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キングダム・オブ・ヘブン

2005-10-12 01:20:52 | 映画 カ行
DVDで、オーランド・ブルーム、エヴァ・グリーン、ジェレミー・アイアンズ、リーアム・ニーソン 出演、リドリー・スコット 監督作品「キングダム・オブ・ヘブン」を観ました。

●ストーリー
1184年フランス、鍛冶屋のバリアン(オーランド・ブルーム)は、息子を失い、そのショックで妻も自殺した為、失意の中でひたすら仕事に専念していた。

ちょうどその時、馬に乗った十字軍の騎士が数名、バリアンの元を訪れ、蹄鉄を注文する。

バリアンの仕事ぶりを見ていた一人の騎士・ゴットフリー男爵(リーアム・ニーソン)が、急に「私は君の母親を知っている」と告げ、バリアンを驚かせる。

ゴットフリーは、バリアンの母との馴れ初めを話し出し、終には、自分がバリアンの実の父親である事を告白し、自分の隊に入り、共にエルサレムに行く事をバリアンに勧める。

ゴットフリーの急な申し出に、バリアンは答えを出せずに、村に留まる事に決めるのだったが、十字軍に参加すれば、自殺した妻を地獄から救い出せると信じ、妻の死を侮辱した村の司祭を殺害した後、ゴットフリーを追って村を出て行く。

すぐにゴットフリーと合流したバリアンだったが、司祭を殺害した罪で追ってきた村の一団に逮捕されそうになるが、これを武力でゴットフリーの部隊が殲滅する。

しかし、ゴットフリー部隊にも数名の死者が出て、部隊を率いていたゴットフリー自身も腹部に矢を受け、重傷を負ってしまう。

傷の癒える間も惜しんで、エルサレムに向け部隊を進めていたゴットフリーだったが、途中の街で腹部の傷が原因となり、バリアンに男爵位を継承した直後、静かに息を引き取る。

悲しみの中、バリアン達はエルサレムに向け船で旅立つのだが、嵐の荒波に船は粉々になり、沢山の死傷者を出しながら、バリアンは幸運にも無傷で浜に打ち上げられたのであったが……。

●感想
やつれたオーランド・ブルームやリーアム・ニーソンが中世の騎士の姿で激しいアクションシーンを観せてくれるのだが、シナリオ的にはあまり感動できない作品でした。

言わずと知れた「グラディエーター」「ブラックレイン」「ブレードランナー」「エイリアン」等の数え出したらきりが無いほどの名作を世に出しているリドリー・スコットが監督を務めている作品なので、大いに期待したのですが、今回はストーリーが弱すぎて満足できない作品でした。

クライマックスのエルサレムの街を民衆を守る為に知略の限りを尽くし、サラディン軍と闘う戦闘シーンは見応え「有り!」なんですが、最後まで「バリアンがエルサレム王から軍事力を引き継いでいれば、何万人もの騎士が救えたのに!」と言う釈然としない思いが残り、「今更、そんなに頑張ってもねぇ~、遅いんじゃないの!」と少し腹立たしくなってしまいました。

奇しくも、バリアンがエルサレム王から職務の継承を断った直後にシビラ王女(エヴァ・グリーン)が彼に言った「多くの善き事を行う為に、少しの悪しき事をしなければならない時がある」って言ったのが、最後まで印象に残り「まさにその通り!」だと思って最後まで観てしまいました。

どこの国の歴史を見てもそうなんですが、王の器に無い者が「王の座」に就くと絶対に国が乱れて、民衆が苦しみますよね。

それを、バリアンは防げたにも関わらず、何もしなかったという事は、彼も民衆を苦しめたと言う罪になるんじゃないでしょうか?

でも、あのままバリアンが王になっていたら、何も起こらずストーリー自体が成り立たなくなってしまうので、仕方の無い事だとは思うのですが、何か他のやり方は思いつかなかったんでしょうかねぇ~。

それでも、エヴァ・グリーンの妖しい魅力が素敵だったり、仮面を付けたエルサレム王が不気味だったり、服を脱いだ時のオーランド・ブルームの筋肉ムキムキの身体にビックリしたりと楽しめる要素もたくさんありました。

荒地にエルサレム軍の騎士の死体が、何万と転がっている上空を、おびただしい数の鳥が舞っている荒涼とした場面は強烈なインパクトがあり、この時代に生きる人々の儚さを見事に映し出している象徴的なワンシーンだと思いました。

●採点
私のこの作品に対する評価は70点です。

ストーリーの内容はあまり好きじゃないのですが、火の玉を派手に打ち込んだり、砲台に巨大な銛を打ち込み引き倒す等の迫力あるアクションシーンは、気に入りましたので、この点数にさせて頂きました。

他にも、民衆と共に井戸を掘るバリアンが微笑ましかったり、エルサレム王の死顔が「まさか!」と思うくらいに醜かったりと色々な感情がよぎってしまう作品となりました。

だから、この作品は必死に戦う硬派なオーランド・ブルームが観たい方と世界史テストの十字軍の遠征の箇所で良い点数を取った記憶のある人におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、クライマックスのエルサレムでの戦いの前に、ティベリアス(ジェレミー・アイアンズ)が「私はキプロスに行く!」とあまりにも早く決断した時に「お前も残って、バリアンと一緒に戦わんかい!」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
わたしの場合は…… (二森)
2005-10-13 21:28:22
はじめまして。

「キングダム・オブ・ヘブン」、わたしは劇場で観まして、まだDVDは買っていないのですが……。



わたしが気になったのはティベリアスです。

>「私はキプロスに行く!」とあまりにも早く決断した時

……このとき、ティベリアスはもうほとんど諦めていたのでしょうね。

バリアンは王の遺志を継ぐかもしれない、

でもそれは単なる可能性に過ぎない……

そんな気持ちかな、と思いながら観ていました。



リドリー・スコット監督は、観客の感情を揺さぶるのが巧いよなあ、とも思いました……(笑)。

またお邪魔します。
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Unknown (カゴメ)
2005-10-14 01:40:28
検索で貴記事を発見!

拝読させて頂きました。



>バリアンは防げたにも関わらず、何もしなかったという事は、彼も民衆を苦しめたと言う罪になるんじゃないでしょうか?



まったく仰る通り! バリアンは腰抜けであります。

政治的センスが無さ過ぎて、観ていて歯がゆかった(笑)。

ということで、

是非、私の記事、TBさせてくらさい。

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