暑い話で恐縮ですが、この7月には40℃を超えた地域が6つの地点であったそうですが、
これから先、西日本を中心に連日猛烈な暑さが続く見通しのようです。昨日も、兵庫県
丹波で41.2℃が記録されたそうです。地域別には、この夏の平均気温は、西日本では
平年より1.4度、沖縄・奄美は0.9度、東日本は1.7度、北日本は平年より2.3度高いようです。
毎年、異常気象が続いている・・と言いますから、もはや異常ではなく通常化して
きているのかも?
(日本気象協会より)
2025年7月も今日で終わりとなりますが、参院選の大きな後遺症、トランプ関税合意の
心配など大きな事案がありました。 大相撲では、平幕 琴勝峰の初優勝、高校野球の
地区代表が出揃い、大津波はカムチャッカ地震で3mの予報、終日交通大混乱・・など
歴史が刻まれました。
不思議な日本語(63)はいつものように、順不同、思いつくままの言葉を取りあげ
ました。 では・・
・風化 「風」という字は風そのものを指し、自然の力を象徴しており、「化」は、
変わることを示す漢字です。これら二つの漢字を組み合わせて、風によって物事が変化
するという意味となっています。転じて、経年によって朽ちたり、忘れ去られる事を
指すようになりました。
「長年の風雨によって山の岩が風化してきた」「多くの人が忘れ去った過去の出来事は、
やがて風化していく」などの例文がありましたが、風化は時が経つことによって変化や
消失が起こることを強調しているのですね。
即物的なことを言えば、地表の岩石が、気温や水、風、生物などの作用によって、次第に
破壊され、分解していく現象を指し、温度変化による岩石の膨張・収縮、水の凍結による
物理的な風化、水や空気中の酸素、二酸化炭素などが岩石と反応し、化学変化を起こして
分解する化学的な風化、さらには、植物の根が岩石を破壊したり、微生物の酸により
分解される生物的風化があるとあります。
もう一つは、比喩的に、記憶や感情が時間とともに薄れていく 記憶や感情の風化が
あり、とくに悲惨な事件や事故の記憶が、年月とともに薄れていく様子を指すことが
多いですね。
ここで、自然を代表して使われている「風」とはそもそも何か?
昔は、大きな鳥の姿をした神様がはばたくことによって風が起こると信じられていて、
その鳥の姿から「鳳(おおとり)」の字ができ、「かぜ」を意味しました。それが、大きな
風を起こすのは鳥形の神ではなく竜形(虫)の神であるとの考えに変わり、現在の「風」と
なったとあります。
そして「風」は、単に空気の動きだけでなく、神聖な力や、風習、人の噂、姿や雰囲気
など、さまざまな意味を持つようになったとあります。
「風」の付く言葉はたくさんありますが、いくつか挙げてみます。暴風、台風などの他、
風刺、風貌、風采、風邪、風流、和風、風味・・など、かなり幅が広いですね。
・稲妻 子どもの頃「雷が鳴ると梅雨が明ける」などと言われていましたが、あの
「雷」は、雲と雲、あるいは雲と地上の間に起こる放電現象で、雷雲の生じる原因に
よって熱雷・界雷・渦雷などと区別されているそうですが、この音と光を伴う雷放電
現象を雷電と呼ばれています。
雷(かみなり)に際して起こる音は雷鳴であり、雷電の「雷(らい)」であり、雷に
際して起こる光は稲妻で、雷電の「電」であるとあります。(ウイキペディア)
(イラストエイトより)
で、この「いなびかり」を、なぜ稲妻というのでしょうか? 雷は稲にとって大事な
妻(伴侶)であるところから、そのように言われたのだそうです。
雷の放電によって空気中のチッ素と酸素が結びついて、雨に溶けて地上に降り、空気中
にあったチッ素を稲が利用することができ、それが栄養になってたくさんの稲穂を実ら
せることができた。このことから、雷は「稲」にとって豊作をもたらすよき伴侶「妻」の
ような存在として、「稲妻」と言われるようになったとあります。
理屈はそうであるかもしれませんが、そのことを「妻」とする、思考はどういうところ
から来るのでしょうね。
カミナリの由来は、その昔、雷の音は神が鳴らすものと解釈して「神鳴り」と呼んだ
ことが始まりだそうです。そしてその雷光が稲を実らせる力を持つと考えられていたの
ですね。
「雷」という漢字は、「雨かんむり」の下に「田」と書き、上記の「稲妻」に関連して
雨と田に由来する漢字のようにも思えますが、この「田」は「田んぼ」ではないそうです。
古い字体では「雨」の下に「品」のように「田」を三つ重ねた「畾」の字が書かれて
