蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

ベランダから  (bon)

2023-03-17 | 日々雑感、散策、旅行

      サムライたちは、いよいよマイアミに拠点を移して準決勝に臨みます。楽しみは続きます。

 

 ここ数年、脚の痺れもあって、ベランダの花たちには水遣り程度で殆どお世話
をせずにいますが、自然は季節になると律義に花を付けてきます。
 取り立てるほどのことでもありませんが、それぞれの花にまつわるエピソード
がありましたので、添えてみました。

 陽光桜は、このベランダで小さな鉢植えで何年も頑張っています。ソメイヨ
シノよりも開花が早いですが、今年は競い合っている感じでもあります。
 今年もそれなりに花を付け、さざんかの花が終わって色味のないベランダも
明るくなりました。
 (以下のベランダでの写真は、すべて3/16にパチリとしたものです。)

  陽光桜
  

 

 陽光桜は、陽光(ヨウコウ)ともいい、学名は Cerasus ‘Yoko’ で、愛媛県
の高岡正明氏が、アマギヨシノとカンヒザクラを交雑させて作出した品種で、
1981年に登録された桜なんですね。次のようなエピソードがありました。

 『高岡正明は第二次世界大戦中1940年に、地元の青年学校農業科教員であっ
たが、教え子たちを戦地へと送り出し「わしが死なせた」と、自責の念に駆られ、
教え子たちの慰霊のため、平和を願い、彼らが命を落とした亜熱帯のジャワや
極寒のシベリアと、どんな気候の土地でも花を咲かせる新種の桜の開発に一生を
捧げる決意をし、25年の試行錯誤の後に誕生させた』というのです。

 このことは、歌になり映画にもなっているのですね。2015年には、笹野高史
主演で、高岡正明がヨウコウを誕生させる物語を描いた映画「陽光桜-YOKO
THE CHERRY BLOSSOM-」が公開されたとありました。
 こんな物語を思いながら今年も間近かで眺めてみました。

 

ヒヤシンス(風信子、飛信子)は、学名をHyacinthus orientalisといい、キジ
カクシ科ツルボ亜科ヒヤシンス属の球根性多年草です。水栽培などでよく知ら
れています。

 普通、ヒヤシンスといえば、花がむっくりとまとまって一つの房のように咲
きますが、ベランダのプランターの隅に、いつ植えたのか忘れていましたら、
今年もひょこッと出てきて、さて、これは何の花かと思ってよく見れば、何と、
ヒヤシンスではないか・・そんな感じで もうすっかり忘れていたのです。
水栽培などで見るのとはかなり違った感じですね。

     ベランダのヒヤシンス
       

 

 このヒヤシンス、オスマン帝国で栽培され園芸化されたとあります。スルタ
ンムラト3世という人が1538年に山地から5万本のヒヤシンスをイスタンブールに
集めさせたのだそうです。これが、16世紀にイタリアで栽培され、イギリスに
伝来して18世紀には盛んに育種が行われ数百の品種が作られたそうですが、その
後オランダで改良された2000以上の栽培品種が現代に繋がっているのだそうです。 
すごい歴史が残っているのですね。

 その昔、ギリシャ神話に『アポロンとヒュアキントス』というお話があるの
を想い出しました。話しの中身はすっかり忘れてしまっていましたが、題名だけ
は覚えていました。

 このヒュアキントスが、ヒヤシンスの名前の由来なんだそうです。ウイキペ
ディアからお話の一部を要約しますと・・『美青年ヒュアキントスは、年上の
医学の神アポロンに愛されていて、一緒に円盤投げに興じていました。 その
光景を見た西風の神ゼピュロスは、彼もヒュアキントスを愛していてやきもち
を焼いて意地悪な風を起こし、アポロンが投げた円盤は、その風のために軌道
が変わってヒュアキントスの額に直撃しました。医学の神アポロンは懸命に治療
しますが甲斐なくヒュアキントスは大量の血を流し死んでしまいます。
 この時大量に流れた血から生まれたのがヒヤシンスだとあります。花言葉は、
悲しみを超えた愛 だそうです。』(古代ギリシャでは、同性愛は普通に行われ、
むしろ美徳とさえ思われていたそうです。) アポロンとヒュアキントスの悲恋
物語から生まれたヒヤシンスは、もともと真っ赤な色だったのでしょうね。
日本には、1863年に渡来したそうです。

       真っ赤なヒヤシンス
       (花の大和写真より)
        

 ムスカリは、学名 Muscariで、ツルボ亜科ムスカリ属の植物の総称です。
その名の由来はギリシャ語の moschos(ムスク)で、麝香(じゃこう)を意味
するとあります。花は一見するとブドウの実のように見えることから、ブドウ
ヒアシンス
の別名もあるそうです。

 原産地は南西アジアまたは地中海沿岸地方で、地中海沿岸が分布の中心とあ
ります。日本には、1980年ごろから市場に出回るとありますから、比較的最近
見られるようになったのですね。

    ムスカリ
  

 このムスカリの花言葉は、日本では「寛大な愛」「明るい未来」「通じ合う心」
など良い意味の言葉ですが、海外では「絶望」「失意」「悲嘆」「憂鬱」など
とネガティブな正反対の意味であるようです。

 ヨーロッパではもともと青い花は悲しみの象徴とされることが多いとあります
が、約6万年前のネアンデルタール人が埋葬されていた遺跡にムスカリの花が
供えられていたことから、ムスカリは世界最古の埋葬花として知られているの
だそうです。この花に悲しみを癒す願いを込めたのではないかと言われている
とか。
 エピソードではないですが、花言葉から、いろいろな意味が考えられていま
した。

 悲しみを超え、失意から立ち直るという意味をこめて、ムスカリには「夢に
かける思い」「明るい未来」という花言葉がつけられたと言われています。ム
スカリの持つ癒しの力で、悲しみを乗り越えて進んでいこうということですね。

 また、春のどんな花とも合うムスカリは、この相性の良い存在から「通じ合
う心」という意味がうまれ、家族や恋人にプレゼントする際に使いたい花言葉
でもあります。寄せ植えで使われるムスカリは、決して自己主張することなく、
あくまで他の花の引き立て役となっていて、他の花の主張を受け入れるその姿
から、「寛大な愛」という意味がついたとも・・。ちょっと大げさ?

               

 一つの花にもいろいろな歴史があり、それに込められた思いなどもあるので
しょうね。そして、見方によってもそれぞれの感じ方があるのですね。また、
その花を見た時のその人の感情にも左右され、癒しにも、勇気にもなるのでし
ょう。

 なんだか長々と、書いてしまった感じです。

 

 

川井郁子  愛のあいさつ

 

 

 

コメント (2)
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