笑うかどには福きたる

日常生活で見たこと、聞いたこと、感じたことを牧歌的にのんびりと書いています。

個人も企業も立ち位置は同じなんだろうな

2012年11月03日 19時05分20秒 | 日々雑記
今日の朝日の社説を読んでいて、最近の「キャリア形成」系の本に書かれていることと恐ろしいくらい似ている、と感じたので備忘録も兼ねてちょっと書いておく。

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朝日新聞 2012年11月3日(土)社説
「家電の苦境―テレビ神話の克服を」

大企業のトップが自社を「負け組」と公言するのは、めったにあることではない。
 パナソニックが2年連続で7500億円を超す巨額赤字に陥る見通しになった。津賀一宏社長は記者会見で「当社は普通ではない。これを自覚するところからスタートしなければならない」と語った。
 シャープも来年3月期の赤字見通しを4500億円に下方修正した。ソニーも家電部門がなかなか黒字化しない。
 いずれも、主力としてきた薄型テレビの不振に加え、リチウムイオン電池や太陽光パネルなど、次代を託そうとする事業が苦しんでいる。
 巻き返しの道は多難だ。何より、テレビに代わる経営の柱が見えない。医療や環境・省エネなど有望な分野はあるが、テレビ事業のような広がりはすぐには期待できない。
 品質が良ければ売れるという神話が崩れ、企業側は「何が売れるのか分からない」という自己喪失に陥っているようだ。

 自らの強みをどう生かしていくべきか。

 産業向けの重電が主体の日立製作所は、鉄道車両などインフラ分野に軸足を移して立ち直った。家電の枠内では差をつけにくいが、学ぶべき点は多い。
 技術の「自前主義」も乗り越えなければならない。これは今までの経営モデルを根底から見直すことを迫る。
 日本メーカーは、購買意欲が高く、製品の質にこだわる豊かな国内市場に支えられ、事業を拡大してきた。だが、日本市場が成熟し、競争がグローバル化するなか、最初から世界に照準を合わせないと勝ち残れない時代になった。
 世界的な視野で技術と市場をとらえ直し、必要なら世界中から技術を買う。自前技術も積極的に外に出す。そんな模索の中から、売れる商品を見抜く感覚を鍛え、製品開発と販売の新たなモデルを築いていかなければならない。
 同時に、日本市場を人口減少の流れにまかせず、イノベーションを生み出すゆりかごへ、再構築する必要がある。
 たとえば、福祉・介護や電力・エネルギー部門などで規制を大胆に見直せば、新しい事業分野が開けてくるはずだ。
 考えてみれば、パナソニックやソニーの決算がいまだに大きな注目を浴びるのは、新たな企業が育ちにくいことの裏返しだともいえる。
 民間の奮起は当然だが、政治も市場の構造転換や起業への後押しに力を入れるべきだ。
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私が個人のキャリア形成と重なるな、と感じた「キーワード」は、以下の2つ。
(1)「自らの強みをどう生かしていくべきか」
(2)「最初から世界に照準を合わせないと勝ち残れない時代になった」

(1)社会で仕事を続けるのしても、家庭に入り家事に専念するにしても、自分の強み(長所・エッヘンな部分)を自分なりに意識することや、伸ばす努力、使う努力は大切で、そんな積み重ねが「自分の居場所」に繋がるものなのだと思っている。そうして得た「居場所」はその人にとっての安定や自信、前向きな強さを与えてくれるに違いない。
同じように企業には個性や特徴があって、それらが製品に繋がっていて、それぞれが自社の強みで棲み分けをしている。それが企業の「居場所」と言えなくないか。
もし、自分の「居場所」が揺らいでいるのなら、「居場所」に繋がる自分の強みは何なのか、一度落ち着いて考えてみる(キャリアの棚おろしの)必要があるのかもしれない。

(2)マンUに入った香川選手はサッカーを始めたときから「世界照準」頭だったに違いない。海外のトップチームで活躍すること。これが彼の選手としてのゴールで、プロの選手になるのはほんの通過点だったに過ぎない。
香川選手風に言えば、企業の「良い製品を作ること」は通過点に過ぎなくて、ワールドワイドで「欲しい!」と思ってもらえるモノ作りがこの「世界照準」に当たるのかもしれない。
南部鉄器も、鯖江のメガネも国内外なんか意識していないしね。でもきちんとジャパンブランドだ。

随分前のテレビ討論番組で、「国際化は自分からそうしていくもの。グローバル化は向こうから押し寄せて、飲み込まれる感じ」と言っていたのを聞いて、うまいことを言うな~、と思ったのだが、現実問題としてグローバル化が避けられないのなら「飲み込まれる」より自分から「国際化」を図っていったほうがどれだけ健康的か、と私などは感じる。
仕事も生活も「飲み込まれる」前に「自分からそうなっていく心積もりと努力」があれば、勝ち残れないまでも生き残ることはできるんじゃないか、と思っている。脳天気過ぎるだろうか?(^_^;)

企業の生き残り戦略って、個人の生き残り戦略の参考になる。
みんな、生き残ろうぜ!
コメント
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