敗戦前後の「父の日記」を読む

昭和19年当時の世相、生活状況、父の考え方を読む。

クリスマス

2007-07-17 01:15:43 | 日記 戦中編
昭和十九年十二月二十六日 晴 明け
 帰宅後、十時半ごろ郵便局に行くと長い列。 貯金をせよの何のと言ってもあの長い列で二時間も待たされたのでは貯金もいやになってしまう。
 行列の中に立っていると女の人が、こんなにして居る中にポーと警報がなると困ると言ったら 一人の男が 今日は来ません。 クリスマスだからと言う。物知り顔の多いのには困ったものだ。
 三時の報道に昨日、我が航空隊がサイパンを攻撃したと言う大本営発表があった。昨晩来なかったのもそのためなのである。有難いことだ。

 今日の帰途、水道橋まで来ると巡査が列を作って通る。 四列縦隊の中二列に異様な服装の人が居るので良く見ると、囚徒の護送だった。自動車がないので囚人を二名づつ手首を縛り其の両側に看守がついていく。 驚いた事に其の数の多さと若い人ばかりだった。
 今若い人々が レイテで、支那大陸で、ビルマで勇戦しているのにこうした若い者の気持ちが解しかねた。

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