徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

保育所実習巡回記(その1)

2015-02-15 17:04:26 | 子どもとおとな
このところ立て続けに保育所を訪れている。
恒例の2,3月の保育所実習巡回シーズンが到来したのだ。

学生がちゃんと元気にやっているか、
保育所の方々に迷惑をかけていないか、
子どもたちの前で暗い顔をしていないか・・・。
心配すればきりがない。

初めての保育所実習は、たいてい年齢ごとに2日ずつ、クラスに入れていただくことが多い。
一番大きな壁は0歳児、1歳児、2歳児といったクラスに入るとき。

ある時、0歳児クラスに入れていただいた学生が実習中止になった。
学生を引き取りに行ったとき、園長先生は言われた。
「ともかく、暗い顔をしているんですよ。彼女が入ると空気が暗くなる」
それで実習中止。

ちょっと酷な気もしたが、学生にどうしたのって聞いてみた。
「だって、赤ちゃんたち、何にもしゃっべってくれないし
、保育士さんの陰に隠れちゃうし。
私、赤ちゃんたちに嫌われたんだと思って・・・。
どうしていいかわからなかった・・・。」

そうだったのね。
赤ちゃんがしゃべりかけてくれなかったのね。
(当たり前だろう!!!)と鬼のような言葉が出かかったが何とか抑えて
「赤ちゃんはね、まだ、言葉が話せないものね。
しゃべってくれないのは無理ないわよね。
でもね、だからって、あなたのこと、嫌いってわけじゃないのよ」

確か、発達心理学の時間もあったし、子ども理解の方法という時間もあったし、
いろいろ座学で考えるチャンスはあったでしょう・・・
と言いたかったが、これも言葉を飲み込んだ。
学生が授業を聞いてくれていると思うのは、それはそれは甘いから・・・。

3歳児以上の幼稚園では、特に4歳児、5歳児ともなればお姉さん先生と遊んでくれる。
子どもたちの方から「あそぼう!」って声をかけてくれる。
声をかけてもらえば、「ほっ」として、彼女たちは子どもたちの中に入ることができる。

でも、赤ちゃんはそうはいかない。
じーっと、じーっと、実習生のお姉さんを観察。
時には保育士さんの後ろに隠れてしまう。
でもよく見ると、隠れていてもお姉さんの方をじーっと見ている。

「じーっと見てもらえばいいのよ。
じっと見てもらっているうちに、
きっとこのお姉さん、大丈夫って思ってもらえるから」

ここまでのことはなくても、学生の実習前の不安は大きい。
大きな不安は二つ。

一つは彼女のように言葉のまだない子どもたちとどう付き合ったらいいかわからないこと。
そう、これはなにも学生に限らない。
「この子が言葉を話すようになったら、いっぱい喋りかけてあげようって思っていたんです。
待ってたんです。
でも、ぜんぜん喋ってくれないから、私も喋りかけられなかった・・」
って言ったお母さんがずっと前にいましたっけ。

いつも誰かからの働きかけを待ってから動くってことかしら?
と思ってしまう私。
自分から働きかけて、その反応がなかったら、無視されたようで怖いというのが学生の言い分。

この言い分を本当に理解するには私の修行がまだ足りない。

もう一つは、自分の目の前で、子どもたちが喧嘩を始めてしまったら、どうしよう・・ということ。
実習では自分は先生だから、「善悪」の判断を子どもにつけるのが役目。
そんな風に思って、なんとか「白黒」を決着させようとする。
でもできない。だから、どうか目の前で起こらないようにって祈るような気持ちでいる。
残念ながらほぼ100%起こるのがこの喧嘩。
特に実習生の前で頻発する。
不思議なことに、担任の先生の前ではこうは頻発しない。
なめられている?

極めつけは、実習生自身の取り合い。
まさに真っ二つに身を割かれる思い。
これがよく起こる。

やれるだけやって失敗するのが実習なのだけれど、
その失敗を許せない。
失敗から学ぼうって思えばいいのだけれど、
なかなかそうは開き直れない。

待ちの姿勢と、いい子でいたい姿勢を突き崩されるチャンスがこの実習。
耐える力もついたら上出来。

でも若い時って、失敗を許せないかもしれないな。
一番難しいことかもしれない、とふと思う。

余りにも、失敗しても平気になっている還暦過ぎの自分に気づかされてしまう、
実習ドサ回り編でした。

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