今年、梅雨はどうしちゃったんでしょう? 先週は、ず~っと暑いお天気が続いて
猛暑日なんかもあったりで、今週に入って少し雨らしい(関東では)日もありますが、
以前とは確かに違ってきていますね。 全国的には、お米なども高温耐性品種が開発
されているそうですが‥どうなるのでしょうか?
そんなことを心配しているうちに、6月も終りに近くいよいよ「真夏」がやって来
ます。
不思議な日本語のコーナーに、うれしいコメントをいただきました。 耳にしたり、
馴染みはありますが、難しい言葉で「挙る(こぞる)」と「屯する(たむろする)」です。
ですので、これに触発されてこのような言葉をもう少し探してみました。
恐らく「表外音訓」の部類では・・? ということで、そのあたりを見てみました。
表外音訓というのは、「常用漢字表に記載されていない字音と和訓」とありました。
なので、若い人たちには、あまりなじみがないかもしれませんね。
(和語の里より)
では、早速・・
・挙る 「こぞる」です。 みんな口ずさむ「♬ もろびと こぞりて むか~え
まつれ・・」あのクリスマスソング(讃美歌)です。 「こぞる」は、「集まる」
「そろう」という意味ですが、特に「一人残らず」「全員が」とのニュアンスが強い
言葉とあります。
精鋭がこぞる・・は、精鋭たちが(残らず)全員集まるの意ですし、皆こぞって
賛成した・・は、みんな一人のこらす賛成したの意となります。
「挙」はもともと、みんなが手を挙げる‥との語源で、皆が手を挙げて集まる・・
から、あげる、持ち上げる、上にあげる、さらに ことを起こす、行う、登用する
などの意味に繋がっているようです。 挙を使った言葉に、挙手、挙動、挙兵、挙式、
選挙、検挙、推挙、枚挙にいとまがありません・・一挙手一投足、科挙・・。
しかし、どうして、「挙る」を「こぞる」というかは、突き止められませんでした。
「こぞる・こぞって」は常用漢字表外の読み方とあります。 ここで、常用漢字とは、
1981年の国語審議会答申に基づいて、内閣告示・訓令された常用漢字表に示された
漢字を指し、法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など,一般の社会生活における漢字
使用の目安としているものを指しているとあります。
常用漢字表は、2136字あり、昔(1946年制定~1981年まで)の当用漢字は1859字
でした。
・屯する <AI による概要>に次のようにあります。 「屯する」は、「たむろする」
と読み、人々が群がり集まる、または一か所に集まってとどまるという意味です。
特に、あまり良くない意味で、人が集まって騒いだり、たむろしている様子を表す
ことが多いです。
(ネット画像より)
「屯する」という言葉は、「とんする」とも「たむろする」とも読みます。どちらで
読むかによって意味が少し異なります。 「とんする」と読む場合は、「集まる」や
「守るために集め、とどめる」という意味で、例えば「駐屯する」のように使われ
ます。 「たむろする」と読む場合は、「ただ一か所に寄り集まる」という意味で、
あまり良い意味では使われません。
「屯する」の語源は、漢字「屯」の成り立ちに遡るとあります。 元々は、地上に
出たばかりの固く結んだ草の芽の形を象った象形文字で、そこから「集まる」「とどまる」
「かたまる」といった意味が派生した。 また、「屯」は「集落」や「集まる場所」を
意味する「邨」の原字でもあり、人が集まる場所、兵士などが集まる場所を指す
「屯所」という言葉にも繋がっているのです。
同じ部首「屯からノを取り除いた文字」の漢字には、①め。めばえる。 ②くさ(草)。
の意味があり、草の芽生える形からできた字・・だとあります。
「あそこで集まっている連中」という表現に比べ、「あそこで屯している連中」と
言った表現を聞くとあまりプラスのイメージではないですね。
・集く 「集く」は「すだく」と読みます。 これも集まる‥の仲間です。意味は、
鳥や虫などが群れをなして集まり、鳴く様子を表します。また、一般的に「集まる」
という意味で使われることもありますが、騒がしい様子や、群がって離れない様子を
強調するニュアンスが含まれることもあります。
「草むらに虫が集く」 「鳥たちが集く」「昔の人の人影は絶えて、集く虫の音だけが
聞こえる」などの例があります。
(ネット画像より)
また、「集る」となれば、「たかる」と読み、単に集まるだけでなく、あるものに
