林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

一対一個別指導のすすめ(1)

2010年02月13日 | 受験
当塾では今までは1対2の個別指導が中心でしたが、昨年あたりから1対1個別指導の重要性を再認識しました。そこで、何回かにわたって、一対一個別指導の意義について書いていきたいと思います。

一対一個別指導のすすめ(1)―「分かるまで丁寧に」から「できるまでしっかりと」へ

従来の1対1個別指導は、中高一貫校の生徒には不要

従来型の1対1個別指導のスローガンは、「分かるまで丁寧に」教えるというものでした。これは、公立中学で成績がかなり悪い生徒などには有益だったと思います。というのは、そういう生徒さんは懇切丁寧に教えてもらわないと、あらゆる科目が難しすぎて理解出来ないからです。当然の事ながら、私立中高一貫校の生徒さんが普通に学校の勉強をしたり、大学受験のための勉強をしたりしているときには、事情が全く異なります。中学受験や小学受験をくぐり抜けてきた彼ら・彼女らは、公立中学の成績不振児よりもはるかに理解力が高いからです。だから「懇切丁寧」を売りにするような個別指導は不要なのです。言い換えれば、従来型一対一の個別指導とはまったく新しい指導が求められているのだと言えます。

「分かるまで丁寧に」から「できるまでしっかりと」への時代へ

なぜ「分かるまで丁寧に」教えるような個別指導の授業が不適当なのか、もう少し説明しておきましょう。

その昔、学習参考書というのはあまり親切丁寧ではなく、また種類も豊富でありませんでした。英語の場合を考えてみましょう。何十年も前の英語の先生は、「辞書をよく引きなさい」と口を酸っぱくして言ったものです。というのは、昔はほとんど辞書だけを頼りに勉強せざるを得なかったからです。また、昔の英文解釈の参考書といえば、バートランド・ラッセルやS.モームといった難解な英文の解説本だったのです。原仙作の『英標』がその代表です。他方、数学はといえば、『赤チャート』や『大学への数学』といった、これもまたきわめて難解な参考書があるだけでした。

そんな時代であれば、家庭教師の先生のような人がかみ砕いて説明してくれるならば、たいへんありがたいものだったでしょう。しかし今日では、英語も数学もかなりバラエティーがあり、使いやすかったり分かりやすい参考書も豊富です。たとえば「実況中継」を中心とする非常に読みやすい参考書があります。数学では坂田アキラの参考書が分かりやすいでしょうし、世界史や日本史のCD本もあります。これらの参考書は本当に親切丁寧ですから、たいていの生徒は解説を読んだり聴いたりすれば理解できてしまいます。仮に赤チャートが難しかったら、白チャートなり、黄チャートを読めば良いのですから。つまり、大学受験を真剣に考える中高生ならば、参考書を読んでも「分からない」ということは、ほとんどなくなっているわけです。

もし参考書や問題集の解説を読んでも分からないとしたら、①実力にふさわしくない問題集や参考書に取り組んでいる、②受験科目として選択すべきでない科目をがんばろうとしている、③あまりにも不親切な参考書・問題集を購入してしまった、のうちのどれかででしょう。

仮にどんなに易しくても数学が理解できないのであれば、数学を断念して私立文系にすればよいだけなのです。

本当の問題は、問題が分かるのか否かではなく、説明をされれば問題は分かるけれども、自力では解けないという状態なのです。つまり、各々の学習者にとっての問題は、どうしても「分からない」ことではなく、自力では解けない、「できない」状態なのです。端的な例を挙げれば、誰でも答えを読めば、漢字や英単語の意味が分かるはずです。単に覚えられないだけのです。


新しい1対1個別指導へ

我々がこの時代にあえて一対一の重要だと確信するに至ったのは、難しい問題を分かりやすく理解するための一対一の個別指導ではなく、できるまで能率良くトレーニングさせるには、1対1個別指導がきわめて有効であると確信するようになったからです。個別指導は「分かる」から「できる」ための方法論へとは成長・発展しなくてはならないのだと言っておきましょう。(次回に続く)


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