いて、さらに古い字体では「田」は「○に十字」の形をしていたそうです。「雷」という
漢字は、もともと空に光る「稲光」の形や「ゴロゴロ」という音を表した字と言われて
いるとありました。
・風呂 「お風呂」の語源は、いくつかの説がありますが、有力なのは「室(むろ)」が
変化したという説です。室は、洞窟や岩屋のような狭い場所を指し、昔の蒸し風呂を
意味していました。また、「風炉」という茶道具が語源であるという説もあるようです。
昔のお風呂は、狭い空間に蒸気を充満させ、その中で体を温めて垢を落とす蒸し風呂が
主流で、この蒸し風呂を行うための狭い空間を「室(むろ)」と呼んでいたことから、
それが変化して「風呂(ふろ)」になったというのです。 最初に出ていた「風」の意味は
無いのですね。
風呂の起源は、古代メソポタミア時代から、祓い清めの沐浴のための浴室が作られ、
その後、薪を炊いて温水による浴室が神殿に作られていたそうです。その他、水風呂や
温泉を利用した巨大な公衆浴場なども知られていますね。
日本でも、仏教伝来とともに、寺院に「浴堂」という蒸し風呂のような施設が作られ、
一般の人々にも開放されるようになり、これが、公衆浴場の起源の一つとされています。
このように「風呂」という概念は、元々はサウナのような蒸し風呂を指していましたが、
時代とともに(江戸時代中期以降)湯船に浸かる入浴方法が普及し、これを「湯」と
呼んでいました。そのうち「風呂」と「湯」が混同して使われるようにもなったのですね。
湯船に浸かる入浴方法が広まり、銭湯も登場しました。
銭湯の「銭」は、江戸時代に湯に入るのに必要な料金が一銭だったことに由来して
います。当時は「湯屋」と呼ばれていましたが、庶民の間で「銭湯」という言葉が定着
しました。銭湯は、単に体を洗う場所だけでなく、社交場や娯楽の場としても機能して
いたそうです。
(technet。azより)
ついでですが、「風呂敷」というのがありますが、これは文字通り「風呂」から来て
いるのですね。
布でものを包むという習慣自体は、古くからありましたが、銭湯が普及した江戸時代
ごろから、そうした布をまとめて「風呂敷」と呼ぶようになったと言われています。
銭湯では、自分の着替えを布で包んだり、その布を敷物にして身繕いをしたりして
いました。お風呂で布を使う機会が増えたことで、その布が「風呂敷」と呼ばれ、やがて
ものを包む布全般を「風呂敷」と呼ぶようになったとあります。
・くべる 「焚べる」の読み方をご存知でしょうか? 「たきべる」ではなく・・
「くべる」です。「焼べる」と書くのが一般的だとあります。 『小学館デジタル大辞泉』
では、「燃やすために火の中に入れる。」物を火の中に入れて、もやすことなんですね。
北海道やその他の地域の方言ではないか・・などと言う人もあるようですが、古く
「竹取物語」にも『火の中にうちくべて焼かせ給ふに、めらめらと焼けぬ』との記述が
あるようで、10世紀半ばまでに成立した古い日本語であることが分かっているそうです。
(ネット画像より)
「くべる」という対象によって、植物への肥料をあげる、つまり「施肥」のことを
指して言うことがあります。ストーブに薪を入れて燃やすように、植物の成長のために
肥料を施す行為をなぞらえて、そのように言うのでしょうね。
・長兄 一番上の兄。2番目の兄は「次兄(じけい)」、または「二番目の兄」と
呼びます・・(あたりまえ!) それに対して、長男とは、兄弟の中で一番最初に
生まれた男子のことですね。例えば、男ばかり3人兄弟で長男が亡くなっている場合は、
次男が長兄ですね。
また、長子というのは、男女を問わず一番最初に生まれた子のことを指します。一姫、
二太郎の場合は、長子は一姫で、二太郎の長男は長子ではないのですね。
長男は「最初に生まれた男の子」で長兄は「一番上の兄」
漢字ペディアに「長」の字を調べてみますと、①ながい。(ア)距離やたけがながい。
「長編」「身長」(イ)時間がながい。「長期」「長寿」 ②たける。育つ。大きくなる。
「生長」「成長」 ③のびる。のばす。「延長」「助長」 ④年をとっている。目上。「長上」
「長幼」 ⑤最も年上である。最年長。「長男」「長子」 ⑥おさ。かしら。最上位の人。
「長官」「会長」 ⑦すぐれている。「長所」 ⑧むだ。あまり。「長物」「冗長」
⑨「長門(ながと)の国」の略。「長州」
とあり、⑤の意味ですね。
「長」の文字には、優れている、トップなどのプラスイメージの意味と、長すぎて無駄‥
のようなマイナスイメージの意味とが同居しているのですね。
冬の稲妻 / アリス