たぶん2015年ころのブログです
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小倉清さんの『思春期の臨床-小倉清著作集2』(2006・岩崎学術出版社)を再読しました。
この本もずいぶん久しぶりで、ところどころにアンダーラインや付箋があったのですが、例のごとく(?)ほとんど覚えておらず、またまた新鮮な気持ちで読ませていただきました。
思春期の患者さんに対する小倉さんの思いもとても「熱く」、生半可な気持ちで関わることを戒められている箇所が多くあり、襟をただされる思いでした。
また、この本では懐かしい論文に出合うことができました。
例によって覚えてはいなかったのですが(?)、まずは「弱い父親-臨床ケースをとおして」という論文。
これはずいぶん前に出た『父親の深層』(1984・有斐閣)という論文集に載っていたらしいのですが、まったく気がつきませんでした(小倉さん、ごめんなさい)。
この本は、じーじが家庭裁判所で仕事をするようになって少したった頃の本で、日本の深層というシリーズの一冊でした。
他に『母親の深層』や『子どもの深層』などという、どれもすばらしい執筆陣による、すばらしい内容のシリーズで、当時、熱中して読んだ記憶があります。
そこに執筆されていたというのはさすが小倉さんです。
もう一つの論文は、「過食の治療」。
この論文は下坂幸三さんの編集した『過食の病理と治療』(1991・金剛出版)に収められていたらしいのですが、これも気がつきませんでした(小倉さん、またまたごめんなさい)。
『過食の病理と治療』という本もとてもいい本で、何度か読んでいますが、この当時、下坂さんは摂食障害に関する本をたくさん出されていて、どの本も奥が深く、とても勉強になりました。
特に、家族面接の記述がすばらしく、じーじも家庭裁判所で親子面接の時に参考にさせてもらったりしていました。
親子面接や夫婦面接はその後も続けていますので、ずいぶんお世話になっていることになります。
小倉さんのこの本を読むと、現場でその時にていねいな仕事をすることが即学問になるのだなと感心をさせられます。
同じようなことはとてもできませんが、少しくらいは真似てもいいのかもしれません。
さらに勉強を深めたいと思います。 (2015?記)
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ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介
経歴
1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。
1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。
1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通う。
1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事する。
1995年頃、調査官でも落ちこぼれ、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。
2014年、定年間際に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。
2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。
仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。
所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会
論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか
住所 新潟市西区
mail yuwa0421family@gmail.com