敗戦前後の「父の日記」を読む

昭和19年当時の世相、生活状況、父の考え方を読む。

米英軍の進駐。  思い上がりを反省。

2009-05-05 22:19:23 | 日記 戦後編

昭和二十年8月二十六日 曇 時雨 明け

 きょうも昨日と仝じ天候である。しかし台風気味のお陰で米英軍の進駐が二日間日延べになった。 

 玉蜀黍を倒して始末したり、埋めて置いた瀬戸物を掘り起こしたり、と成す事は山程あるが天候が悪いので手がつかない。 豆潰しなどして半日過ごした。


昭和二十年八月二十七日 晴 一直出勤

 今日は天候良くなって暑い日であった。 台風もどうやら関東に来ないで済んだらしい。 帰途 東上線が来ないで一時間ほども池袋で待って、其の上板橋駅に出て歩いて来たので遅くなった。

 今日も米機が盛んに飛んで居た。 感無量だ。


昭和二十年八月二十八日 晴 二,三直出勤

 今日も大型機が屋根すれすれに飛んで居た。
 
 徐々にではあるが敗戦国の姿が表われて来る。 此れから食糧に、経済に、思想に、大きな難事が来るであろう。 然し如何なる事が出来ようと もっと反省しなければいけないだろう。 先ず第一に各自の思い上がりを清算してからでなければいけないだろう。


昭和二十年八月三十日 晴 一直出勤

 今日は横須賀へ米軍が上陸した。 今日も飛行機が沢山飛んで居た。

 車庫で冬瓜を二ヶ買って来た。 夜煮て食べた。 あまりうまくない。


昭和二十年九月二日 曇 一直出勤 

 アルマイト製の釜が配給になった。

 今日、停戦協定調印日。 敵機空を蔽うて飛ぶ。

 屋根の上や梢かすめて飛ぶ翼星の章を悲しみ仰ぐ
 

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