旅が好き・そして日々の時間で気の付く事を。

旅では人々の生きた来た跡を訪ねてみたい。
時間が出来たので、今までにしなかった事に手を出してみようと思う。

北緯35度 西から東へ 日本海から太平洋

2022-09-29 22:05:56 | 
北緯35度の旅

松本清張の「Dの複合」に北緯35度が書かれていました。北緯35度の線は日本の陸上を長く走っているらしい。
 35度線を西から東へ、出世して東京へ出ることを東上とかと言うこともあり長門辺り長州人にはこの言い方が良いのかも。

先ずは、上陸点は島根県の江津から始めましょう。
江津・今は無きJR三江線の出発駅、時刻表を見ると廃線間近な事がうかがわれる。
   江津駅・時刻表
 

三江線で向かう三次市は35度線から南へ20km、江川に沿って山の中を走る。
   赤い屋根の民家・石州瓦


   江川


備後落合駅は松本清張の砂の器で今西刑事は奥出雲から木次線備後落合行きに乗り亀嵩に向かう場面がある。木次線はループ線やスイッチバックと見所多し。備後落合駅は鉄道マニアが多い。
   備後落合駅(北緯34度59分14.78秒)


JR関西の赤字路線芸備線は三次から新見駅(北緯35度0分4.31秒)
新見駅時刻表、芸備線・・・廃線が心配だ。
   三次行きと備後落合行き
 

新見、津山の南6kmを美作・上月へ、三日月駅の上をかすめて八千代・西脇市へ、
   粋な駅名「三日月駅」


 姫路から姫新線で三次へ出て芸備線で広島へと昔は直通があったらしいが現在では一日踏破は無理そうな。姫路からの姫新線は後醍醐天皇が隠岐に流された道筋に沿っているとか。津山には児島高徳の「天勾践を・・・」と桜の幹を削って書いた言い伝えの残る院庄がある。
   児島高徳の銅像


   津山の扇型機関庫


兵庫県姫路の「余部(よべ)駅」(北緯34度51分23.38秒)、日本海の蟹で有名な香住町にある橋梁で有名餘部とは読みが違う。
   余部駅


京都府に入って亀岡市、京都市に入り二条駅の北を通り二条城の北堀端を御所の南竹屋町通りを一直線に平安神宮へ。

滋賀県大津市皇子山、近江八景「三井寺の晩鐘」・桜の名所長等山(写真が無い)
平家物語の粟津、木曽義仲と乳母今井の四郎・巴との別れの場


琵琶湖の南、瀬田の唐橋、ここからは東上でなくて、伊勢物語「東下り」平家物語「海道下り」。
「逢坂山をうち越えて、瀬田の長橋駒もとどろに踏みならし、雲雀のぼれる野路の里、志賀の浦波春かけて、霞にくもる鏡山、比良の高根を北にして、伊吹が岳も近づきぬ。」
太平記の名文・道行き文「俊基卿東下り」『落花の雪に踏み迷う、片野の春の桜狩り、紅葉の錦きて帰る、嵐の山の秋の暮れ、一夜を明かす程だにも、旅寝となれば物憂きに、恩愛の契り淺からぬ、我が故郷の妻子をば、行方も知らず思いおき、年久しくも住みなれし、九重の帝都をば、今を限りと顧みて、思わぬ旅に出でたまう、心の中ぞ哀れなる。』

   俵藤太の大ムカデ退治の三上山(近江富士)


半世紀前駅前の食堂で丼が美味しかった甲賀郡甲西町、10年くらい経った後甲西駅前の食堂のマスターと大阪の四條畷のドライブインで出会うことがあった人の世の狭いこと。漬物が有名?蒲生郡日野町、この辺り50年前の担当仕事場だった今はどの様になっているのか。
そして三重県に長良川・木曽川・揖斐川の河口、長島一揆、四日市駅は少し南(34度51分)三重を過ぎ愛知県に愛知県犬山市(北緯35度22分)
   犬山城と明治村 50年前の古い写真しか無かった。





愛知を過ぎて駿河湾・静岡市の少し上をそのまま伊豆半島へ、この辺りはあまり来た事が無い。伊東と言えば「・・・電話は良い風呂 ♪」とかのCMを覚えている。
清張の「天城越え」、川端康成の「伊豆の踊子」、少年期の恋でよく比較される。当時踊り子は非定住の芸能民として差別の対象だった。また娼婦も同様、そして殺される土工と底辺の人達を登場人物にしている。清張の社会派たるところか。行ってみたいところだが。あの、「来年の今月今夜のこの月を・・・」名台詞の熱海も近い。
   寛一お宮の像


