時折、陽が差す程度の、スカッとしないお天気ですが、雨は降りませんでした。
そんな昨日(6/8日)の14時少し前から、定例のウエブサロンが始まりました。
皆さんそれぞれにご用がおありで、5名参加となりましたが、今回は、大半が母校
(高校)のルーツについて、それが1900年なのか1901年であるのかの議論に終始しま
した。
参加メンバー(関東×2、関西×3)
このようなことが、なぜ議論の対象になるのか? まったくローカルな話で恐縮ですが、
当時の大阪の大発展期にあって、教育面においても大きな発展期にありました。 全国的な
傾向でもありましたが、大阪での男子中学校(旧制)設立は、1895年の第一尋常中学校
(北野高校)他を筆頭に、1906年までに10校が設立され、1942年までに、計17校が設立
されています。
一方、女子教育についても1899年の「高等女学校令」の公布と共に全国都道府県に
最低1校の高等女学校の設立が義務付けられました。
当時の大阪における高等女学校は、大阪府師範学校女学科(1886年)があり、これが
1890年頃に市立大阪高女として設立されていました。 ところが、女子の高等女学校への
入学希望者が急増し、中之島にあるこの市立大阪高女1校だけでは、収容しきれず、
新たに高女の新設の必要性が生じると共に、これまで市の北部(中の島)にのみある
ため、市の南方面に増設する要望があったのです。
かくして、1900年には、中之島にある市大阪高女を市第一高女として、新設する南地域
(千年町)に市第二高女を開校することとなったのです。
ここで、議論が複雑化しているのは、上述したように「高等女学校令」が前年に公布
されており、当時、大阪府には高女がありませんでした(市にはあるが)ので、大阪府
第一高等女学校を、もともと保有していた「清水谷の地」に1901年に設立するとの認可を
得たのです。
わずか1年のズレで、大阪に市が2校、府が1校の計3校も高女を設立することは経済面
から見ても非合理的であるとの判断から、南地域(千年町)に設立された市第二高女を、
距離的に近い清水谷の地に設立される府第一高女に転入することとされたのです。
つまり、府第一高女はもともと1年生の募集のみでスタートする計画であったところを、
募集は1年生だけで変わりはありませんが、2、3年生は市第二高女から試験を受けて、
府第一高女に転入する形がとられたのです。
校長先生は、市第二高女設立と同時に発令されましたが、府第一高女の校長含みで
あり、府第一高女開校時には、市第二高女の教員、生徒がそのまま(の形で)転入して
きたのです。
大阪では、市第一、第二高女はともに府に移管することとなり(1901年)、合わせて
これまでの第一、第二などのナンバースクール(呼び名)から、設立の地名を冠した
校名とする・・に改められ、市第一高女は府中之島高女に、市第二高女は府清水谷高女に
転入してスタートしたのです。(その後、市第一、市第二高女は廃止されます。)
さて、ここで、サロンでの議論のポイントが見えてきました。すなわち、市第一高女は
そのまま府中之島高女で問題は起こりませんが、市第二高女が府清水谷高女にそっくり
転入して来ていますから(そして、校長先生も同じですから)市第二高女が府清水谷高女
の前身と捉える見方が生まれてくるのです。つまり、清水谷高女のルーツは、市第二高女
である1900年が開校年とする説なんですね。
しかし、これらの経緯からみると、市第二高女は生徒数の増加によって、新設された
高女でその期間は、2年で消滅しており、新たに「高等女学校令」に基づき設立された
府第一高女(府清水谷高女)とは設立の目的次元が異なっていると考えられますから、
現在の清水谷高校のルーツは、1901年の府第一高女にその源を置くことが妥当であると
する意見なんです。
さて、一体1900年説が正しいのか、1901年説が正しいのか・・そんな議論なんです。
サロンでの解釈は、1901年説に軍配を上げたいのですが、この問題をどの様に公的な
議論として展開し最終結論を導くのかその方法論についても検討したのです。
高校を卒業してそろそろ70年近くになろうとする高齢者が、ウエブ会議でこのような
ことに真剣な議論を交わしているというのは、一面微笑ましいことのようではありますが、
このような意見提起をどの様にすれば、公的な場として扱われるか‥そんな心配がある
のですね。
因みに、現状の公式見解としては、市第二高女をルーツとし(1900年)、1901年に
清水谷の地に移転したとなっているのです。
とりあえず、このような疑問点を、同窓会幹部に意見提起をしてみる・・ことでお開き
となりました。
超ローカルな話題で申し訳ありません。
【BS日本・こころの歌】学生時代 − FORESTA
在校生もほとんどの卒業生もまったく気にしていなさそうなところも面白いです。
面白いですね。関係者のだれも、なにも気に留めていないことに、マジで議論を燃やしている。
まぁ、時間があるといえばそうですが、やはりそこには、母校を思う気持ち
というか、どこかこだわりを持っているからでしょうね。
こんなことを議論しても、何も変わることはありませんし・・でも、捨てておけない。
誰からも頼まれてもいないのに・・。