普通、血液型は、A、B、O、ABの4つに分類されて輸血などの適合に使われたり、血液型
で性格がどうの・・なんて言ったりすることがあります。適合性では、Rh型がプラス、
マイナスなども用いられたりしています。
以前、血液型は、そんなものじゃなくて、無限に近い数の区分がある・・と聞いたこと
がありましたが、昨日(1/29)の読売新聞朝刊に『白血球、日本人は11類型』(大阪大、
国立遺伝学研究所発表)の記事がありました。
『一般的な血液型(A、B、O、AB型)は、赤血球の表面にある物質の種類によって
四つに分類される。これに対し、免疫細胞である白血球は、表面にあるHLA(ヒト白血
球抗原)という物質に関わる遺伝子の数が、日本人では33個あり、その配列が似たもの
をグループ分けすると大きく11に分類できた。』とあり、さらに、『白血球型によって、
アレルギー疾患や肺がん、肝臓がんといった病気のかかりやすさなどで違いがあり、中に
は心筋梗塞の発症や身長、肥満など、体格にも違いがみられた。』
詳細は、今後の研究に待つことになるわけですが、なるほど、白血球にもその型によっ
て微妙な違いがあることが指摘されていました。
そんなこんなで、改めて血液型について調べてみたくなりましたので、例によってネッ
トを繰ってみました。
血液型は、100年ほど前に発見されていて、ウイキペディアによれば,
『血球の表面または内部にある血液型物質(抗原)の種類によってつける個人の区別で
あり、「ヒトの血清学的体質」、「血液の個人性」、「個人を血清学的に識別する方法」
ともいえる。』とあり、『 抗原は数百種類が知られており、その組み合せによって決ま
る血液型は膨大な数になる。世界を捜しても、一卵性双生児でもない限り自分と完全に
同じ血液型をしている人はいないとすら言われる。』
厳密にいえば、血液型は、無限?に存在するといえそうですが、これ(抗原=ここで
は血液の)と抗体との反応などの特徴によってグルーピングされたものが通常使用されて
いる『血液型』なんですね。 かなり専門的になり難しいですが、この特徴による区分の
仕方によって、お馴染みの「ABO型」のほか、いくつかその分類方法が発表されているの
です。 わずか4種類で世界中の人が分類されるなどというのも不思議ですね。
日本人の、血液型分布は図のように言われています。
日本人の血液型
(ネット画像より)
ウイキペディアから、分類方法をいくつか取り上げてみました。
・ABO式血液型 1900年から1910年ごろにかけて発見された分類法で、最初の血液型分類
である。 赤血球による分類で、A型は、A抗原の遺伝子をもち 血漿にB抗原に対する抗体
を作る、B型はB抗原の遺伝子を持ち 血漿にA抗原に対する抗体を作る、O型は、どちらの
抗原の遺伝子も持たず、血漿にはA、Bどちらに対する抗体も作る、AB型は両方の遺伝子を
持ち、血漿にはA、Bどちらに対する抗体も形成しない。
ABO型それぞれの性質
(ネット画像より)
・Rh式血液型 赤血球膜の抗原による分類法で、1940年ころ発見され、現在40種類ほどの
抗原が発見されているそうです。これらの抗原の中で最も強い特徴を現わすD抗原という
抗原の有無すなわち、Rh+(D抗原陽性)とRh-(D抗原陰性)で表現される。輸血時にこれ
らを適合させないと、血液の凝集、溶血などのショックを起こす可能性がある。
この他、輸血時あるいは輸血後などの副作用や、その後の病気などから、種々の抗原、
抗体が発見され、それらに応じた血液型として分類されていました。 MNSss式、P式、
ルセラン式、ケル式・・など、8種類あり、さらに15の血液型の分類方法がありました。
これらの分類は、おそらく、通常よく起こる症状からではなく、特異的な状況から
発見されて来たのかと想像されます。
また、血液型と人の性格を関連付けていることがありますが、これについては、次の
ようにありました。『 1971年以降、大きな影響力を持った能見正比古、俊賢 親子の血液
型人間学であり、新たな学問であるかのように提唱していたが、正比古の死後、1980年代
には日本の心理学側からこれを否定した。』 で、これって、科学的な根拠は全くない
そうです。
それより、『血液型によって人の性格を判断し、相手を不快や不安な状態にさせる言動
はブラッドタイプ・ハラスメント(通称ブラハラ)と呼ばれ、近年では社会問題として
取り上げられるようになった。』そうですから、気を付けましょう。
上の図で、日本人の血液型は、Aが40%、B20%、O30%、AB10%ですが、世界的には、
Aが40%、B11%、O45%、AB4% だそうで、世界ではO型が多いのですね。
国別の特徴もありました。A型はフランスが50%、ドイツ、日本は40%、B型は、インド
40%、イラン、パキスタンなどが30%で、O型は、ペルー、ブラジルなどはほぼ100%だ
そうです。メキシコで80%、コロンビア60%、アメリカ40%、またAB型は日本、韓国、
イランなどが10%とありました。
ついでに、動物の血液型はどうかと・・見てみましたら、結構面白い分布になってい
ました。(まぁ、どうでもいいことですけど~。)
ネコは、95%がA型、Bは4%、ABが1%、Oは0%だそうです。イヌは、ABO式ではなくDEA
分類とありここでは略します。 ブタは、90%がAで、Oが10%。 ゴリラは、ニシロー
ランドゴリラという種は100%がB型、マウンテンゴリラはAかO型、 ウシ、カメ、クジラ
は100%B型で、魚はすべてA型、カエルはほとんどがAB型なのだそうです。
植物はどうかとみましたら、80%がO型だそうで、あとはAB型で A、Bは非常に少ないと
ありました。カエデは、赤く紅葉するのはO型で、黄色くなるのはAB型なんだそうです。
まあ、長々とお付き合いくださいましてありがとうございました。