男女の物語では女性が先で男名前は後になるが、ここは違う「なんで?」
「お初徳兵衞」「お軽勘平」「お夏清十郎」「お富与三郎」「浪子武男」等など沢山

次いで上陸は千葉県館山、房総半島の先を抜け太平洋の出たところの海岸が美しいところ。
 

外房線と内房線の終点安芸鴨川駅(北緯35度6分27.3秒)。出発の2線とも上りの線路。珍しいので行ってみた。
 

そして太平洋へ
   安芸鴨川駅より太平洋へ





歌仙三回目 「ちちろ虫」

2022-09-28 16:47:48 | 連句でコミュ力 UP
発句 草鞋紐むすぶ子規の手ちちろ虫   敦煌子   三秋
脇句  残月の浜さざ波白く  段々耕作  月 三秋
 三 木の実落つ浄机に筆を休ませて   ドスン美穂  晩秋
 四  山越えて来る移動スーパー    Jo後鳥羽さん 雑
 五 ほつかほかの焼芋犬と半分こ    Miido翠  三冬
 六  粉雪の朝まずスクワット      8マンKen  晩冬

裏十二句
 一 雑踏に肩叩かれて振り返り あらた二三子 雑
 二  事の起こりはこの橋の上 神々千里(チリ)
 三 あの人の声もしぐさも懐かしく 今治田織
 四  恋慕断ち切る黄泉平坂  敦煌
 五 飛び入りで踊る阿呆に見る阿呆 段々
 六  国家の時計の針は大揺れ ドスン
 七 月凍つる何にも知らぬ塀の内 Jo
 八  地獄耳とて痒き霜焼 miido   
 九 円安の結果なぜに物価高 八マン
 十  話が尽きぬ井戸端会議 Arata
十一 偲びつつ宿りを捜す花の里 チリ
折端 酔うてへべれけ朧の夜 田織

名残の表
一 春眠のウェアラブルは誤作動に  ドスン
二  千里眼でも見えない未来  段々
三 虎ファンの祈る連勝とんぼりで チリ
四  粋な着流し大島紬 Arata
五 美人画の団扇ぱたぱた好々爺  88マン
六  網戸越しなる愛の交歓  敦煌
七 忍び逢ふ二人は熱き吐息して 田織
八  遅まきながら韓流はまり  Jo
九 怪しげな宗教に夢奪はるる Miido
10  今日の風呂敷持たず盗人 ドスン    
11 駅ビルの窓に弦月果ての街 段々耕作
12  査定の家に葛のうら風 チリ

名残の裏
一 夜なべしてゼッケン前後つける母 Arata
二  無くてて七癖ゆびをぽきぽき 8マン
三 カナリアがひがな真似するアルペジオ 敦煌
四  春の曙街を染めゆく 田織
五 養花天どこかに潜むぬらりひょん
六  エンジン掛ける若き耕人

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発句 草鞋紐むすぶ子規の手ちちろ虫   敦煌子
脇句  残月の浜さざ波白く  段々耕作  月 三秋
//旅立とうとしている子規の心情を思いながら浮かんでくる景色
三 木の実落つ浄机に筆を休ませて ドスン美穂 晩秋
//屋内に入り 自の句と 気をつけて後はむにゃむにゃ!
四  山越えて来る移動スーパー    Jo後鳥羽 雑
//打越の海辺から景を変え、静寂の佇まいからやかましいスピーカへ・・・
五 ほつかほかの焼芋犬と半分こ Miido翠
//ある風景かと・・       
六 粉雪の朝まずスクワット  8マンKen 晩冬
//芋も食ったし腹ごなしの一走り

