旅が好き・そして日々の時間で気の付く事を。

旅では人々の生きた来た跡を訪ねてみたい。
時間が出来たので、今までにしなかった事に手を出してみようと思う。

「ハニー句会」 2024年  六月例会

2024-06-12 19:50:52 | お仲間たちと

玉乃井永
顔見知り目深に被る夏帽子
紫陽花や手足踏ん張るモノレール*
夏木立光突き抜く摩天楼

門屋定
脚立揺れ枇杷の摘果と袋掛け
ひっやとし八十八夜の朝と夕
大判焼きと芳醇(ほうじゅん)な新茶かな

二神重則
目を閉じて遠い山路の藤訪ね
ジャズコンや春の雨夜にネオン揺れ
母の日や淡くモノクロ微笑んで

新井文子
さざ波が光と遊ぶ初夏の海
鎖樋(くさりとい)流れ楽しむ緑雨かな
母の日や漬け物石の良き重さ

長井知則
頭冴え夢も見ぬ間の短夜や
鉢植えのトマトは幾つ実のらすや
新玉のスライス攻めで病み払い

八木健
燕らに巣づくりの軒見当たらず
メタボ懲り懲り金魚の餌は控えめに
走り梅雨消して日記に暴れ梅雨

吉川正紀子
大夕立花壇の花に深情け
雨降りて歓喜の蝸牛のそり
水槽の金魚大きくなり過ぎて

愛媛新聞、
 例会が終わり添削をされた句もあります。










「ハニー句会」 2024年  五月例会

2024-05-11 22:50:46 | お仲間たちと


新井文子
青き穂を抜いて麦笛畦の道
夏に入る柔軟剤の香り変え
饅頭に誘われ茶屋へ遍路道

二神重則
鴨立ちて池は小さな波ばかり
東でも西の社もホーホケキョ
はずのない声聞く時ぞ春夕べ

門屋定
見上げれば立夏の空の気持ち良さ
此(こ)の家(うち)も三本立ての松の芯
花過ぎて別れを風に促(うなが)され

長井知則
母の日は肩叩き券倍増し
点滴の文字摺草や老いる義母
家族鯉夏霞の空たなびく

八木健
夏帽子鍔の広さにこそ秘密 鍔(つぱ)
薄暑てふ季語に暑さの厚み知る
発音もかたちも似てる枇杷と琵琶 

吉川正紀子
さざ波を立てて嬉しき水田かな
跳び跳ねる首に紫雲英の首飾り
草笛名人若葉じゃ音だせぬ



「ハニー句会」 2024年  四月例会

2024-04-13 14:06:11 | お仲間たちと


新井文子
亡き人の浮かんで消えてシクラメン
赴任して一人暮らしに春うらら
落椿浮かべて花の手水鉢

玉乃井永
四月馬鹿真顔崩れるネタばらし
進学の吾子より母の晴れ姿
磯遊び一発波の洗礼を

吉川正紀子
菜花梅雨泣いて喜ぶ石手ダム
囀ずりて夜明けを急かす小鳥たち
咲かねばとモジモジとする蕾たち

八木健
試着とは頭に載せること春帽子
ゴンドラの唄ぶらんこに腰かけて
散るさくらいずれ掃かれる花屑に

二神重則
春浅し日当たり探す交差点
春の苑あのと指さす連れ連れて
空を背に花びら集う水溜まり

門屋定
待ちました開花宣言に笑いあり
薔薇の芽や今スクスクと出番待ち
桜咲くお寺にお宮満開に

長井知則
妻入院代役熟し春うらら
催花雨や咲けば咲いたと再会す
春ですねパソコン将棋でまた待った



「ハニー句会」 2024年三月例会

2024-03-09 16:45:24 | お仲間たちと

吉川正紀子
広げたる枝に咲かせて梅の花
芽吹きして山々笑う支度すみ
横着の手が届かない蕗の薹

高尾田山人
春椎茸を擬人化で呼び春子さん
いつの日か別れる運命春炬燵
振るときのリズムはチャチャチャ種袋

門屋定
立春や一番搾りグィと呑み 
つる薔薇のてんてんてんの赤芽かな
菜種梅雨貯水が増えて有難う

新井文子
垣根越し甘き泣き声通い猫
空高く音符を描く小灰蝶(しじみちょう)
脳トレも三日続かず山笑ふ

二神重則
襟立てて土の匂いや春少し
蝋梅の香りの壁に足止め
黒雲の帯を留める栗の毬(いが)

