八木健
握る手に汗なのに手に汗握るとは
蚊帳吊つて仰向けに寝る一家族
レイコーは名前にあらずアイスコーヒー
新井文子
父の日や墓石に煙る缶ピース
夕虹や鍋吹きこぼれ夫が呼ぶ
青梅や頬張るアメは酸っぱ味
玉乃井永
鎖場を駆ける信徒や山開き
砂風呂の圧にミイラ化汗にじむ
砂日傘空き巣の如く波迫る
二神重則
軒の護符揺らすマジ風もう三月
夕空にそれかとぞ見る時鳥
ゆらゆらと小さき庭に夏来たり
長井知則
点滴の義母目細める梅雨晴れ間
ひ孫泣く義母の葬儀の梅雨寒し
初七日の祭壇に射す梅雨薄日
門屋定
木を蹴って何処に落ちるか天牛よ(カミキリ)
青紫蘇も野菜ジュースに色も良く
桑の実を知らない孫も歌で知る
吉川正紀子
梅雨の空降らせることに飽きもせず
田蛙は忍者のごとく現れる
口を開け金魚も欠伸することも
握る手に汗なのに手に汗握るとは
蚊帳吊つて仰向けに寝る一家族
レイコーは名前にあらずアイスコーヒー
新井文子
父の日や墓石に煙る缶ピース
夕虹や鍋吹きこぼれ夫が呼ぶ
青梅や頬張るアメは酸っぱ味
玉乃井永
鎖場を駆ける信徒や山開き
砂風呂の圧にミイラ化汗にじむ
砂日傘空き巣の如く波迫る
二神重則
軒の護符揺らすマジ風もう三月
夕空にそれかとぞ見る時鳥
ゆらゆらと小さき庭に夏来たり
長井知則
点滴の義母目細める梅雨晴れ間
ひ孫泣く義母の葬儀の梅雨寒し
初七日の祭壇に射す梅雨薄日
門屋定
木を蹴って何処に落ちるか天牛よ(カミキリ)
青紫蘇も野菜ジュースに色も良く
桑の実を知らない孫も歌で知る
吉川正紀子
梅雨の空降らせることに飽きもせず
田蛙は忍者のごとく現れる
口を開け金魚も欠伸することも