ウ1 雑踏に肩叩かれて振り返り  あらた二三子
//ほっこりとした風景から慌ただしい都会へ
二  事の起こりはこの橋の上  神々千里(チリ)
//橋は出会いと別れの場、恋のお誘いで
三 あの人の声もしぐさも懐かしく 今治田織(いまばりたおる)
//思いを寄せていた人のことを懐かしく思い出している
四  恋慕断ち切る黄泉平坂 
//逝った人は追ってはダメ!偲ぶだけにしなくては…ね。
五 飛び入りで踊る阿呆に見る阿呆
//たまには阿呆になって飛び出して見るのも、
六  国家の時計の針は大揺れ  ドスン
//いわんや 庶民の暮しは沈下するばかり・・・
七 月凍つる何にも知らぬ塀の内 Jo
//オリンピック汚職で次々と上がっています。一方でぬくぬくとしている者が居る。
八  地獄耳とて痒き霜焼 miido   
//地獄耳でならした自慢の耳がいまや霜焼けで痒い  罰ですねえ   
九 円安の結果なぜに物価高
//経済のことはよくわらんのですよ
十  話が尽きぬ井戸端会議 Arata
//様々問題が多く主婦の話は尽きません
11 偲びつつ宿りを捜す花の里 チリ
//喧騒を離れて昔訪れたところを一人旅
12  酔うてへべれけ朧の夜 タオル
//真面目な人ほど酔わにゃあ、やっとれんのです

名残の表
一 春眠のウェアラブルは誤作動に  ドスン
//主(あるじ)に似て不精者の腕時計
二  千里眼でも見えない未来  段々
//未来ではなく、今が見えない私たちです
三 虎ファンの祈る連勝とんぼりで チリ
//負け慣れてる古くからのファンには一寸先は闇よ
四  粋な着流し大島紬 Arata
//律儀とは縁遠いボンボン。大阪代表の世之介。
五 美人画の団扇ぱたぱた好々爺  88マン
// 愛用の団扇美人が爺のお気に入り
六  網戸越しなる愛の交歓  敦煌
//ちょっとだけよ、
七 忍び逢ふ二人は熱き吐息して 田織
//コロナの熱じゃありません
八  遅まきながら韓流はまり  Jo
//世間の人が見向きもしなくなった頃に、韓流ドラマにハマってしまって
九 怪しげな宗教に夢奪はるる Miido
//統一教会の二世は気の毒ですね  これも韓流繋がり・・・
10  今日の風呂敷持たず盗人 ドスン    
//唐草模様の荷担いだドロボーさんはどこかユーモラス
11 駅ビルの窓に弦月果ての街 段々耕作
//流れ流れて最果ての街に
12  査定の家に葛のうら風 チリ葛のうら風 チリ
//自己責任の社会なれど裏も表もある世界、ひょっとして良い巡り合わせが。

名残裏
一 夜なべしてゼッケン前後つける母 Arata
//もうすぐ体育の日、前後にゼッケンを~昼間は勤めで忙しい。
二  無くてて七癖ゆびをぽきぽき 8マン
//ほとんど墨のないことですが
三 カナリアがひがな真似するアルペジオ 敦煌
//ご主人のピアノ練習を覚えてなんとうるさいこと
四  春の曙街を染めゆく 田織
//パステルカラーのイメージです。
五 養花天どこかに潜むぬらりひょん Jo
六  エンジン掛ける若き耕人 Miido








新しい歌仙三回目を始めます。 「ちちろ虫」

2022-09-28 11:42:20 | 連句でコミュ力 UP
前回・前々回のの反省点に注意して始めたいと思います。

連句は前へ前へが基本です。句を送る前に先ずは点検、同じ文字・同じ意味や場景の句・「とても良い出来とお思いでしょうが五句くらい前」もう一度点検して下さい。先ずはこの辺りから。

何処かの書評に「長年連れ添った夫婦」は恋か? と
今回、恋句は句の意味が恋の場合は恋句に、例え愛・女という文字があっても恋でないのは恋句でなくしましょう。
待っている切なさや、目移りに妬く心、別れの辛さなどを恋句としたい。思いました。
「女」は恋か? メルケルさんやマザー・テレサは?
女であれば恋と云うことはない。

打越、前句、付句三者間での句の変化を重視しましょう。付句は打越と同想にならず新しい境地で。付句の発想を前回同様//の印を付けて書いて下さい。
そこから対話が生まれるかも・・・

作られたものは基本直しません。後日例会の折にまとめて反省会をします。
主催者の認識世界が狭く、他人様の生きている世界をああのこうの言うのはおこがましい。
主催者の人生観ですからご勘弁を
また、連句から去った人は「そこまで直すなら自分で全部すれば良い」とか。

先ずは、作られた句の意味を重視したいと思います。
たとえ式目に触っても作られた人の気持ちを重視したいし、全体の流れに重きを置きたい。

理想ばかりを書きましたが、さてどうなりますやら。

連句は座の文芸で、人と人とが会って話をするところが面白い、人は皆孤独で寂しい生き物だとか。
今の人との距離が離れた世にインターネットで人間関係を築く、作品としては不出来でも楽しんだら良いのではないか。
気楽に行きましょう。