長井知則
堀江小弥生の似合うおさげ髪
初雷や我家のルンバ俺の番
大谷ロスの年休は春の雪


玉乃井永
技術書の行間遠く目借時
花遍路人生最高の家出
一、二と孫と石段木の芽時



「ハニー句会」 2024年「初句会」二月例会

2024-02-03 15:00:59 | お仲間たちと

田高田山人
落第の報告倍率をつけ加へ
うまごやしあれどうしごやしなきはなぜ
今月は閏の月でお徳感

吉川正紀子
保護色は身を守る術蕗の薹(ふきのとう)
みいーつけたかくれんぼする藪椿
擬人化で描く落ち椿の嘆き

二神重則
池の端の菜花小さな春便り
西の陽に芒キラキラクリスタル 
なき人のまたねのままの寒さかな

玉乃井 永*
役立たず吾子に蹴られし羽蒲団
昼下がりどこでもドアの日向ぼこ
片栗の花とのけ反りイナバウア

門屋定
春近し椿神社も伊予路にも
句会出て批評は滑稽春隣り
水仙は風の当たらぬ高さかな

新井文子
旅立ちの鼓動を乗せて春来る
早春の光の中に影二つ
気合い入れ四温日和に洗車する

長井知則
春浅し土手の散歩のそぞ歩き
薄氷(うすらい)の下で金魚のひれ動く
想い出も巡り巡って冴返る







「ハニー句会」 2024年「初句会」一月例会

2024-01-06 14:49:21 | お仲間たちと
初句会を全員揃ってできました。めでたし。



高尾田山人
えいやあともろ手差し込み寒の水
掌で独楽を回せばこそばゆし
羽に届くか肩車された手が

新井文子
灯油売りメロディ聞きて冬菜煮る
戸が軋む滑り込む風冬の朝
年重ね姉妹仲良く椅子炬燵

吉川正紀子
初句会思いそれぞれ初句会
偽の門松正体はプラスチック
春めきしもの庭の木々その陰に

二神重則
冬の日の雀飛び来て影長し
初雪の掌(てのひら)避けて落ちにけり
小春日の塔が動くよ雲の端

長井知則
初雑煮数える餅も2個2個や
暖冬や蚊が飛ぶ闇の除夜の鐘
喜寿を過ぎ米寿を目指す初日の出

玉乃井永
足裏を道着の裾へ初稽古
雪の酸ケ湯(すがゆ)混浴の千人風呂
初日の出心身リセット深呼吸

門屋定
山門の石段高い初詣
一月の幹の冷たい百日紅
新年の目標達成の八十歳

2月10日の愛媛新聞。




「ハニー句会」 2023年十二月例会

2023-12-09 17:42:24 | お仲間たちと
「ハニー句会」の概要
 名前の由来 師匠の八木健さんと世話役の二神と会員の一同を合わせた「八木健二神会」でしたが一同が無いので「821の会」と考えましたが、しっくりこないので縦書きにしても良い「ハニー」にしました。
自分にも他人の句にも甘いところです。
 参加者は主に高齢男性、句会には珍しい構成です。

