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ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや原っぱカウンセリングなどをやっています

大場登「臨床家・河合隼雄の変容」(日本ユング心理学会編『ユング心理学研究第6集・河合隼雄の事例を読む』2014・創元社)

2024年09月23日 | ユング心理学に学ぶ

 2014年のブログですが、今でも時々読んでくださる方がいる不思議なブログです。

 大場先生の力なのか、河合さんの力なのか、とにかく不思議ですが、とりあえず再録します。

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 またまた,ようやく長い冬眠から目覚めました。

 年齢のせいか,だんだんと冬眠の時間が長くなってきているような気がします。

 さて,大場先生の「臨床家・河合隼雄の変容」(日本ユング心理学会編『ユング心理学研究第6集・河合隼雄の事例を読む』2014・創元社)を読みました。

 大場先生は(先生はじーじがつい最近まで在籍していた放送大大学院の先生で,たいへんお世話になりました。だからほめるというわけではないのですが…)ユング派の分析家ですが,河合隼雄さんを教祖のようにおっしゃる方が多い中で,めずらしく河合さんを一臨床家として冷静に語ることのできる臨床家・研究者だと思っています。

 この文章でも,河合さんを時期的に丁寧にたどりながら,河合さんの臨床家としての深まりをわかりやすく述べていると思いました。

 力のある人は本当にいろんな見方,読み方ができるんだなと改めて感心させられました。

 大場先生は,じーじが大学院の授業で,「ここはユング派だとどう理解しますか?」と質問をすると,いつも,「ユング派というより臨床心理学的にはこうかな…」と,より幅の広い見方に導いてくださったように思います。

 ありがたかったなと感謝しています。

 じーじもこれから少しでも臨床の力をつけていきたいと思います。

 なお,一緒に収録をされている皆藤章さんの「河合隼雄の臨床」も,河合さんの,沈黙と気配,について述べており,こちらもとてもいい文章でした。         (2014.3 記)

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 2024年9月の追記です

 前にも書いたかもしれませんが、昔、たしか、日本語臨床研究会だったと思うのですが、河合さんが講演をされました。

 あいかわらず、面白くて、すごくためになるお話が続いたのですが、しばらくして急に、時間ですので、今日はこのへんで、と終わりになりました。

 まだまだお話が続いているところだったので、じーじはびっくりしましたが、しかし、やはりすごい臨床家は時間をきちんと守るんだな、と感動もしました。

 河合さんはやっぱりすごい人でした。          (2024.9 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事  心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文 家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所  新潟市西区

 mail    yuwa0421family@gmail.com 

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荻原浩『月の上の観覧車』2014・新潮文庫-人生と家族を見つめる小説たち

2024年09月23日 | 小説を読む

 2020年8月のブログです

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 またまた荻原浩さんを読んでしまいました。

 短編集『月の上の観覧車』(2014・新潮文庫)。

 思わず、うまいな!と思ってしまいます。

 座布団三枚!です。

 人生を半分くらい過ぎたおとなの小説、という感じ。

 決して明るいだけの小説ではないのですが、しかし、かといって、暗いだけでもない。

 明るさを見据えて生きようとしながらも、しかし、どうしようもないこともある、といったところ。

 あえていえば、やはり、いつものくりかえしになってしまいますが、生きることの哀しみ、ということでしょうか。

 人生には楽しいこともたくさんありますが、それと同じくらい哀しいこともある、いや、むしろ、哀しいことのほうが多いかもしれない。

 そんな感じでしょうか。

 八つの短編からなりますが、いずれもがセピア色の写真のような味わいがあります。

 じーじが好きなのは、「レシピ」。

 中年女性の回想ですが、ちょっとユーモアが効いて、読んでいて楽しくなります。いい小説です。

 離れて暮らす娘との面会交流を描く、「チョコチップミントをダブルで」もいいです。

 面会交流で張り切りすぎちゃうお父さんの姿は、家裁の面会交流の時を思い出します。

 普通、のままが一番いいのですが…。

 いろいろなことを考えさせられる、人生と家族を見つめる小説たちです。           (2020.8 記)

 

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