群がったり、しがみつくように集まったりする様子を表します。 さらに「たかる」
には、人に金品をねだったり、脅迫して奪い取ったりする意味もあります。
例えば、「えさに虫がたかる」や「黒山のような人集り」さらに、人に金品をねだる、
おごらせる、遊興費を出させるなどの意味でも使われるとあります。
また、「集まる」と「集う」はどちらも「人が集まる」という意味で使われますが、
ニュアンスに違いがありますね。「集まる」はより一般的で、場所や目的に限定されず、
人が集まる状況全般を指し、「集う」は、ある目的のために人が集まることを意味し、
よりフォーマルな印象や、集まること自体に意味がある場合に使われるとあります。
<集まる> は、場所や目的に限定されず、人が集まる状況全般を指す。
「会議室に人が集まる」「公園に子供たちが集まる」「お金が集まる」「情報が集まる」
(物事にも使える) また、「集まれ!」など命令形や依頼形にも使えるのです。
<集う> は、ある目的のために人が集まることを意味する。
「卒業生たちが母校に集う」「祭りに人々が集う」「有志が集う」 で、物事や命令形や
依頼形には使えないですね。
以上の3つは、いずれも「集まる」の意味がありますが、それぞれに違った内容が
込められているのです。面白い日本語・・ですね。
・強ち 「あながち」と読み、主に「必ずしも~とは限らない」「一概に~とは言え
ない」という意味で使われる副詞です。下に打ち消しの言葉を伴って用いられることが
多いとありす。
「強ち」は、ある事柄や意見に対して、完全に同意したり、否定したりするのでは
なく、ある程度はそうかもしれないが、必ずしもそうとは限らない、というニュアンス
があります。
「強ち~ない」という形で、下に打ち消しの言葉を伴って使われ、「彼の言うことが
強ち間違いだとは言えない。」「その情報は強ち嘘だとも言い切れない。」「今回の
結果は、強ち成功とは言えない。」 などが例としてあります。
「強ち」の元々は「強引なさま」「身勝手なさま」という意味の古語だそうですが、
現代では主に「必ずしも~ない」という意味で使われます。 「強」は「弘(こう)」と
いう文字の「ム」の下に「虫」を加えた形です。 「弘」の「ム」は弓の握(にぎ)り
の部分に紐(ひも)のようなものを巻(ま)きつけて強固にした形を表し、その強固
な弓のことから「弘大」(広く大きなこと)の意味を持つのですね。
しかし、「あながち」の意味はかなり飛躍しすぎているようにも感じますね。
また、「強か」と書けば、「したたか」と読み、こちらは「強ち」よりも「強」の
意に近く、「しっかりしている」「手ごわい」などの意味となります。
・誰何 次は、「すいか」です。 「警察に誰何された」などと使います。 意味は、
相手が誰であるか、何者であるかを問いただすことで、特に名前や身元を尋ねる際に
使われるとあります。 警察官が不審な人物に「誰何」したり、夜道で知らない人に
声をかけられる場合も「誰何」の一種と言えるかも。
「だれ・なに」と書きますから、名前や身分などを把握するため・・は、それと
なく分かりますね。
「誰何」の由来は、中国語の「誰か(すいか)」という言葉だとありますから、中国
語なんですね。 日常会話ではあまり使われませんが、法律や警察関係の文章、あるいは
文学作品などで使われることがあるようです。
「誰何」の類語として、「見とがめる」「呼び止める」「質す(ただす)」「問い質す
(といただす)」「尋問する」「職務質問」などが挙げられています。
・軋轢 最後は「あつれき」です。 二つの漢字にはそれぞれ「車」偏があります。
「軋轢」の語源は、車輪がこすれ合って(きしむ)嫌な音を立てる様子からきている
そうです。 「軋」も「轢」も、車輪がこすれて不快な音を立てることを意味し、
そこから転じて、人と人、組織と組織の間に対立や不和が生じることを指すように
なったとあります。
軋轢はもとは仲がよかった、もしくは人間関係に問題がなかったのに、何かのきっ
かけで関係が悪くなり仲たがいすることをいっているのだそうです。 人間関係の
悪化や摩擦を表す言葉として使われます。「軋轢を生む」や「軋轢が生じる」など
ですね。
(社会人の教科書より)
このほか、忸怩(じくじ)、 準(なぞら)える、 遜(へりくだ)る、 柵(しが
らみ)、 慄(おのの)く、反古(ほご)・・などたくさんあります。
倖せはここに