旅が好き・そして日々の時間で気の付く事を。

旅では人々の生きた来た跡を訪ねてみたい。
時間が出来たので、今までにしなかった事に手を出してみようと思う。

「ハニー句会」8月例会

2020-08-27 18:33:19 | お仲間たちと
 7月末から入院になり掲載が遅くなりました。今回は8月1日に開催し、長井さんに仕切りをお願いしました。


吉川正紀子
 川底に料理のずらり鴨の風
 塩飴を舐めたか蝉のしゃかれ声
 西瓜切るまな板狭しはみだしぬ

玉乃井永
 頭キーン突如ハイドのかき氷
 よさこいの鳴子の熱波うねり来る
 御来光龍群れ遊ぶ神の庭

向田将央
 初めてのバスは冒険夏休み
 この場所は誰にも譲らん蝉の声
 ハーレーと呼ぶがマイピア涼し顔

上甲彰
 送り火やライターマッチが見つからず
 おばんざいこれが京都のナスどすえ
 何の日か知らぬ祝日スイカ切る

長井知則
 掌で踊って見せる鳳仙花 
 新涼を思い出すから寝苦しく
 大角豆ささげ剥く小豆の姉と孫に云ふ

二神重則
 梅雨の町手すりに惑う今日の老い
 梅雨滴ぽつりぽつりと語りたり
 つづら折れ雲の切れ間の西瓜売り

八木健
 香水の空き瓶を嗅ぎ母の留守
 砥部焼の風鈴を吊るせば硬い音
 どこまでもプラス志向や雲の峰

それぞれの正義 連句しながら感じた事

2020-08-22 13:26:11 | 日記
 アメリカの大統領選挙の報道が盛んになってきました。他の国の事ながらアメリカは憎しみで分断された今でなく、私どもが若い頃憧れた他の国の見本になるような民主主義の国に戻って欲しいと思います。
一方日本は最近世間が狭くなり住み難くくなっていて。50年も前の誰もが貧乏だった時代が優しかったかと聞きますが、あの頃はあの頃で悲惨であったと子供ながらに見知っています。


 ここ3年くらい連句を始めています。数人で575の句を作ると次の人が前の句の世界を想像し77と付けて行き、次の次の人が再び575と付けて、それをいくつか続けてゆく遊びです。中世は俳諧と言って人の集まるところではよく行われていたらしい。それを文芸化したのが芭蕉や蕪村・一茶といった人達です。様々な取り決めや縛りがありますが基本的には句を重ねるごとに新しい世界を想像・創造することです。

 前の句をどの様に想像するかは人様々で、作られた句はその人らしさが出ます。それを尊重しその次の人は前の人の句からその場や人を想像し新しい句に仕上げます。俳諧(連句)の場では参加している人達の人となりを知る機会になり、自分を知ってもらう機会になります。
参加している人達は前の人の句を想像し付けてゆき「その様に見ましたか」とか「如何にも貴方らしいとか」と商売仲間だったりご近所だったり、それぞれの人となりを知る事により信頼を深めていたのでしょう。また新しい仲間との信頼・知るための手段だったのかもと思います。

 人の距離が遠くなった現在、人との関係を築くのが難しい人が多くなりました。前の人の考えを想像して作る連句はこの難しいバラバラの社会を少し距離を短くしてゆけるのかもと想像しています。
人はそれぞれ様々な理由で違っています。だから想像するものも違います。互いがそれを知り尊重し合うことが基本かと思います。

言い換えれば人それぞれにそれぞれの正義を持っている事を知る。本邦に1億あまりの正義があり、世界には40億あまり、それよりも自分が知らない世界はもっと広いと。思っています。

7月末入院に持って行った本5冊

2020-08-06 13:46:06 | 日記
 1週間から2週間の入院と言うことで時間がたっぷりと出来たと思い、俳句と湊や街道に興味を持ったところでもあり「遊女・豊田屋歌川・北前船で栄えた三国湊の女流俳人」と以前からの旅の友「新古今和歌集」、丁度娘から「デフ・ヴォイス(丸山正樹)」「龍の耳を君に(丸山正樹)」「アウシュビッツのタトウ-係」が送られてきました。


 入院生活でゆっくり出来たのは入院日と退院までの数日間。手術当日と翌日はとても。結局1週間の入院生活でした。

 「遊女・豊田屋歌川」は 梅が香やその一筋の道ゆかし などしっとりとした句を作った人で興味がありました。また船の往来と湊町になにか心に誘うものがあります。本は、主に北国福井県の湊町三国と北前船の紹介がメインで、歌川の紹介と言ったところ。歌川なかなか素敵な句がありました。吉原高尾太夫や浪速の狂歌の遊女などもう少し知りたく思いました。

 数年前まで障害者就労の現場で働いていました。県の事業体との共同で難聴児の訓練器の開発をしたことがあります。その折りに耳が聞こえない人達のことを知る機会になりました。様々な手話の事や、口の動きで判断し発音訓練をする、などを聞き及びました。視聴覚センターで見た資料よりも「デフ・ヴォイス」「龍の耳を君に」は、実際にあることのように聴覚障害者の環境が分かりやすい。
病棟の看護師さんがこの本に興味を持たれているようでした。読みやすい本ですと伝えました。

 「アウシュビッツのタトウ-係」はあまり考えなくても読める。技術は助けになるとか人を助けることとか、この手のナチスKZ・強制収容所関係本では「朗読者」が良かった、図書係も読んでみたいかな。灰の記憶は映画かな。テレビでもずっとこの手のナチスのドキュメントが続いている。チョイと目を移し、いま一方的に痛めつけられているパレスチナの100年後の物語が知りたい。「奢れるものは久しからず」諸行無常。見られないのは残念。