18日朝は5時ころ、19日は4時ころに頑張って南東の空を見上げましたが、
空が明るくて狙った方角に、それとなくうっすらと光っている星がありましたが、
4つ並んでいるようなところは皆目認識できませんでした。首をグーっと上に持ち
上げてみると、天中近くに、うしかい座のアークトゥルス(1等星)?が目に入り
ました。夜の明かりが激しくて、空の低いところは一段と見ずらいのですね。
電気自動車がいよいよ実用化時代に入ろうとしている今、電気飛行機の話題が
口の端に上るようになって来ようです。 あの重い機体をバッテリーを積んで浮揚
する・・とは、まあできるかもしれませんが、あまり効率的ではないかも‥という
思いがよぎります。 しかし、その昔、1903年にライト兄弟の飛行機の発明を見る
までは、まさか鉄の塊が空を飛ぶなど信じられなかったでしょうね。
ウイキペディアを眺めますと、電動航空機(Electric aircraft)などの表示も
ありました。電気飛行機を目指す開発の歴史も詳しく述べられていました。
以下にポイントだけ拾ってみました。
1970年代頃から、電動の模型飛行や電動グライダーなどの動きがあり、1974年に
は、アメリカ(アストロ・フライト社)が、ロッキードを通じて初めて実証機を製造
したとあり、1979年には、早くも有人のソーラープレーンが製造されたそうです。
1981年には、有人でドーバー海峡の横断に成功し、1990年、三洋電機製のアモル
ファスシリコン太陽電池によるアメリカ大陸横断に成功している‥とあります。
2000年に入ってNASA他で開発が試みられ2010年にはスイスの『ソーラー・インパ
ルス』が世界初の本格的な夜間有人飛行に成功しています。 その後、世界各国で
開発に取り組まれ、日本では、昨年2019年1月に経産省とボーイング社が電動航空機
の技術協力で合意し、本格的な開発が始まっています。
また、今年のエアレース大会で電動航空機部門『エアーレースE』が開催される
予定だとも・・。
ソーラーインパルス
(ウイキペディアより)
現在、航空機が膨大な二酸化炭素を排出していることを問題視する向きもあり、
この点電気は良いのかもしれません。電動航空機は、現在のエンジンと燃料をモー
ターと電源に置き換えたもので機体そのものはほぼ同じでよいわけですが、できる
だけ軽量で、推進力は、プロペラではなく筒状の中にプロペラを挿入して効率を
高めた「ダクテッドファン」(後述します)を使用しています。 また、固定翼機
だけでなく、ヘリコプターも制作されているようです。
しかし問題は、電源です。電源はバッテリー、太陽電池、燃料電池などが使われ
るようで、太陽電池を使用するものは特に「ソーラー・プレーン」と呼ばれている
そうです。いわゆる電池は、重いし、内燃機関の燃料は、使うほどに軽くなります
が、電池は使い切っても重量は変わらず致命的です。そしてパワーも各段位低いの
で、大型旅客機のような大型航空機にはとても向かないようです。せいぜい、10人
乗り以下のローカルな航空機として可能性がある?のかもしれません。
電動航空機の利点・欠点がまとめられていましたので、以下にコピペしました。
利点は、
・内燃機関に由来する音や振動が無いため、周囲への騒音や機内の振動が少ない。
・燃料系統や油圧系統がないため軽量化されメンテナンスも簡素化される。
・プロペラをエアブレーキとして利用し電力回生が可能となる。
・電池式であれば飛行場まで燃料を運搬する必要がなくなるため運搬コストが
抑えられる。また可燃物を積載しないため火災のリスクが減る。
欠点は、
・推進方式はプロペラかダクテッドファンのみとなるため速度に制限がある。
・大容量、高出力の電池が高価。
・電池は消耗しても重量が変わらずデッドウェイトとなるため、現状では内燃
機関よりも航続距離は短い。
・油圧を確保する場合は専用の電動ポンプを搭載する必要があり重量や電力的
に不利となる。
このように見ますと、やはり、素人目にも電源が一番問題であることが分かり
ますが、電源については、(以下、コピペしました)
「電池」 二次電池に蓄えた電気を使用する。プロペラをエアブレーキにすること
で電力回生(充電)も可能である。電気二重層コンデンサーは電力量が少ないので
主電源には不適格であるが、高出力が必要な離陸時にブーストとして使うことも
できる。また、放電後は死重になってしまうのが欠点である。また重量エネルギー
密度は、ガソリンは12,000wh/kgに対して現状のリチウムイオン二次電池
は100~243wh/kgと極端に低く、充放電の繰り返しにより劣化する問題
もある。
「燃料電池」 燃料電池を電源とする場合、消費すれば軽くなるなど内燃機関に
近い感覚で利用できる。また、地上で燃料(水素、炭化水素、アルコールなど)を
給油する時間は充電よりも短い利点はあるが、欠点は酸素が薄くなると反応しにく
いため高度に制限がある。可燃物を搭載するため危険性は内燃機関と同じになる。
水素を燃料とした水素航空機はボーイングなどが研究している
「ハイブリッド」 電気とエンジンのハイブリッドとする考え方です。燃料電池
とジェットエンジンを組み合わせるハイブリッドジェットエンジンは、高高度に
おける酸素不足をエンジン内のコンプレッサーで解決できるほか、ジェットエン
ジンゆえの高速度化、燃料電池の排熱を利用することによるコンバインドサイクル
発電同様の高効率化などが期待されている。
エアバス、ロールスロイス、シーメンスはターボファン4発機のエンジン1基を
電動ダクテッドファンで置き換えたAirbus E-Fan X でリージョナル機の研究を
行う予定だとしています。
Airbus E-Fan
(ウイキペディアより)
大型旅客機の電化は、現状では難しいようですが、全体の重量に占める燃料の
割合が10~20%程度である5~10人乗りの小型航空機では、比較的電動が実用化
しやすいとありました。 既存の燃料をそのままバッテリーに置き換えるとやは
り航続距離が短くなってしまうようですが、たとえば乗客用のスペースを2~3人分
減らしてバッテリーにすることで、従来の燃料で1000kmほど飛行する航空機を
500~750kmほど飛行させることができるとの意見があります。
かなり無理筋にも思えますが、そのうちにできるのでしょうね。それにしても、
今年のエアーレース、見ものかもしれません。
<ダクテッドファン> (ウイキペディアより)
プロペラ状のファンに円筒状の覆い(ダクトまたはナセル)を被せたような構造で、推進
力を得る基本的な仕組みは通常のプロペラと同じ。
通常のプロペラ推進では進行方向だけでなく、それと直交する平面内にもプロペラ端から
気流が発生している(渦流)ので、これは推力とならないため、エネルギーの無駄になってし
まうばかりか、衝撃波となって騒音の原因にもなっている。プロペラの外側を筒で覆うこと
により、プロペラ先端部から発生する気流を全て進行方向側に整流することができるため、
エネルギー効率が上がると同時に衝撃波の発生を抑えて騒音を減らすこともできる。
円筒状のナセルをうまく使うことでさらなる効果を得られる。このナセルは空気取入れ口
が排出口に比べて広い、“ハ”の字型の断面をしていることが多いが、このようにしてさら
に円筒壁面の断面形状(翼形)を工夫するとナセル自体が進行方向側に揚力を生み出すよう
になる。 また、ナセルを偏向させることで気流の向きを変え、ある程度の推力偏向能力を
持たせることも可能である。
ダクテッドファン(ネット画像より)