今日は、なぜか倉敷から更新です。
高松を出発した後の目的地をちゃんと決めていませんでした。とりあえず「うどんを食べてから高知にでも行こうか」ということに決めて、いざ出発。
まず、おとといも朝食のうどんを食べた某製麺所に行きました。今度はかき揚を乗せてみたのですが、おとといのたこの天ぷらの方がおいしかったです。
途中、画像にある「満濃池」に寄りました。ここは、弘法大師のひらいた「ため池」です。
讃岐平野に、ため池!
ついに来た、入試に出そうな観光地、という感じですね。4日前の高野山の母子連れ(with覇気のない親父)が頭に浮かんでしまいしました。
しかし、眺め自体も素晴らしかったです。周囲は国営のレジャー施設になっているのですが(小泉改革も、こういうものをまず地方に移管しろ、と言いたい)、子供の遊ぶ施設もたくさんあって、親子連れも楽しめそうでした。特に、トランポリンのような遊具はえらくたのしそうでした。さすがに、私一人で遊んでいると「通報」されかねないので、試すのはやめておきましたが・・・。
その後、徳島県境にある超有名うどん店(実際は「米穀店」だが)へ向かいました。山の中の国道がほんの少しだけ市街地になっている場所があり、そこに突如行列が出現するのです。メニューはうどん1種類、しかも、温かい「だし」(いわゆる「つゆ」のこと)はかかっていません。
しかし、これが本当においしい。葉唐辛子の漬物とねぎを乗せて、しょうゆをかけるだけなのですが、それだけでもおいしい。うどん自体のおいしさがあるからでしょうね。
店内はただでさえ込み合っているのに、「おかわり」が許されているので(私もしました)、滞留客も少なくないのです。それはもう、ラッシュアワーの新宿駅の地下のようです。しかし、休みに観光で来ている人も多いからか、雰囲気はとても和やかでした。
吉野川沿いに池田町(甲子園に優勝した「池田高校」の地元)まで出て、休憩中に、どうしても諦めきれないことが頭をよぎり、進路を愛媛県に変更することにしました。
それは、愛媛県今治市(タオル作りで有名)の「焼き鳥」です。
どうやら、今治の焼き鳥、特に鳥の皮は、鉄板で焼く独特のものだというのです。それをどうしても食べてみたくなり、無理を覚悟で今治へ向かいました。
今治の町に着いたのは4時前でした。ついでなので、町の中をぶらぶらすることにします。中心街などを眺めて、東京と何が違うのか、観察するのが好きです。
県庁所在地の高松では感じなかったことですが、今治のアーケードはシャッターの閉まったままの店舗がかなり多いのです。もういい加減「お盆」と言って済まされる時期ではないと思うのですが・・・。
これが、いわゆる、地方都市の「シャッター商店街」です。これは、車社会の進展とそれに伴うロードサイド型の大型量販店の拡大によるところが大きいといわれています。世の中の変化だから、仕方ない面もありますよ、と。
しかし、実際に「現場」で見てみると、そんな生易しいものではないという風に思えます。なんといっても、活気が全然ない。開いている店でも買い物をしている人が本当に少ない。さびしいを通り越して、無気味になります。ここでギャング集団みたいなのに襲われたら、誰か助けに来てくれるのかと思うほど・・・というのはいくらなんでもオーバーでしょうが、界隈によっては本当にそんな感じなのです。
郊外のジャスコにだけ車と人が馬鹿みたいに集まる、そんなのが健全な都市の姿でしょうか。大いに疑問です。
五時になったので、「世渡」(せと)という焼き鳥屋さんに開店と同時にうかがい、上で触れた「皮焼き」などをいただきました。いや、これ、本当に知らない人は損をしています。鉄板でカリッとするまで焼いた親鳥の皮に、少し甘めのタレを絡める。香ばしくて最高です。
店主に「東京でもはやりますかね」(関西弁が強くて聞き取りづらかく、2回も聞きなおしてしまいました。ご主人、すみません)ときかれたので、「そりゃもう」とだけ答えました。ご主人も喜んでいたようです。
まだ五時だというのに、店内はお客さんが私以外に5人、そのあと予約の電話が続けて入ってきました。繁盛しているようです。
それを見て、私は強く思いました。
シャッター商店街が生まれるのは、出来もしないのに「東京の真似」をしようとしているからなのではないか。
今治の焼き鳥は、一人当たりの消費量全国1位だそうです。焼き鳥屋の件数が多く、競争が激しいからでしょう。今日うかがった「世渡」は相当人気のお店らしいですが、ほかにもそういう店がたくさんあるに違いありません。
