいた、という次第。
そこから2年間、月に一度、一緒に酒を飲みながら
今回のネタはこうしようああしようと打ち合わせなどで
顔を合わせてたのでした。
(主に飲酒がメインだったことは言うまでもございませんが)
その後、この連載が
本になったときも、編集に参加したりして、
機会があれば会って酒飲んだりしながら、
今に至るわけです。
この人の凄いところは、
きっちり努力の出来る天才である、というところ。
というか、努力し続けられる才能がある、ってことかもしれないです。
デビュー以来、沈むことなくトップを張ってる少女マンガ家なんて
皆無です。
しかも、自分のしていることを「仕事」と認識できているところなんか
(食うために働いているから仕事は別に好きじゃない、
みたいなことを言う人、死ぬほど嫌いなので)
こっ恥ずかしいけど、尊敬してます。
「マンガ描いてるってことは、ワタシの最大のウリだからさ」
なんて言い放つくせに、
左手が動かなくなるくらい、ペンを握り続けてる。
面白い作品を見ると本気で悔しがるし、
つまらない作品を見ると「ワタシならこう描くのに!」と憤慨する。
オトナの癖に大人気ない。
一条さんは、オレのことを誰かに紹介するときに、
「ワタシの友だちのライターさん」と言います。
オレも、彼女のことは友だちだと思ってるんだけど、
それ以上に、オレの考えとかスタンスとかを
オレより先に言葉にしている、という実績から見て
「師匠」と呼んでます。
こないだそう言ったら「フザケンナ」と言われましたが……。
いい女ってのは、年齢に関係なく存在してるんです。
それを教わっただけでも、師匠と呼ぶにはふさわしいかと。