富山県いなみ市へ 瑞泉寺・散居村展望

2022-09-17 16:16:42 | 
 国民文化祭の連句の部で行ってきました。本番前日の吟行会・バスツアーに参加しました。実行メンバーの方には大変お世話になりました。お礼をしないままお別れとなりました。何れまた何処かの地で・・・

瑞泉寺
真宗大谷派井波別院瑞泉寺、見事な彫刻がありました。門前町の商店を飾る彫刻も見物だとか、これは次の機会に。













散居村
稲の黄色が夕陽に・・・家々とその木々がシルエットになって良い時期に来た。残念曇っている。



金沢から「あいの風とやま鉄道」で参りました。途中ご存じ倶利伽羅峠


高岡駅、列車の出入りを見ているとまた旅にと思います。




富山県 吉久と伏木の旅

2022-09-13 15:07:44 | 
吉久伝統的建造物群保存地区

高岡駅からハイカラなトラムに乗ってのんびりと。
「ドラえもん」で飾られた車内。懐かしいような電車もあります。
  


放生津と言う米の集積港町で発展した。家屋の作りは真壁造り屋根は切妻で北陸の町屋でよく見られる垂れ壁は防火用か?北陸はフェーン現象の大火が多いらしいから。

越前から越中は平入りの作りが多い。
高岡から金沢への列車で見る町並みの町屋は棟が短く奥行きの長い特徴的な建て方をしている。三重県関宿の町屋と似ている。


表通りの建物の奥に米蔵があるらしい。時間が早かったため人通りもなく静かな街だった。


高岡の商店街は雪国でしょうか、雁木の名残でしょうか


伏木の街
港町ですね、坂の町でした。
氷見線はディーゼルカーキハ80?、如何にも働いているという懐かしい感じの車両でした。
高岡市万葉歴史館  案内所のお勧め通りタクシーで行きました。歩いてたら大変だった。
千数百年前の歴史ですから・・・・家持さんも。
一通り万葉集の知識があれば興味深いところかも。

下り坂をボチボチとお寺と国府跡のお宮をまわった。
  

この町の案内チラシはあちらこちらに置いていて充実している。が、実際自分の脚で回って作ったのか疑問だ。坂の多い町だけに大きな案内板だけで無く、小さな案内板を要所に掲示し矢印で*mとかの工夫が欲しかった。
お寺は入り口が分からなくて大回りしてしまった。

高岡市伏木北前船資料館(秋元家住宅)

元気の良いお姉さんの「高岡弁」の熱い案内語りで手作り感溢れる掲示物と使われていた本物。
この旅一番の思い出になりました。

端正な座敷飾り


望楼 船の入港を見る半畳位の部屋


望楼から小矢部川の川口(港の場所辺り)

望楼への階段

土蔵は引き札や北前船の絵馬、使われていた調度品の展示場。


雨晴海岸、立山連峰が海霧で見えず。氷見線の時間はたっぷり波を見ながらの良い時間でした。



「ハニー句会」 2022年九月例会

2022-09-03 15:58:51 | お仲間たちと
上甲彰
石たたき殿あのやふになさいませ
おのずから爆ぜるちからを鳳仙花
キリギリスさん楽しかったこと話してよ

長井知則
コスモスを空に回して恋しがる
とうきびの髭を付けても爺なれず
重信の水澄む岸やコサギ群れ

玉乃井 永*
葛の花老婆の畠を奪い取り
秋暑し愚図る赤子にユーチューブ
車中泊BGMは虫時雨

八木健
貧貧と吾を急き立て(せきたて)蜩は  
平仮名のときさんづけにする秋刀魚
星屑は飛沫(しぶき)にあらむ天の川 

吉川正紀子
引越しの空き家に残る秋簾
図太さやドカリと座る枇杷の種
何処にいるのか隠れ上手の秋の蚊は

新井文子
ステテコのほつれ繕う秋麗ら(うらら)
コスモスのゆらゆら揺れてシャツを干す
懐メロの歌に誘われ月見酒

二神重則
ソソラ空昔江戸町駅西日
山里や夕焼け小焼け隅々に
黄昏れて蜩奥で陰を呼ぶ

向田将央
友の眠る園に白梅乱れ咲き
冬近し拍手の先のライバルよ
鼻唄といも焚き会へペダル踏む

10月15日の愛媛新聞に掲載されました。