今治にも、タオル以外にちゃんと全国で通用するものがあるのです。
これからの地方都市は、田舎らしい個性を売りにしていくべきです。中央省庁から予算を取ってきて、とにかく建物を作ればいい(たとえば、高松駅前のシンボルタワー)というのは、もう終わりにしないとだめです。でかい建物を作って人を呼ぶ、というのは、「恵比寿ガーデンプレイス」や「六本木ヒルズ」の発想です。人口が多い東京のような地域ではそれで何とかなっても、同じことを高松や今治でやっても、どうせ赤字になるに決まっています。
それならば、売り物を絞って生き残りを図ったらどうか。高松の「讃岐うどん」や今治の「焼き鳥」のようなものが、程度の差こそあれ、どこの町にもあるはずです。
シャッター商店街はそういう個性的な売り物を売るために使えばいいですし、そうでなければその町で働きたいという若者のために安く住める住宅にでもすべきです。
そんなこともやらずに、大型店の出店を呪い、頼みの綱は政治家先生と公共事業、そんな町は滅んでもいいのではないでしょうか。「一村一品運動」の平松元大分県知事のような人が、どこの県にもいればいいのですが・・・。
その後、「瀬戸内しまなみ海道」を通ってきました。瀬戸大橋のような一本の橋でなく、島と島を飛び石のようにつないだ本州四国連絡橋です。
行って初めてわかったのですが、しまなみ海道は一本につながっていないんですね。来島海峡大橋、大三島大橋(ややこしい名前です)や因島大橋などが、まだ接続されていない状態なのです。とりあえず島と島の間をつなぐ部分だけ完成させておくか・・・という感じだったのでしょう。
しかし、これ、使う側にはえらい迷惑です。乗ったり降りたりするたびに料金がかかるので、結局3回分、3600円かかってしまいました。まさか、つながったあともこれ以上の高い料金が・・・明石海峡も垂水-鳴門北という一番短い区間で4000円ですから、そんな感じになりそうですね。
どうせ公共事業にお金をかけるなら、こういう利便性の高いところにお金をかけてほしいと本当に思いました。
それでは、今日はこの辺で失礼します。
高松を出発した後の目的地をちゃんと決めていませんでした。とりあえず「うどんを食べてから高知にでも行こうか」ということに決めて、いざ出発。
まず、おとといも朝食のうどんを食べた某製麺所に行きました。今度はかき揚を乗せてみたのですが、おとといのたこの天ぷらの方がおいしかったです。
途中、画像にある「満濃池」に寄りました。ここは、弘法大師のひらいた「ため池」です。
讃岐平野に、ため池!
ついに来た、入試に出そうな観光地、という感じですね。4日前の高野山の母子連れ(with覇気のない親父)が頭に浮かんでしまいしました。
しかし、眺め自体も素晴らしかったです。周囲は国営のレジャー施設になっているのですが(小泉改革も、こういうものをまず地方に移管しろ、と言いたい)、子供の遊ぶ施設もたくさんあって、親子連れも楽しめそうでした。特に、トランポリンのような遊具はえらくたのしそうでした。さすがに、私一人で遊んでいると「通報」されかねないので、試すのはやめておきましたが・・・。
その後、徳島県境にある超有名うどん店(実際は「米穀店」だが)へ向かいました。山の中の国道がほんの少しだけ市街地になっている場所があり、そこに突如行列が出現するのです。メニューはうどん1種類、しかも、温かい「だし」(いわゆる「つゆ」のこと)はかかっていません。
しかし、これが本当においしい。葉唐辛子の漬物とねぎを乗せて、しょうゆをかけるだけなのですが、それだけでもおいしい。うどん自体のおいしさがあるからでしょうね。
店内はただでさえ込み合っているのに、「おかわり」が許されているので(私もしました)、滞留客も少なくないのです。それはもう、ラッシュアワーの新宿駅の地下のようです。しかし、休みに観光で来ている人も多いからか、雰囲気はとても和やかでした。
吉野川沿いに池田町(甲子園に優勝した「池田高校」の地元)まで出て、休憩中に、どうしても諦めきれないことが頭をよぎり、進路を愛媛県に変更することにしました。
それは、愛媛県今治市(タオル作りで有名)の「焼き鳥」です。
どうやら、今治の焼き鳥、特に鳥の皮は、鉄板で焼く独特のものだというのです。それをどうしても食べてみたくなり、無理を覚悟で今治へ向かいました。
今治の町に着いたのは4時前でした。ついでなので、町の中をぶらぶらすることにします。中心街などを眺めて、東京と何が違うのか、観察するのが好きです。