今月の句会の結果


玉乃井 永
冬ざれや廃線危機に揺れる町
縄跳びやお腹ダプンと波を打つ
冬の朝ため息白し宝くじ

二神重則
冬時雨三味は親子の離れ歌
暖かし仏に掛けた紅帽子
白波の迫る地の音冬の底

新井文子
足取りも軽く五千歩小春空
陽を集め今夜ぐっすり布団干す
ぐい呑みに二杯ばかりの夢寝酒

門屋定
竿垂れる重さじわじわ吊るし柿
生け花に実千両だけの物足りさ
真夜中に雨戸を叩く時雨かな

長井知則
昼飯は蕎麦湯で〆の満腹感
風邪ひくと亡母(はは)の味似せ玉子酒
寝たっきりの義母の動きは冬の蠅

吉川正紀子
忘年会芯から酔えぬ幹事役
湯けむりと風と遊ぶや冬の空
敗残の兵の如くに枯れ蓮田

高尾田山人
催眠術を誰がかけたか山眠る
白息を吐く邪魔となるマスクかな
火の番に寒さ知らずといふオトク





「ハニー句会」 2023年十月例会

2023-10-07 19:37:53 | お仲間たちと


新井文子
靴ひもを踏んでつまずく草の花
灯り消し影寄り添いて月見酒
ほつれかけ西陽射し込む秋簾

玉乃井永
ツーショットひとり自撮りに赤とんぼ
外気欲湖畔サウナに律(りち) の風
夜霧の高速凝視の二十キロ

二神重則
今年また母と弟秋の蝶
秋の日の翳りは刻の一休み
空蝉や此処に生きたと跡残す

長井知則
五合炊き新米香る湯気揺らぎ
街路樹の雀の学校秋の暮
孫破った繕い多し障子洗ふ

門屋定
二百十日二百二十日と荒れもせず  
農機具に子供を乗せて稲を刈り
道聞かれ付いて行きたや秋遍路

吉川正紀子
ショットバーボジョレヌーボーの赤を詠む
台風に袋叩きに遭い花壇
冷奴時代は忘れ湯豆腐に

八木
木犀は知らず金銀の差別感
ちゃっかりだズボンの裾の草の実は
泥つきの大根威張らせ道の駅



柄昼新聞に掲載されました。




「ハニー句会」 2023年九月例会

2023-09-02 19:47:29 | お仲間たちと


門屋定
無花果や花咲かずとも実りある
夏球児話題絶えない甲子園
二百十日漁師農夫の嫌な月

二神重則
片陰の家並み揺らめく漁師町
風あれば会うて別れて蓮の水
待ち時間蝉に合わせて足拍子

玉乃井永
戸隠の星と見紛う蕎麦の花*
残業のはだけし襟に秋団扇*
万歩計鎮守の森に秋の蝉

長井知則
行合の空を指さす二人連れ
蝉知らす季節の変わりつくつくと
二日月星を切り裂き茜染

八木健
わが庭に貧貧貧と鳴く蝉よ
澄む水をたちまち汚し泥の足
秋刀魚よりさんまの方が庶民的

新井文子
八月やルソンに眠る知らぬ伯父
涼新た耳をすまして聞く葉音
秋暑し止まることなき室外機

吉川正紀子
この味は去年と同じ土手南瓜
星流れ私は恋を失くしたの
鳴き終えて土に帰るか油蝉




「ハニー句会」 2023年八月例会

2023-08-05 20:22:40 | お仲間たちと
8月の連会を長井さんにお願いしました。

カッコウと鳴く鳥縞のシャツを着て    高尾田    
名古屋場所気合いだ気合の北勝富士 門屋
小次郎の真似してすすい夏燕 吉川
夏の野や足の迷いか覚束かな 二神
夏休み鞄で嘘寝通信簿 長井
血糖値今日も忘れて生ビール 新井
よさこいの怒涛のビート迫り来る 玉乃井

つくり滝なれど一途に落ちる水 高尾田
編み笠にうなじ際立つ阿波おどり 玉乃井
竹林葉波涼しき風を待つ 二神
義父母(ふぼ)介護手抜けず行けぬ墓参り長井
会話にも都会の匂い帰省の子 新井
雨上がり低空飛行の夏燕 門屋
鰻はやめて黒ニンニク夏土用 吉川

二ユース見て法螺貝の鳴る山開き 門屋
五月晴れ霊峰抑える大クレーン 二神
レトロ感あり海水浴という用語 高尾田
絵手紙に飾りし色や秋近し 長井
この汗は生きてる証拠滴れる 吉川
神木をがっちり掴む蝉の殻 新井
蚊の羽音対向車線のハイビーム 玉乃井



8月29日の愛媛新聞です。


「夫っと連句会」いままでとこれから 2023.7

2023-07-25 08:35:23 | お仲間たちと
早くも5巻目終了


先般、今までの四巻を識者に見てもらいました。
その方曰く、連句の会は女性が多く今回の殿方だけの四巻は話題が全然違うから新鮮だった。

難点のいくつか、
 同じ文字が散見されるのは残念。
 連歌-俳諧-連句と続く歴史があり歌うようにスムースな言葉が使用されるべき。
 句はカウントを正しくして、長句が五七五や短句が七七の定型になっていないのがありました。

また、特に七七にあるのですが、七を詳しく分けると三四と四三に別れます。
スムースなのは三四です。四三を使うのであれば次の語句が五か三四が欲しいところです。
都々逸では三四.四三.三四.五になっていて、民謡もこの調子が多いのです。
三味線伴奏で歌いやすいのでしょう
 信州信濃の 新蕎麦よりも わたしゃ貴方の 側が良い
 恋し恋しと 鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が 身を焦がす 
歌謡では
 才太郎節・宮津節・江差追分などに見られます。面白いことです。
七の時はできるだけ三四で。