県庁所在地の高松では感じなかったことですが、今治のアーケードはシャッターの閉まったままの店舗がかなり多いのです。もういい加減「お盆」と言って済まされる時期ではないと思うのですが・・・。
これが、いわゆる、地方都市の「シャッター商店街」です。これは、車社会の進展とそれに伴うロードサイド型の大型量販店の拡大によるところが大きいといわれています。世の中の変化だから、仕方ない面もありますよ、と。
しかし、実際に「現場」で見てみると、そんな生易しいものではないという風に思えます。なんといっても、活気が全然ない。開いている店でも買い物をしている人が本当に少ない。さびしいを通り越して、無気味になります。ここでギャング集団みたいなのに襲われたら、誰か助けに来てくれるのかと思うほど・・・というのはいくらなんでもオーバーでしょうが、界隈によっては本当にそんな感じなのです。
郊外のジャスコにだけ車と人が馬鹿みたいに集まる、そんなのが健全な都市の姿でしょうか。大いに疑問です。
五時になったので、「世渡」(せと)という焼き鳥屋さんに開店と同時にうかがい、上で触れた「皮焼き」などをいただきました。いや、これ、本当に知らない人は損をしています。鉄板でカリッとするまで焼いた親鳥の皮に、少し甘めのタレを絡める。香ばしくて最高です。
店主に「東京でもはやりますかね」(関西弁が強くて聞き取りづらかく、2回も聞きなおしてしまいました。ご主人、すみません)ときかれたので、「そりゃもう」とだけ答えました。ご主人も喜んでいたようです。
まだ五時だというのに、店内はお客さんが私以外に5人、そのあと予約の電話が続けて入ってきました。繁盛しているようです。
それを見て、私は強く思いました。
シャッター商店街が生まれるのは、出来もしないのに「東京の真似」をしようとしているからなのではないか。
今治の焼き鳥は、一人当たりの消費量全国1位だそうです。焼き鳥屋の件数が多く、競争が激しいからでしょう。今日うかがった「世渡」は相当人気のお店らしいですが、ほかにもそういう店がたくさんあるに違いありません。
今治にも、タオル以外にちゃんと全国で通用するものがあるのです。
これからの地方都市は、田舎らしい個性を売りにしていくべきです。中央省庁から予算を取ってきて、とにかく建物を作ればいい(たとえば、高松駅前のシンボルタワー)というのは、もう終わりにしないとだめです。でかい建物を作って人を呼ぶ、というのは、「恵比寿ガーデンプレイス」や「六本木ヒルズ」の発想です。人口が多い東京のような地域ではそれで何とかなっても、同じことを高松や今治でやっても、どうせ赤字になるに決まっています。
それならば、売り物を絞って生き残りを図ったらどうか。高松の「讃岐うどん」や今治の「焼き鳥」のようなものが、程度の差こそあれ、どこの町にもあるはずです。
シャッター商店街はそういう個性的な売り物を売るために使えばいいですし、そうでなければその町で働きたいという若者のために安く住める住宅にでもすべきです。
そんなこともやらずに、大型店の出店を呪い、頼みの綱は政治家先生と公共事業、そんな町は滅んでもいいのではないでしょうか。「一村一品運動」の平松元大分県知事のような人が、どこの県にもいればいいのですが・・・。
その後、「瀬戸内しまなみ海道」を通ってきました。瀬戸大橋のような一本の橋でなく、島と島を飛び石のようにつないだ本州四国連絡橋です。
行って初めてわかったのですが、しまなみ海道は一本につながっていないんですね。来島海峡大橋、大三島大橋(ややこしい名前です)や因島大橋などが、まだ接続されていない状態なのです。とりあえず島と島の間をつなぐ部分だけ完成させておくか・・・という感じだったのでしょう。
しかし、これ、使う側にはえらい迷惑です。乗ったり降りたりするたびに料金がかかるので、結局3回分、3600円かかってしまいました。まさか、つながったあともこれ以上の高い料金が・・・明石海峡も垂水-鳴門北という一番短い区間で4000円ですから、そんな感じになりそうですね。
どうせ公共事業にお金をかけるなら、こういう利便性の高いところにお金をかけてほしいと本当に思いました。
それでは、今日はこの辺で失礼します。
大型施設って便利かもしれないけど、わくわくするような魅力がないんですよね。
大型施設=東京というイメージがあるかもしれませんが、ろろさんも書いていらっしゃるように関東一円が商圏だから出来ることだし、実際に東京に住んでいる人は電車ででかけて街をぶらぶら歩くというのが好きな気がします。
私も全国の商店街復活を切に望んでいます。