私が思うのは、どうしても前前句や前の句にひこずられてしまい、同じ様な場景になっています。打越の場景から全く離れる事が必要です。

次回はこの辺りに注目してやりましょう。


「ハニー句会」 2023年七月例会

2023-07-04 15:47:42 | お仲間たちと
7月1日に例会を開催しました。


門屋定
辿り着き仁王が睨む梅雨晴れ間
杏熟れカラスも突つかず空(そら)とぼけ
壺に活け咲き揃ってる百合の花

二神重則
昼下がり目薬持てば時鳥
過ぎし日を石に映して春時雨
夏草に埋もれ蛸壺何叫ぶ

新井文子
境内の四ひら漂ふ花手水
遊び過ぎ今日は手抜きの冷奴
宿下駄の音を気遣ふ蛍狩

長井知則
噴水を浴びて奇声の子等は舞う
円虹(まるにじ)の帽子被りてデートする
乙女手に触れたが如く含羞草(おじきそう)

吉川正紀子
トンネルの緑を抜ける村のバス
どくだみの白い悪臭鼻もげる
水割りに夏の音聞くショットバー

高尾田山人
二葉では駄目なんですか桐一葉
青臭い記憶トマトの丸齧り
涼しいねシャツはだけての団扇風

玉乃井永
夏旱(なつひでり)校舎顔出すダムの底
ラーメンの後のコーヒー登山杖
雲の峰ベタ踏み坂の滑走路






「ハニー句会」 2023年六月例会

2023-06-03 13:34:46 | お仲間たちと


玉乃井 永
梅雨晴れ間連敗止めるタイムリー
甘い香(か)の天に至るや花蜜柑
花菖蒲雨の雫のおめかしし

新井文子
母の日や糠床に塩一握り
薬酒にと夫が摘んでる蛇苺
シーツ干し心も洗う梅雨晴間

門屋定
根切り虫情け無用の駆除をする
葉桜や吉野も八重も人寂し
短(みじか)夜(よ)や日の出が早い五時五分

長井知則
残る実や夏柑花に老い語り
十薬の八重の白花威張りたり
蛍(ホウタル)の源平乱舞争わず

高尾田山人
落ち着きがない虫の代表天道虫
絵には描けない風鈴のかたちかな
風死はて懲罰のごと待たされる

二神重則
糸の雨音無く香る花レモン
今日の日をもちょっと長く夕雲雀
蛍見や只銀色の四日月

吉川正紀子
蓮華咲き誇る耕作放置され
ルージュ出番マスク引退に
菖蒲いける背筋真っ直ぐに

愛媛新聞に掲載されました。6月17日


新聞社に掲載をお願いするに当たり、句会の折りの作品そのものでなくて添削を受けたり、句会の折の感想を入れて手直しした句があります。ご注目点かも。


「ハニー句会」 2023年五月例会

2023-05-06 13:13:29 | お仲間たちと


門屋定。
鍬入れて蚯蚓暴れて何処へやら
見納めのさくらと言えば八重桜
卯の花や今日も眺める老夫婦

高尾田山人
連休に雨を降らせる気象台
子が親に小言言ふなり子どもの日
柏餅昔の甘味はこんなもの

玉乃井 永*
緑さす色と光のシンフォニー
青葉潮(あおばじお)竜馬と並び懐手(ふところで)
袋掛美味しくなれと吾子の声

二神重則
鶯や鳩の伴奏黄昏れて
足跡は親しいらしい花筵(むしろ)
納骨の式に加えよホーホケキョ

長井知則
閏住(うるすみ)の卯浪(うなみ)に浮かぶ島の山
想い出の小さき捻じれや文字摺草
古女房古茶に負けぬ味を出せ

吉川正紀子
黄砂を含む風とも知らず鯉のぼり
糸切れの凧尻尾フリフリ宇宙へと
次世代に追い立てられて夏落ち葉


新井文子
夫静か眠気覚ましに新茶出し
回廊にかかる新緑御籤ひく
巣立ちして旅の支度や夏燕


5月21日の新聞に掲載されました。
今回は「ハニー句会」になっていました。有難いことです。